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オレには分かる

──ルー視点──


クリスは、チェリル嬢を慕っている。最初からわかりやすい。素直なクリスが、六歳だと言ってしまったと、口裏合わせを頼んできた。健気だ。

でも、その気持ちは痛い程よくわかった。

年上の女性っていいよなぁ。それも、よくわかるぞ。オレも、マリアーナ様と五歳差で自分の幼さと不甲斐無さにいつも悩んでいた。彼女の後ろ姿をいつも見上げていた。到底たどり着くことのない高みにいる人だとそう思った。

でも、クリスは違うきっと問題が解決すれば手が届く。クリスはスゲー力を持ってる。オレがどんなに努力をしてもあんな規格外で変な力が身に付くことは無いだろう。きっとクリスなら出来る。

だからこそ、勇気を出して今はバールアカイトへ。男女の三歳差は大きい。まだ、小さいクリスだか急がないと手が届くものもどっかに行ってしまう。



「お水、どうぞ」「ありがと」

クリスは悪化している。もしかしたら、行くのを止めることにしてしまうかもしれない。あんな、水着で遊んだりするからだ。羨ましい、オレもマリアーナ様とあんなことやってみたかった。

「クリス、大丈夫か?なんだ、その言いにくいし酷だと分かってるけど、今は諦めるしかないぞ」

厳しい言い方だったが、クリスには幸せになって欲しい。オレみたいに最初から最後まで諦めるしかなかったのとは違う。今だけ、今だけなんだ。

「オレも好きな人とは今は離れ離れになった。最初から思うだけ無駄な程に、絶対結ばれない運命だったんだ。今は、その人の大事なものを守れる、それだけがオレの気持ちの終着地点なんだ」

クリスを本当の幸せへと導いてやれるさ。笑顔で守ってやる。

「ルーってもしかして僕のお母さんのこと...」

しまった、まぁ、クリスならいいか。

「あぁ、誰にもゆうなよ秘密だからな」

久しぶりにこんなこと人に言ってしまった。

それが彼女の息子だなんて、恥ずかしい。



時折泣きそうな表情を見せるクリスの傍に要るのが辛かった。護衛のくせに。

今日だけ、サムさん達に手紙を出す為、クリスを離れた。

思い出くらいたくさん作って欲しい。オレがシトイット侯爵邸でマリアーナ様を見ていられたのは、六年。それと比べれば短い時間だ。だからこそだ。



チェリル嬢は、お別れする前に寝ていた。

「クリス、花、あっただろ?出してくれ。花輪の造り方教えてやるから」

マリアーナ様と庭で庭師に教えて貰い造ったことがある。それを今度はクリスと。




船へと乗り後は明日の出航を待つだけだったが、クリスは中に入らず、陸の方をずっと眺めていた。賢く優しいクリスだ、自分が中に入らなければ護衛は休むことなど出来ないと知っている。それをしない程、余裕がないのだ。分かる。オレも同じだったよ。せめて、傍に居るよ。





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