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スズン 3

「こら、子供だからとこんな場所で泳いでいいのか?」

横から声をかけられ足をつく。

「ごめんなさい」

「おぅ、子供は素直なのが一番だな。温泉は初めてか?」陽に焼けた肌はシミが多く顔も皺が目立つが声に張りがあり快活に笑って魅せる男は晩年のような見た目を吹き飛ばす覇気を纏っている。

「はい、こんな大きなお風呂も初めてです。気持ちいいしキレイにされてるしおっきくてカッコいい」

クリスに生まれて温泉は初めてだ。

「そうか、廃れたなんて言われてるが、捨てたもんじゃないだろ?」

男は、ここに誇りか自信を持っているようだ。

「廃れてるの?」

心からの疑問だった。この温泉も街の雰囲気も良い。廃れているなどという感想をクリスは持っていない。

「そうだな、貴族達からの人気が落ちてからだな廃れたと噂されるようになったのは」

「何で?貴族は温泉が嫌いになった?」

「う~ん、温泉よりここの領主を嫌いになったのかもなぁ」

男は顔をバシャバシャ洗って顔を見せないようにした。

「でも、貴族だけじゃないでしょ?」「う?」

「平民だって温泉入りに来るでしょ?」

「いや、あまり来んな」「何で?」

「入浴料がまだ高いからな。」「まだ?」

入浴料金は大銀貨一枚、ルーの講義で習った所恐らく五千円相当だ。これより高かったのか。

「湯温が下がって山の風評が広がってから、入浴料金を下げたら平民に媚びを売っていると貴族からそっぽを向かれた。それでこれより下げるのは憚れてな。」苦い表情で苦しそうな声を低く発する。そんな風にすると本当におじいさんみたいでこちらまで苦しくなる。この人、領主さんなのかもなぁ。

「じゃあ、もっと料金を下げて平民にしっかり媚びを売ればいいよ!湯温が低いなら、夏メインにして半分もう少し深くして泳げるように半分はゆっくり入れるようにして、若い人や子供が楽しめるようにしてよ!」

「おっ!何じゃそれは?可笑しなことをゆう。安いと儲からんぞ?」面食らってから、泳ぎたいだけか?と可笑しそうに言った。

「その分、街に人が来て他の消費が増えるでしょ?」「あぁ確かにそうだ」

「まぁ、ゆったりした今の街の雰囲気もいいけどね」「あぁ、確かに」

男は温泉を見渡し立ち上がる。

「じゃあな、わしは行くぞ、ボウズ」去って行った。

ん?ん?ん?

女性用デザインの入浴着を着用していたにも関わらずバレていた!












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