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相棒と幼少期 16

すっかり暖かくなった夏の夜は、日中の陽射しなど忘れたとでもいうように涼しい風が吹いていた。

収納していた魔蟲が無くなったので今夜は、久しぶりに害虫駆除しよう。前回より広範囲の五十キロ前方にしようかな?夏だしね!

(ケイン!頼んだ!)

『ハイハイ、近頃魔力を使って無かったしいつもしっかり充填してくれてるからね~余裕~魔物を回収!』

ケインの引力が発動するのに合わせ、僕も水を出現させる。後はぐるぐるさせて水が流れていかないようにコントロールする。

(これやるの久しぶりだけど、風の魔法を使い慣れて上手く出来るようになったよ!)

自我自賛だが『うん!いいね!』更に甘いのがケインだ。

(ちょっと、思ったより多いね)

水の近くに集まっていたのか、獣型の魔物が沢山混ざっていて想定したより数が多い。クリスは慌てて水を追加し、風を速めた。

(ヤバい、水が多いともたない!)

表面が広く、重量が増すことにより風ではどうにも出来なくなり水が流れ落ちる。仕方なくまだ息のあった七匹にサンドディスクをぶつける。

(あまり威力はないけど倒せたね)

『酷い有り様ににならないから威力が低くていんじゃない?』(確かに)

グロいのは苦手なことをケインは知っているのだ。その言葉でクリスはサンドディスクの威力を上げたいとは思わなくなった。

後片付けを終え屋敷に戻りながらケインに訊ねる。

(レベルはいくつになってる?)

『レベル34だね、レベルアップおめでとう』



翌朝のいつもの剣の形を終え、汗を流すと雨が振り出していた。風もあり外のルーが心配だ。お母さんとお茶を飲みながら一息ついていた。基本雨が降っても、見張りはいつもそのままだ。

「バーン 」突如何処かの窓が叩き外される音がして、外の気配と屋敷が繋がる。どこの窓が壊れたんだろうか?お母さんも僕も見当がつかない。直ぐ様誰かが笛を吹き危険を知らせる。

(何か起こったみたい?)笛だけではわからない。

「侵入者?」お母さんは僕の身体を抱いて護ろうとしてギュッと身構える。

ダイニングの前の廊下とホールが騒がしいようだ。バタバタ足音がいくつもして戦っているのかもしれない。お母さんの手の力が強くなる。

暫くすると静かになり、ゆっくり誰かがドアを開ける。サムが「怪我はないですか?」恐がらせないように、優しい声で訊ねた。

(よかった。サムだ)

「僕もお母さんも大丈夫!何があったの?」

サムはドアを全部開けない。多分、何かを僕等に見せないようにしている。

「侵入者です。捕らえましが。少々こちらでお待ちを」

「トッドとルーは?」僕の心配に、失念していたことに思い当たり、サムは驚愕を浮かべたが直ぐ笑顔を作り

「二人とも無事です。怪我も有りません。」

そっとドアを閉めて出ていった。

僕はお母さんの顔を見る。

お母さんは僕の顔を見る。

それだけでホッとした。




暫くしてサムが戻ってくれた。

「お待たせしました、クリス様お部屋へ」

「うん」三人で僕の部屋へ向かう。部屋の前でルーとトッドが待っていた。二人はドアを開けてくれ、先に中を確認して「どうぞ」と中へ誘う。

「暫く部屋の前にルーが居りますので。」

そう言って、僕を部屋に、ルーを部屋の前に残し三人は行ってしまった。


(何があったんだろうね?泥棒かな?)

『さぁ?きいてみれば?』

(そうだね、予想してもしょうがないし)

ドアに近づきノック。

(中からノックするのはちょっと変な感じ)

ルーがドアを開けて「どうされました?」何時もより固い声でノックに返事をした。

「あのね、何があったの?」

「屋敷に窓から侵入した者が居りました。しかし、侵入した窓がサム殿の部屋の前の廊下だったので直ぐ見つかり戦闘となりましたが、トッド殿が助太刀して族を倒しました。」

笛の合図にトッドが駆けつけたんだな。

ルーは見張りから離れられなかったんだろう。

暫くするとお母さんが昼食を持ってやって来た。部屋で食事を採ることは少ないので珍しい。

「クリス、食べた後お話がありますからね。」

「はーい」

侵入者についてだな!よしよしとご飯を食べ進めた。











薄暗い路地裏に店を構える看板も上がっていないような知る人ぞ知るバーの小さな個室に向かい合う壮年の男女。女はテーブルにドサリと皮袋を置く。男は訝しげに中を覗いて驚愕する。

「何 だ この大金 は」驚愕していても男の口調はいつもと同じだった。

「調べに行かせたのよ。例の廃村。そしたら知り合いが居たって。その男の情報を調べようと、王都の情報屋をあたったらね、逆にその金をくれたのよ」

「結局、何だったん だ あの村 は」

「わからないままよ。只、あなたは逃げる方が無難だわ。それあげるから ごめん、しくじった」

女は下を向く。

男は女の気持ちを楽にする為にもその金を受け取る。

「行って、元気で」「あぁ」

男は女を残し出て行く。女はグラスの酒を飲み干した。













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