僕の恋とルーの失恋
あれから一週間過ぎ、二日雨で何もしない日があったが、四軒の調査をしたが何もわからなかった。
そして、僕はおかしくなっていた。ちえりが気になっている。今、何をしているのか、何処に居るのか、今日は誘いに来ないのか。調査をしていても早く帰りたくて仕方なかった。
『好きなんでしょ?知ってるよ』
(僕は七歳の子が好きなんだよ。変だろ?僕は変態だったなんて)
『クリスは四歳だよ?』
(体はね?でも、高校生だったんだよ、入学したてだったけど)
『今は、四歳だよ?』
(僕は変態の四歳だ。自首する)
『何処に?』
(...)
『...』
(バールアカイト行きたくないな)
『調査やめちゃうの?』
(やめないけど...どうすればいんだろ?)
五軒目の調査中、気も漫ろ。
「ここ、前の四軒の時も来ましたよ。五回目です」
「確かに?量はそんなに多くないと、思ってたけど」
「ちょっとここを探るか?」
それは製粉所を営み、製粉後の小麦の販売と製粉作業の代行を行う店のようだ。荷物の出入りも激しく調査には骨が折れそうだ。
三人で張り込みするのは目立つ為、交代で一人と二人に別れる。僕を一人にはできないからだ。
夜の門番だったトッドは、夜担当することになった。
僕等は、物陰から観察する。荷車に麻袋を重ね、出入りがある。
皆、普通に見えた。どうなんだろう?ルーは何か気づいただろうか?
「わらかんなぁ、普通の出入りのように見えたけど。」
夜にこっそりやっているかもだしね、後はトッドに任せよう。
宿に戻り夕飯を食べる。ちえりはお手伝いに励んでいる。いつものようにお水を運んでくれる。
「お水、どうぞ」「ありがと」
顔が見られない程に悪化している。重症だった。ちえりは気にした様子はない。
「クリス、大丈夫か?なんだ、その言いにくいし酷だと分かってるけど、今は諦めるしかないぞ」
思いもよらないルーの厳しい言葉だった。慰めなどない、そんな風に言うルーは珍しい。
「オレも好きな人とは今は離れ離れになった。最初から思うだけ無駄な程に、絶対結ばれない運命だったんだ。今は、その人の大事ものを守れる、それだけがオレの気持ちの終着地点なんだ」
ルーは意外にも晴れやかな笑顔を見せる。
「ルーってもしかして僕の"お母さん"のこと...」
「あぁ、誰にもゆうなよ秘密だからな」
顔を赤くしたルーはニカっとして誤魔化した。
(ルーが まさかだよ!サムが傍に居たしきっと凄く辛かったんだね)
ルーの事を考えると視線を向ければ、姿を確認することの出来る僕の方がきっとマシだな。
ちえりの働く姿を見つめた。
その夜、トッドは違和感を感じていた。
違和感を覚えた人物を追った。乾物屋のようだ。
ここの情報もケインに集めて貰おう。
次の朝、トッドの所に行く。少し気になる荷物があったらしいが、はっきりしないので情報を集めて欲しいそうだ。何でも、入る時より荷物が増えていると言う。脱穀して製粉すると嵩が減る。
その者の荷物は増えているらしい。預けていた分かもしれないけど、確認はした方がいいだろう。
トッドに案内されて、乾物屋の近くに立つ。いつものようにケインに情報を集めて貰う。
『ハイハイ、回収!』
「よし!じゃあ、今日はオレがこっちを見ているから、トッドとクリスは帰ってくれていいぞ」
ルーが調査を一人でやると言う。
「トッドは寝る。クリスはケインの情報を紙に書き出してくれ。」
成る程、その方が僕なしで見張りをしていても情報が分かるなぁ。ケインと話せるのは僕だけだ。きっと、まどろっこしいはずだ。
「うん、頼んだよ」
僕等はルーと別れた。




