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相棒 と幼少期 9

翌日も朝からお母さんに雑技ショーを繰り広げていた。最初、脚を広げて回っていたが、徐々に慣れて両足揃えて回れるようになったと見せかける。今度はそれを何度も繰り返している。

「ルーにも見せる!」と言って飛び出す。

「待って」と今日はお母さんも一緒についてきた。

玄関扉を勢いで押し開くと同時に

「ルー見てて!」昨日と同じ台詞をぶつけてその場でバク転して見せた。

追って来たお母さんが

「なぁに、あいさつも無しで、ふふ、はしゃぎ過ぎですよ」

「クリス様、今日も練習していたのですね!お上手です!コニーさんおはようございます」

ルーがにこやかに元気に迎えてくれた。

「おはようございます。凄い?いっぱい廻れるんだよ」次は、三連続してみせる。

「お~本当にお上手ですよ。上手く成るのが早いですね!」

ルーの言葉にお母さんがうんうんと頭を上下させている。

「そうですねぇ、子供の成長は早いのですねぇ」

寂しそうな表情でお母さんは同意を示した。

そこへ、クジがやって来る。

「おはようございます、皆さん」

被っていた鍔の広い帽子を下ろして胸に当て、あいさつをくれる。今日は後ろにもう一人居る。同じ様に帽子を下ろして頭を下げてきた。皆、あいさつを返すが、後ろの男に真っ直ぐ見られている。知らない男の視線を受け居心地が悪い。

「今日はどうしたのでしょう?」

クジは、手ぶらであり、食料品もまだ残っている。コニーは疑問を素直に伝えた。

「実は、狩りに森に入ったのですがね、あちこちで魔物と思しき動物たちが息絶えいて、どうも森で何かあったようでしてね」

(ヤバ~もしかしなくてもその原因、僕なのでは?そういや全く事後処理してないよ)

クリスは内心相当焦っていたが、それを怖がっていると思ったのかお母さんが抱き上げて背中をさすってくれる。違うなんて言えないが、お母さんの手は落ち着く。大きくなったのでお母さんの抱っこは久しぶりでもあった。ルーも覗き込んで、落ち着いた声音で「心配要りませんよ」と優しく微笑む。

子供を怖がらせて罰が悪くなったクジはそそくさと帰っていった。


その後から門に居ない二人の内、就寝時ではない方の一人が暫く僕に張り付いている。只居るたげだと暇だからと僕にマナーについて教えてくれている。その内容から察するに(僕は貴族なのでは?)と当たりをつけるがこの田舎に押し込められている現状を鑑みるに(庶子というやつでは?)と結論に至った。

(これ、お母さんのこと思うと確められないのでは?)答合わせは、到底叶いそうになかった。


就寝時には、サムとお母さんと一緒に寝ることになる。(えっ?いいのかな?この状況、お母さん的に)クリスは全く分からなくなった。


いつも誰か居るのでずっとケインと話していない。もちろん、夜抜け出すこともしていない。

その内、二ヶ月程過ぎ、マナー講座も一通り終わったらしい。ずっとだったからね、レベル上げてなければちびっこには無理だっただろうと思う。

しかし、この生活で役立つことはないだろう。


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