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相棒 と幼少期 10

この何も出来ない二ヶ月間で考えていたのは家庭内事情についてだけではなかった。

魔法を使う時、咄嗟に使ってしまっていた時に感じている差異について。

石を小さくなる程に魔力を込めているとき、大量の水を出現させたとき、地面の土がふかふかだったとき、これらはお母さんと水を出した時と水の盾を作ろうとしたときとは何か違うと分かるんだけど何が違うのか解らない。

よって今、久しぶりに掌の上には石がある。ちょっと懐かしい。周りを確信して誰も居ないことを認め、掌の石に向き直る。十五センチ程でそこそこ重い。魔力を送り流し入れるが、上手くいかない。

(あれ?どうやってたか、分からなくなった)

魔力を送って詰め込んで詰め込んでって?そうだっけ?

(僕、そんな事考えてやってたかなぁ?)

大体魔力が入る感覚でもなかった。ケインを取り出し説明を求めて(どうしてたかな?)丸投げ。

『そんなのより、僕に魔力を頂戴、言ったよね?』

(そっか、あのままで二ヶ月も忘れてた)

この世界の二ヶ月は九十日で一月が四十五日もある。この間習って驚いた。これまで日付なんて必要のない生活だった為気付けなかった。四季があり春夏秋冬、各々二月づつで一年が三百六十日だということ。一月は前世より長いが一年は短くなっている。そう、今はもう冬なのだ。暖炉の炎がてらてらゆらゆらケインを色付けている。

(ケインいくぞ!)

キャッチボールのボールでも放り投げるかのように魔力をあげた。

解ったのでは?気付いてしまったのでは?

(ケインもしかしなくても、気付いてたんじゃ?)

『まぁ、確信はまだ今もないし絶対知らせないけど、仮説はあったよ。本を調べるのも善し悪しってね~』

(は~)クリスはおもいっきり項垂れた。

(考え願い欲するって本にあったし、お母さんが理科の勉強を始めたりしたから勘違いしてたけど、欲するだけでいんだ。後は大量の魔力を与えるだけ。お母さんも初めは欲すればいんだと教えてくれた。でも、これ、魔力のゴリ押し?)

『そうだね。本にあったことと"お母さん"の教えは魔力の少ない人がなんとか魔法を行使する為の助力ってことだろう。それに、一般的に使いたいと思う魔法の形がクリスのは逸脱していて魔力がたくさん必要になるんじゃない?』

暖炉でパキっと火の粉を散らし薪が同意の声をあげた。

(さっさと実験だ!)クリスの考え無しの即行動、悪い癖だったがこの時ばかりは考えていないことこそ重要だった。

(身体を守りたい)只、それだけを願い、結果を欲した。手を暖炉の炎にかざし近付ける。

熱くない。(出来そう)炎の中に手を突き刺す。炎がその手を境に二つに割れる。手には熱がやってきていない。引き戻した自分の手を隅々まで観察する。

魔力が使われた感覚があったが予想していた程に急激には減らない。(やったぞケイン!)

『おめでとう!8888』


昨日四歳になり、また一人で寝るようになった。森のことは調べても何も無く判らず仕舞いだが、冬になり大抵の生き物が行動を控えて冬眠しているから大事ないだろうと結論に至ったようだ。

防御手段も手に入れた!今夜は行くぞ!


久しぶりの夜中の外出は寒かった。(ひー白い息で見つかっちゃうよ)クリスの目先ははぁはぁする度真っ白に前を塞ぐ。今日は河原の方へ向かう。より一層寒いが、生魔物が異空間より取り出した時悲惨な状態だと燃やすかもしれない。火事が恐いからだ。川の水がふわふわ白い湯気を微かに上げ幻想的に流れの速度の遅さを物語る。

(よし、ケイン!今夜は、ここで前に収納しておいた蟲型ではない、動物タイプの魔物を取り出して時間の経過があるか確認するよ!)

『まぁ、多分大丈夫だよ。さっさかいこー』

今夜はノリノリのケインだ。

(小さ過ぎても判りずらいといけないのでそこそこ大きかった記憶のあるウサギに見えた魔物を取り出してみよう。)

此より大きい物は少なく、恐らくは身体が大きい魔物ほど、どこぞにぶつけて先に滅されたということだ。

三十から四十センチといったところか?サイズは普通のウサギと変わらない。しかし、げっ歯は長くその裏に牙が並んでいる。収まりきらない歯によるものか、硬い物も食べるのか顎が発達していそうな顔だ。(可愛くないね)

(ウサギだと思って寄るとこいつだったら泣いちゃうね)

『オーバーローデントは繁殖力が高く何でも食べてしまう為 一番の害獣だって』

(へ~。)だとすると森の程近くに村など作っている理由がわからない。狩りの種族か?この村。

オーバーローデントに触れるが、やはり濡れていなかった。異空間の不思議仕様だねこれ。柔らかく硬直してない。水没させたので外傷は見られないかと思ったが、集められたとき他の魔物に切られたのか刺されたのか後ろ脚付け根の内側に傷が有り血が流れている。毛をかき分け覗く。桃色の肉が覗いており血に濡れてはいるが腐った様子も臭いもなく血の臭いだ。

『ほらね!』(時間経過はないということだね!)再びオーバーローデントを収納すると流れた血だけが河原に残った。

(前回使った水だけ捨てようかな?どうせ血混じりだしね)

河原を洗うべくその場を離れて水を取り出した。秋の中頃の水は温度差に白い湯気を上げ流れていった。

生き物の死骸など直接触ったのは初めてで手を洗いたい。温かい湯を欲し魔法で出す。

(とりあえず帰ろ、寒いよ。レベル上げは春からだ)







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