スズン
スズンに到着したのは、陽がすかっり暮れてからだった。街は小ぢんまりしているがあちらこちらにやんわり灯る街灯が親しみ易さと懐かしさを思わせる。街に漂う湯気がもっと多ければきっと幻想的だっただろう。今が夏の気温なのと湯温が低下している為だろう、温泉地を思わせる湯気が立っていない。
「まず宿を探しましょう」
トッドが前を行く。その後ろでクリスはキョロキョロ街の雰囲気を確認していた。落ち着いた雰囲気は廃れているというより寧ろレトロな装いの建物に合っている。木造の建物は二階建で統一されているようで、街並みが揃っていてキレイに手入れされている。
トッドが建物の一つに入った。空いているか尋ねている間外で待っている。街灯を見て、電気が有るのかとルーに訊いてみる。
「?何だそれは?」電気という単語が無く説明が大変だったから無いだろうと思ったが、やはり無かった。では、あの電気を思わせる街灯達はなんだ?
「あれは魔法機器。誠魂燈石に魔法を望むと光や水や炎や何かが得られるのでそれを入れて仕様するものだな」
う~ん魔法機器、何か思ってたのと違う気がするなぁ。
「魔法機器に入れる前に魔法を欲するってこと?」
「ああ。明かりを欲すると光るが、あまり明るくないので入れると光が広がるように工夫されてるぞ。ちなみに一度魔法を欲した誠魂燈石は十年以上光続ける」
エネルギーを使い果たすまで消えないってこと?昼とか勿体ないし!便利なのか不便なのか微妙だと感じてしまうのは電気を知っているからなんだろうなぁ。
トッドが戻ってきた。部屋が取れたようだ。
二人部屋に三人で泊まる交渉をしてくれた。
部屋には左右にベッドが置かれていた。広くはないけどキレイな部屋だ。
宿にも風呂があるそうで行ってみた。温泉には入浴着なるものがあるらしく、裸では入らないらしいがこちらは普通に裸でかまわないらしい。
しまった!僕は一体どちらに...と思っていたら、風呂は狭く三人入ればいっぱいの為、客同士順に貸し切り状態で入るらしい。よかった。
街に出るのは明日にして今夜はもう寝ることにした。ベッドは僕がもう一つ出そうとしたがそんなスペースはなかったのでベッドを一つ収納して僕の大きなベッドを置いて寝た。




