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出発まで残り五日

次の朝、昨日一日帰らなかったので洗濯のお手伝いが沢山有るとちえりは手を振り食堂を出て行った。食事を終えた僕等は、ジーンマニに向かう。

「これで石鹸を作って欲しいんだ」

僕は前に来た石鹸の工場を訪ねている。香油の瓶の蓋を開け匂いを嗅ぐ。

「ん?こりゃプルメリアだなぁ。この量だと、多くて五十個、少ないと三十ってとこだがいいか?」

結構差があるんだなぁ。ちゃんと量るまで分からないのかな?

「はい、お願いします。」

「金貨三枚だ。直ぐやってやるから明日の夕方頃なら今の時期でも固まってるだろうよ」

お金を渡し、街を出て森に行こうとしたところ長い幌馬車の列があった。門に立っているいつも顔を見る男にルーが訪ねる。

「あれは何の団体か分かるか?」

役人やルカトルからの馬車だとこれより目立つことは出来ない。

「あれは、たぶんクワリム商会の馬車だと思うぞ。」「クワリム、」

馬車に乗せてもらったことがあるなぁ。

「あぁ、何でもこの辺りの今年の小麦の収穫は多かったらしくてな、それを冬になる前に西に売りに出すんだと。ここにも寄らず直接村に向かうみたいだな」

西だとお母さんとサムが居るところにも行くのかな?

「そうか、呼び止めてすまない。」

「いや、魔物退治頑張ってくれ」

「あぁ。」ルーは小さく手を上げる。

商隊の列が過ぎた後、森に入りケインを取り出す。

(商隊の向かう方に五十キロ、魔蟲を回収して)

『ハイハイ。回収!』

あの商隊にはお母さんとサムに手紙を届けて欲しい。なので陰ながら援助しておいた。

「はい、みんなで止めをお願い」

レベルアップもしてもらう。

あ~そうだクワリム商会と言えば誠魂鐙石!だがこの森で集めたことはなかった。ちょっとやってみるか?

『ハイハイ、回収!』

集まった誠魂鐙石は二つだけだった。これの意味することは何なのか。

この日は、南下しながら強制的にレベルアップを三人にして貰いながら森を整備していたら暗くなっていた。久しぶりに森の露天風呂に入り森の中で寝た。

宿に何も言って来なかったので早く帰ろうと日の出に街道に出る所でプルメリアが咲いているのを見つけいくらか摘んで宿に戻った。


街道を走って戻ったので、ノドが渇いている。ちえりはみんなに水を持って来てくれた。みんな一気に飲み干す。ちょっと運動不足かもしれないなぁ。前は屋敷の周りを走っていた。ルーも見張り番が終わったらいつも走っていた。トッドも見張りが終わると一人で鍛錬をしていた。リードは、分からない。一番余裕そうだ。これからはもうちょっと走ろう。

朝ごはんは残してくれてあり、有りがたく頂いた。朝、食べたけどね。皆、部屋で暫く休んでから、ジーンマニに向かう。

最初に行った乾物屋に入り小麦は有るかと訊ねた、リードを怪しんでいる。

「この間、大量に買ってったろうに、また買うんですか?」

「あー言い忘れてたか?俺達、漁師の達の代理だ。」

「ホントですか?国からの役人じゃないですよね?」

「違うぞ、安心して欲しい。で今、幾ら売れる?」

「いや~それならそうと言って下されば。四十有りますが、今ここには二十しか置いてないので明後日来てくれ。」

「あぁ、製粉工場だな。」

ルーの言葉に店主は驚愕する。

「そっちに直接取りに伺いましょうか?」

トッドも事も無げにそう提案している。

「そっそうですか?しかし、それはちょっと待って下さい。」

店主は、やはり役人ではないかと疑って、言葉を選んでいるようだ。

「違うよ、僕らは、少しでも手伝いたいだけなんだ。」

僕の声で子供が一緒に居たのを思い出し安堵している。子供を連れている役人などいないだろう。

「じゃあ、伝えておくから。全部で金貨十ニ枚でいいよ。」



乾物屋を出て、石鹸工場に顔を出すと、

「出来てるよ、ホレ」

と箱を渡してくれた。華やかな香りは明るいのに淑やかな甘さを含んでいて、ちえりのイメージにぴったりだと思う。



出発まで後五日。








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