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間違い探し

足の遅いショーンは直ぐ皆に囲まれた。

「おい!お嬢を何処へ連れていく!」

ドノはクリスを拐うつもりではないかと疑っていたので発覚は直ぐだった。

ショーンは担いでいるクリスを下ろし。

「お嬢さん、わたし一人ではたいした時間稼ぎにもならんかもしれん、それでも逃げてくれ出来るだけ遠く。そして何処かへ身を隠すんだ」

この人何言ってんだろ?

「クリス様、こちらへ」

僕は普通にトッドの元へ。

「くっ子供を拐って何とする!デージヴァにでも売るつもりか?」

おじさんは益々意味不明である。

「お前こそ、仲間はどこだ!」

ルーは周りを気にしている。

「えっ仲間が居たのか?一人だっていったよな?」

テスは、キョロキョロ周りを見たが誰か居るようになかった。

何かそれぞれあるようだ。

「とりあえずロッジに行こう?」

雨に濡れない所でゆっくり話す必要があるようだね。僕がそうゆうと皆そろそろと歩き出した。


濡れた体を魔法で乾かす。

部屋に入ると僕は一番にソファに腰掛け口を開いた。

「おじさん、何で僕を拐おうとしたの?」

僕の座るソファの後ろにトッドとルーは控えている。

「わたしは君を助けようと。君はここへ連れて来られた訳ではないのか?」

「違うよ。」

「そうか、わたしが勘違いをしたのか?」

「そうだと思うよ」

「嘘だ!お嬢を拐って、上司に差し出すつもりだったんだろ?」

「は?何だそれは?」

ドノは、何か知ってんの?

「お嬢、こいつ一人で出来たんだ。お嬢を拐う為だ!」

えぇ、そうなの?

「本当に一人なのか?仲間が居るんだよな?」

えぇ、そうなの?もう、何が本当なのかわからない。

「お前が、我々の食事に毒を入れたのか?」

「え?毒?」

トッドは忌々しげに睨みつけて言う。毒ってあんな甘臭い味なの?あんなの誰も食べないだろ~。

「全部、何の事かわからん」

おじさんは疲れた様子で首を振っている。

皆、顔を見合せ誰が間違えているのか考えているようだ。そこにマルが

「リード、これ蕪じゃねー、甜菜だ」

(?)

間違えていたのは、僕ですか。


話を一人ずつ聞くと皆、勝手に要らぬ妄想を膨らましていただけだった。

「で、何で一人でこんな遠くまで?」

「いや本当に視察だ。そう言ったよな?」

ショーンがテスを見る。

「あぁ。確かに。でも、言われてみれば変だ一人なんて。」

「本当に公爵家に雇われてんのか?」

「あぁ、公爵家の遣いで来たのは確かだが、今回活躍したハンターを公爵領に招きたいと」

「やっぱり、誘拐するんだな」

「いや、違う、公爵領でも魔物を間引いて欲しんだ。今回参加していたハンター全員雇いたい」

「正式な依頼なのか?」

ルーは公爵とやらが気になるのかな?

「いや、まだだな誰が立役者か分かって無いんだ。それを見てからだ。」

ショーンは、察しが悪いのか、まだ盗賊団だと思っているのか僕達に気付いて無いようだ。トッドと顔を見合せ首を振った。分かって無いならこのまま教えない。

「ギルドに訊ねなかったの?」

「あぁ、ギルドを探して少しだけ迷った。」

少しじゃないよ!この人、大丈夫なのか?

「一人で来た理由になってないぞ」

いつになくリードの厳しい追求だ。

「それが、まともに腕の立つ物は皆他所へ行ってしまったんだ。実は給料はもう何ヶ月か支払われていない」

ドドン。雷が鳴った。

「そんなとこに誰も行かないだろ?」

ルーはドン引きしている。

「あぁ、だから一人で来た。人員に余裕も無い。来て貰える望みが薄いのに、部隊を裂けなかった。」

大変なんだね。でもラインを上げるのは、下から順々に行くと決めている。公爵領は、まだまだ北の方だ、それまでは待ってもらう。

「お腹空いた」

「作り直す」

リードはご飯の用意をしにキッチンへ。

「手伝う」

マルも。

「本当に囚われているわけじゃないんですね」

ショーンはまだ疑っていたらしい。

「違うよ。」

皆を連れまわしているのは僕の方だし。


遅い昼食を食べているうちに雨は上がった。



「世話になった。」

ショーンはとぼとぼと出て行った。


すっかり、服の事を忘れている、クリスだった。





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