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相棒と幼少期 8

部屋に無事戻って来てベッドにうつ伏せに寝ると、シーツから洗い立てと分かる香りがする。

胸の下にクッションを挟み手を差し出しケインを取り出す。(濡れてないのは何で?)単純な疑問が浮上するが『中の物は全部バラバラに存在してる感じじゃないかなぁ?接触してないと思う』

何で?(感覚があるってこと?それって時間の経過があるってこと?)そうだとすると中の死骸たちは大変なことになる。想像するのも悍ましいんだけど。

『そうじゃなくて、引力が全く感じられないとゆうか重みが失くなるって入る時に感じてる』

(おー宇宙だ)『うーん?何だろうね?』まぁ、時間経過に関してはまた後日、生魔物を取り出してみるしかない。(ちょっとヤダ)

『魔物の種類についてだったよね?』

ケインは構わず話しを進める。どちらもマイペースだ。

(うん、後、蜂の魔物がどれくらい居たのか分かる?)

『蜂は三百近く居たようだけど種類は一種でスクリュービーってのだね。木に穴を直接開けて巣にしてしまうと図鑑に載ってたよ』

(そういや図鑑も見た?いつの間に?)

『あの部屋の本の内容なら全部集めたよ~』

ケインが声?心通信だけでドヤる。

(ケインチートだ、狡いね)『僕はクリスなんだけどね』

クリスは脚をシーツに擦り摩りしながらアイロン具合を確めている。気持ちいい!

(そうそう、レベルってどうやって見るか分かる?)

『魔法機器で測定するって有ったけど、クリスのなら僕分かるよ』

(ウィンドウとか出せないのかぁ?)

『ないはずだよ』

クリスは、お構い無しに「ステータスオープン」「ウィンドウオープン」「プロフィール」とやってみるが何も起きない。

『クリスは現在レベル23だよ』

(うぉー結構いったね!移動も合わせて一時間半位で凄すぎじゃ?)態とらしく驚愕した顔をしてみせるがケインには目がない。

『森の魔物を殲滅してるからね。あ~魔力を少々消費したから補充してね』

(えっ?減るの?何でそんな事早く言わないんだよ~)

『減ったけど少しだよ、三年近くのクリスの魔力毎日分注がれて出来てるんだからね』

(あ~気になったんだけど、僕の魔力って多いのかな?)

『多いだろうよ~でないと石がこんな事になるはずないのよ』


話しがあっちいきこっちいき、すっかり仲良しの二人?の夜は更けていった。






翌日、レベルが突然上がったことで家族に異変に気付かれるのでは?と思い立って誤魔化し作戦を決行することに!


部屋の前の廊下を端から端まで中国雑技団の如くブリッジから脚をクルッと廻すを繰り返しそれを永遠お母さんに披露、お母さんが「ご飯を作ってくる」と逃げたので「じゃあルーに見せてくる」と言って門へ向かう。

「ルー!見ててよ!」と言って同じ事をルーの前で繰り返す。

「クリス様、素晴らしくお身体が柔らかいですね!私もそれ程柔らかければ出来るかもしれませんが」

ルーは純粋に褒めてくれた。

「凄いでしょ?お母さんと練習したんだ!」

嘘だが、その様に思わせるのが作戦なのだ!つまり、しっかり練習して強くなったんだと刷り込みたい。

「トッドにも見せてくるね!」

散々繰り返し次のターゲットに行く。

「トッド殿は裏で剣の鍛錬中です、遠く離れてお声をかけて下さい!近いてはいけませんよ!」

「はーい」大きく手を振って走り出す。走るのも前より軽い。

裏に回るとトッドがレイピアをブンブン音をさせ鍛錬していた。(カッコいい)トッドの剣術は美しく軽やかで舞っているかのようだ。光に透ける部分だけ緑がかって見える黒髪が一緒に踊る。ずっと切った様子のない黒髪は今は後ろに一つに纏められている。僕の知る限りトッドが髪を切ったことがないなぁ。

「トッドーー」

離た場所なので大声を出して呼び掛けた。大声でないと気付かないのでは?と自然に感じてしまう程に集中して見えた。

「あ~クリス様おはようございます!」

汗をハンカチで拭いつつ、近付いてあいさつしてくれた。

「おはようございます。トッドの剣カッコいいです!」

興奮気味にあいさつを返す。

「あはは、ありがとうございます。クリス様はこちらで何をしているのでしょう?」

クリスが一人で裏庭まで来たことを咎めているのかもしれなかったが、作戦が今は大事なので気付かない振りである。

「トッド!僕も凄いよ!見て」

またクリスはくるくる作戦を始めた。

トッドは、心底驚いた表情でくるくるして往復して来たクリスを迎えた。

「クリス様確かに凄いですね!しかし、汗も凄いですよ、一緒にお風呂に行きましょう。私もこれから湯浴みの予定でしたので」「うん、行く!どう?どうすごかった?」

執拗くして強い印象を残す作戦はまだ明日も続くのだ。


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