ジーンマニ
ジーンマニの街門を潜る。立ち番は入場する者達を見てはいるが荷物のチェック等する様子はなくにこやかに迎えているだけだ。平和そうだね。
この街を好きになれそうな予感に期待値も上がる。入った所で「旅のハンターか?見ない顔だ」
男がルーに声を掛けて来る。
「あぁそんなとこだ」
ルーの受け答えは、適当な感じだ。
「バンジアッフェの猿やろーをいっぱい殺ってくれよ!」
おやおや、アイツ等は相当悪さばかりしているようだ。
「そうだな、アイツ等はオレも好きになれそうにないからな」同意見です。
「頼むよ!にいさんは強そうだ」
大剣を背負って歩く背の高いルーは見た目に強そうなのは当然だった。
「あぁ」
「じゃあこの街名物のハンターギルドはこの通り沿いにあるよ」
男は去って行った。
なんですと?ハンターギルド?やっとファンタジーらしいと思える響きだ。行きたい。この街名物何て言うからには、他の街には無いと分かる。(何で?)
「ねー行ってみよ?」
「そうですね。地元の者と知り合いになるには何か仕事を受ける方が早いでしょうし」
「情報は集めるにも手懸かりが無いしな」
満場一致でハンターギルドに向かう。
建物に文字看板ではなく、剣と盾の刺繍のされた旗が掲げられていた。海風にバタバタと揺れる。
中では、それぞれの武器を携えた男達がグループを作り相談している。カウンターに窓口がある。受付だろうか?何もわからないので窓口に居た女性にトッドが話し掛ける。
「失礼、少しいいですか?」
「はい、何でしょうか?」
女性はキッチリ結われた髪を撫で付け答える。身だしなみが気になるようだ。
「仕事の内容や受け方を教えて頂けますか?」
前に見た、壁の貼り紙はない。情報は開示しないのか?
「はい。こちらはバンジアッフェ討伐を常時依頼している組織でして、尻尾をお持ち頂けますと一つにつきまして大銀貨二枚と交換致します。バンジアッフェは数が百を越える群れを作りますのでこちらも最低三十人以上のハンターで組織し討伐して頂きます。得意とする武器を登録して頂きますとお声が掛かりますし、逆に募集を出すことも出来ますよ。」
??あの猿専門ってことかな?また、思ったのと違うなぁ。
「あの~他の魔物は?討伐しないの?」
僕は、我慢出来ず口を挟んだ。
「それは討伐して頂いて構いませんが、依頼が無い討伐にお金が貰えるのはバンジアッフェだけです。」
そうゆうことかぁ、他のは倒して亡骸を持ち帰り肉としてでも売らなければお金にならないんだ。バンジアッフェは尻尾だけ持ち帰るとお金になるから、仕事として成り立つんだな。
「何でそんなにあの猿の討伐を推奨しているんだ」
ルーも疑問に思ったようだ。
「バンジアッフェの数が多すぎる為、畑や果樹園は一度の襲撃で全てを奪われます。更に人を拐うので特別危険視されています。」
うーん、それは僕の異世界イメージだとゴブリン的なやつだなぁ。ホントこの世界なんだろう?また、モヤモヤするけど、バンジアッフェは危険だなぁ。ケインとデストロイしてやりたいけど、この人達の仕事を奪うことになるなぁ。相談をしている男達を見て思う。
いや、今は情報を集めるんだった。その為にこの街に来たんだ。
ルーとトッドは得意な武器を剣と登録して貰った。僕?勿論ダメだった。街門をギルド手帳を見せず出入り出来るという、タグを渡されハンターギルドを後にした。
「一度、街を出よう。」
「どうするんです?」
「何するんだ?」
まだ、何も調べられていないのに街を出ると言い出す僕を二人がキョトン顔で見ている。
「ちょっとねー」
街道に一度出て、森に入った。
「バンジアッフェを探すのですか?」
「こんな街の近くでケインを使うのか?」
三人であの群れと戦うにはケインは必須となる。
今そんな事をするつもりはない。
「違うよ。バンジアッフェならもうたくさん有るだろ?ルー、あの太目の枝を切って!」
「うん?」ザンと振り下ろし後ろに下がる。そこに枝が落ちてくる。
「これでいいのか?」
「うん、ありがとう先の葉も落としてー」
仕事を頼み、異空間からバンジアッフェを四体取り出した。枝に脚を結んで貰う。
よし、担いで街に戻ろう!
街に入ると、二人でよくやったなぁと話し掛ける人が多い。今後、一緒に狩りに行こうと何度も誘われる。その一人にこの獲物を買ってくれる店を知らないか訊ねるとこっちだと、案内してくれた。解体も店内でやっているらしく、とても広い作業場があった。
「置いてくれ。うーん状態もよさそうだ。一頭で金貨一枚だが、また持って来るというなら全部で金貨五枚にするぞ!」
「あ~いや、四枚でいい、その代わり訊きたいことがあるんだが」
ルーは気さくな口調で話す。こんな時はルーに限る。
「なんだ?」
「領主から小麦の販売を任されている商会は何処か知らないか?」
「うーん、俺の知っているのは五軒程だがな、そんな安くないぞ?」
「あぁ、いんだそれでも」
店主はリストを書いてくれた。




