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告白

食事を片付けたお母さんが戻ってきた。サムとトッド、ルーも一緒に。

四人は僕の前に跪き、深々頭を下げている。

(突然何?)「お母さん?」僕の声にお母さんだけが顔を上げた。僕の疑問符だらけの顔を見て、可笑しそうにお母さんが話しを始めた。

「クリストファー様、私はクリストファー·イテ·ロルドバーン殿下の乳母でこざいます。」

(うえっ?僕、クリストファーなの?知らなかった自分のフルネーム。殿下って王子か?僕、王子なの?乳母ってナニー?"お母さん"はお母さんじゃないの?)僕の呆けを埋めるように

「クリストファー様のお産まれ前後の頃のお話です。」"お母さん"が昔の話しを始めた。跪いている三人も顔を上げ静かに話しを見守っている。



この国の王太子妃、マリアーナ殿下はセイユース王太子殿下とご成婚なされて二年、お子に恵まれておられませんでした。王太子ご夫妻はとても仲が良くご本人方は、全く気負ってはおりませんでしたが、周りからの圧力を抑えられず、第二妃を迎えることになりました。第二妃ルアンダ様は、すぐに子を授かりました。マリアーナ様はたいそう悲しまれましたが、マリアーナ様も続けて懐妊なさいました。ルアンダ様は王子をご出産なさいました。しかし王太子殿下と陛下は数ヶ月後に出産するマリアーナ殿下のお子が男児であればルアンダ様のお子を弟殿下となさるおつもりで、ルアンダ様のご出産を隠しておりました。

マリアーナ殿下のご出産後直ぐ、国中にマリアーナ殿下の王子のご出産が報じられました。2ヶ月後にルアンダ様の王子ダイアス殿下のご出産が発表される予定との事でした。

ちょうど同じ頃合いに出産した私を乳母にとマリアーナ様に推薦して頂き、自分の子と城へ上がりました。

産まれたばかりのクリストファー様のお部屋にて私も侍女も付きっきりでこざいました。ですが、私は自分の子の世話もございます。恐れ多くも、クリストファー様のお部屋で一緒に面倒を見ておりました。いつかクリストファー様のお役に立つよう育てようと思っておりました。

クリストファー様が生後一ヶ月になった日にクリストファー様はマリアーナ様のお部屋へ侍女と向かわれました。私は、自分の子を連れては行けませんものでクリストファー様のお部屋にてお帰りをお待ちすることにしました。私の子は、その日乳吐きをしてしまい、濡れたままにしておけませんで、肌着を取りましたが着替えが手元にありませんでした。着替えを取りに戻ろうと考え、子は寝ておりましたので寒かろうと殿下の御包みをお借りし部屋に寝かせたまま自室に向かいました。

部屋に戻りますと、私の子は亡くなっておりました。


そこまで、話すと"お母さん"は涙を流し肩を小刻みに振るわせた。彼女の哀しみを思うと、ここまで気丈に話しをしてくれたことを褒めてあげたいと、立ち上がり"お母さん"の頭を撫でた。サムが"お母さん"肩を抱き、さすって「続きは私が」と後を継ぐ。



王太子殿下が第二妃を向かえた折りに私は、マリアーナ殿下のご実家シトイット侯爵より王宮のマリアーナ殿下の護衛に送られました。

恐らく侯爵様は、マリアーナ様が危険なのだとお考えでいらっしゃいました。

現シトイット侯爵様はルアンダ様のご実家ルカトル侯爵家との確執を深くしております。ルカトル侯爵領は王都周辺から中央大森林までの一帯で、農業を盛んとしており、バールアカイト公国に穀物を高値で売るべく、囲い込みをすすめ、他領にも手を出しています。現シトイット侯爵様は、食糧をバールアカイトへ流していると分かっているトプラ領へ出荷しており、値のつり上げを目論むルカトル侯爵に睨まれております。全て思惑通りバールアカイトと交渉を進める為にルアンダ様を第二妃にねじ込み、ルアンダ様を唯一の国母にしようと企んでいるようです。ルアンダ様を国母へ押し上げる為にはマリアーナ様はルカトル侯爵側にとって目の上のたんこぶなのです。

そんな折、二人の妃が懐妊しました。懐妊当初はルアンダ様と連絡がついたが、その後、娘と連絡が絶たれるようになり、王家を探っていました。ルアンダ様が長子を産んだにも関わらず次男にされると気付いたのでしょう。実家に助けを求めたのかもしれません。そして、私とコニーの息子が殿下の御包みを使っていた際に亡くなりました。誰が見てもお命を狙われたのはクリストファー殿下です。犯人はすぐ見つかりましたが、自死し供述は得られず、ルアンダ様やルカトル侯爵家との繋がりは出ませんでした。その同日、新たな事件が有りました。王宮での食事に毒が発見されたのです。幸い陛下や王太子、王太子妃様のお口にする食事ではなかったのですが、無差別に毒を盛る手法に皆が恐れを覚えました。ですが、皆が恐れているのに対しルアンダ様の態度は明らかに変でした。一人いつもと変わらぬ様子で食事を採っていたのです。

不安と確信が重なり、ここに居てはクリストファー殿下がいつか殺されると王太子ご夫妻は感じ決断いたします。クリストファー殿下を隠すと。クリストファー殿下は内々では亡くなったとされ、コニーの子として城を出ました。その上で、既にマリアーナ様のご出産は報じられておりましたので内密にされていたダイアス殿下をマリアーナ様の第一子としました。ルアンダ様は勿論納得いきませんでしたが、犯人の女が入ったとされる門を当時担当していたのがルアンダが実家から連れてきた侍女の夫であった事を咎めて母子共に王宮から出すと王太子が脅した所、渋々了承したとのことです。




サムは、朗々と最後まで僕がここにいる訳を話した。驚くことが山程あったぞ。

まず、僕はクリストファーで王子だ。

"お母さん"は産みの親ではなく乳母だ。

僕のせいで"お母さん"の息子は亡くなった。

犯人は捕まえたが、何も分かっていない。

サムと"お母さん"は夫婦らしい。

僕を産んだ王妃は僕の変わりと成った、犯人かもしれない女の子供の母親と成った。

僕クリストファーのおじいちゃんと兄ダイアスのおじいちゃんは仲が悪い。


そうゆうことかな?何だかこんがらがってるなぁ。 で?つまりそれを聞いた四歳児の僕は何て答えればいんだろう?





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