相棒 と幼少期 15
「あんたに呼び出されるなんて、何年ぶりかしら?老けたわね」
酒屋の喧騒の中に壮年の男女は溶け込んでいる。
「あぁ、ちょっと近くまで用があって な」
木製のカップに口を付けテーブルへ戻すが握ったままで料理に手をのばす気配はない。
「その防具懐かしいわね、まだ使ってるなんて物持ちがいいわ」
女は手酌で自分のカップと男のカップにも葡萄酒を注ぐ。
「あぁ、今回は一人だから な、久しぶりに引っ張り出した んだ」
「何でよ」女は肉の刺さったフォークで男を指す。「ギルドの支部長がそんなんでいいの?」
「実は、必ず一人で来いと呼び出されて な」
咀嚼していた肉を葡萄酒で流し込み
「何処の貴族よそれは」本題をせっつく。
「あぁ、シトイット侯爵様 だ」
女は眉を寄せ訝しげな顔で心配そうな声を出す。
「あんた何したの?いい年してそんな大物に睨まれるなんて、バカよ」
付け離すかのように酒を煽った。
「で、何だったの?」
男も酒で口を濡らし答える。
「わからん」「は?」
女は呆れるが、多少場が和む。
「中央の森を調べさせてたん だ」
「あぁ、あの怪奇現象ね、うちの支部でもしらべたわね」
女は揚げられた芋を摘まんでぶらぶらと芋を振り同様の調査をした記憶を表現している。
「何も出なかったけど?そっちで何か判ったの?何も知らせは来てなかったはずだけど?」
情報を隠しているのかと疑いの視線を送る。
「いや、森について は 何も判らなかっ た。だがその調査中に廃村 に 住み着いている者達をみつけた と 報告があっ て 盗賊か逃亡者かもしれない と そこの領主に知らせを出し た」
「それがシトイット侯爵領だった?」
男は頷き肯定する。女は背もたれに上体を預け
「それを調べろって?」予想を述べる。
「いや、調べるな と 記録を消せ とな 」
女は笑みをのせ「それが、気になってるのね」男の意図を酌む。
「あぁ、そっちの支部なら隣だ し お前自信も元子爵家の令嬢 だ 何か解るかもしれん だろ?」
二人はカップをガシャリと当て乾杯した。
また、四日空け河原に行き、スライムを集める。餌の減りは少なく今日は五匹集めて魔蟲を与えた。前回の誠魂燈石はゼロだったが今回は立て続けに二つ出た。
今日も今日とて魔法の練習だ!
砂入り小型薄平竜巻は"サンドディスク"と名付けた。名付けると魔法の再現効率が上がった。簡単に出せる様になった技を狙いに当てる練習に切り替え繰り返す。
春も後半月で終る。




