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ジーンマニとバールアカイト

「いい?見てて。ケイン前方三キロの魔蟲を回収!」

『ハイハイ、回収!』

新たに仲間になった、リードさんにケインを披露している。受け入れてくれるといいなぁ。

ケインは蟲団子になっている。お披露目には向かない姿である。失敗したなぁ。

「これは......魔法なんですか?クリス様」

「うん、結果としてそうなるみたい。」

ケインで回収した結果、途中で死んだとしてもレベルが上がっているからね。

「それと、クリスでいいからね。」

「では、私の事もリードと呼んで下さい!」

「バシっ」「痛っ」

リードの頭をトッドが叩いた。

「何が"私"だ。気持ち悪いぞ」

リードは、トッドを物ともせず僕の返答をワクワク顔で待っている。こんな所はトッドと似てるなぁ。トッドもリードが居ると口調が崩れ易いみたいだ。

「じゃあ、リード。」

「ハイ、クリスぅぅ」

リードは何か噛みしめている。

「ケインの集めている魔蟲を倒してね」

「ハイ、...え?」

それ終わったら街にいこうね~。



フィントに戻り、リードの部屋を取ってやる。

まだ部屋が空いていた。

「オレ風呂に行って来るよ」

リードが、宿の浴場に消えている間に漁師達の溜まり場に顔を出す。酒盛り中の団体の中にあの朝会った男が居た。ルーが手招きすると、

「いんだ、ここの皆知ってることだ。一人で船なんて隠せるはず無いだろ?」

「そうか。そんな大々的にやってたらバレそうだけどな」

「皆で小売りを買って集めてる形をとってんだ。証拠は残らん。注意するのは積み荷を乗せる時位さ。船が停泊している分には何の問題にもならないしな」

ここの浜は浅瀬で冲に停泊しているのだろう。領海の概念は無いらしい。

「あんたらは何でそんなに熱心に協力してるんだ?」

「知らないのか?あんたらハンターだろ?」

隣の男が疑問で返して来る。どうゆうことかな?


昔、魔物などこの国にこの半島に存在はなかった。

突然現れたと思った時にはもうバンジアッフェは数十頭という数であった。戦う術を持たない平和なこの辺りの街では、行方不明者が連日出ていた。その頃はまだ通常の貿易がなされていた、バールアカイトの船の乗組員達が一緒に戦ってくれ、街の者に戦い方を教え街は戦力を得るようになっていった。その名残からジーンマニにはハンターギルドが存在している。


街の皆で恩を返しているのか。


「ガオンさん達に会えましたよ、森で。もう会いましたか?」

トッドは話しを変える。

「いや、こっちにまだ来てないな。伝えとくよ。ダニーのとこだろ?」

ダニーとはちえりの父さんだ。

「あぁ、助かる」

ルーは手を上げるだけの挨拶をし、踵を返す。僕も後を追う。トッドは軽く頭を下げていた。



宿に戻り、皆でご飯だ。リードの歓迎会擬きをする。ちえりのくれた水で乾杯した。すると、ちえりもコップを持って来て乾杯したいという可愛いおねだりを頂戴した。

僕とちえりは何度も乾杯した。




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