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ドクターのいやらしい罠【side 魔の森 1】

「「「ボソボソ…話の流れ的に、俺らのチート能力を封じたのはあいつらしい…」」」


「「「でも、どう見ても、あの白衣は医者か科学者だぞ?あいつのチートは能力を奪うってやつか?」」」

「知らねーよ!」


「「「つか、あいつが転生者か転移者かは知らねーけど、なんで俺らと敵対してんだ?」」」


ドクターに、能力を返してやると言われて、疑心暗鬼な様子の皆さん。


うんうん…わかる!

めっちゃ怪しすぎるし!


しかし、ここで《《勇者》》が現れました!

精霊術師です。


「とりあえず能力は戻ったんだ!やるぞ!みんな!」

「「「了解!!」」」

精霊術師は、一塊になり、いきなり仕切り出したリーダーっぽい人の号令により、詠唱を開始しました。


ドクターは…あ!あくびしてる!


精霊術師の詠唱を機に、陰陽師達も《《お札》》を掲げ、何やらソワカーとかやりだしました。


それに続き、召喚術師…。

テンプレ通りの魔法陣を構築し、これまた詠唱を…って、ドクターは鼻をほじってるしっ!


3万人の一斉大規模術式に対して、何の構えもしないドクター…。


はっきり言って、その温度差が半端ないです。


普段、詠唱も魔法陣も使わないでいろんな従者を呼び出しているドクターを見ているので、詠唱時間、魔法陣の構築及び、その詠唱がつまらなく感じるのは気のせいでしょうか?


ぶっちゃけ、《《厨二病患者》》の集まりにしか見えません。

コホン。

これは言い過ぎですね…。


「これだけの人数の能力を封印した奴だ!倒せば神認定も夢じゃねーよな?」

「ふふふ…ありえる」


ん?んん?

何やら、精霊術師の方から、聞き捨てならない発言が飛び出したような?


「「「よーし!!みんな!出し惜しみ無しで術を行使するぞ!!」」」


「「「「おおぉぉーーー!!」」」」


何やら、全体の士気が上がったように思えます。


で、ドクターはと言うと…。


テーブルを出し、テーブルクロスをかけ、料理を出し、酒を出し…って、何してんですか!?


今、まさに攻撃を受けようとしてる時に!!


もういいや…。

動向は探りつつ、私達は魔王城に向かいましょうかね…。


☆☆☆


実は、魔王城を訪れるのは初めてなのです。


ドクターがなんやかんや全部やっちゃったから…。


森には、相変わらず、見たこともないモンスターが徘徊しております。


「さて、歩いていくか、転移していくか…」


そんな事を考えてながら歩いていると


『魔王城の位置もわからねーのに、転移なんかできるかよ!プププー!』


と、何処からか《《ドクター》》の声で、めっちゃバカにされました。


「………」


『という事で、転送陣をそちらに送りますよー!君のステータスは上限超えなんで、あえて試練を与えます!プププー!』


このドクターの声、何か不快!!

いつもなら、イノリと言うドクターが、《《君》》とか言ってるし…性格変わってんじゃねーの?



さっきまで、荒野で何か用意してたと思ってたのに!!


まさか、監視されてる?


『いや、あっちはあっちで普通にやってるしぃ…』


念話って便利なようで、結構不便!

同じ声で訳のわからない事を言われても…って、あっち???


何それ??


「意味不明なんですけど?」

『はい!スタート!!』


くそっ!

こういうところはドクターのまま!!


と、ひとり愚痴っていると…。


ザザザッ…。


何やら不穏な気配が…!


「グルルゥゥ…」


草むらから出てきたのは、サーベルタイガーのような見た目の、猫科モンスター。


いや、特定てきないんすよ!


体にある模様が、豹とかジャガーとか、チーターに似た関西のおばちゃんが好きそうな模様だし…。


『はい!そちらに送ったモンスターは、サーベルチーターと言います』


(結局、チーターかよっ!)


『体表の模様のどれかが魔法陣になっています』

「は?」

『殺したらやり直し、気絶させてもやり直し、動きを止めてもやり直し…という条件で、その魔法陣に触れて下さい…プププ』

「できるかぁー!ぼけぇーー!!」


私は、思わず叫んでしまいました。


殺すのも倒すのも容易い…たぶん。

チーターとはいえ、生き物である以上、隙はできる…たぶん。


ドクターが、どれぐらいの能力にしているのかが不明だから『たぶん』という曖昧な表現になるんです。


つまり、魔法陣を見つけられたとしても、《《こいつ》》が休息してたら手出しはできない。

魔法陣に触らなきゃ、魔王城へは転移できない。


走ってる《《こいつ》》に追いつき、その中で魔法陣を探し、素早く触る。


これがクリア条件となります。


私のステータスは、ドクター同様、すべてがエラー表示。

これ以上、上限は上げられないと思うのですが…しかし!


素早く動く相手のピンポイントを触る。


これは、結構な難題です。


「森を彷徨ってるうちに魔王城を見つけちゃったら?」

『いや、それはないかな?魔王城は君を避けて逃げるし…プププ』

「………」


アホかい!!


☆☆☆


『はい!スタート!』


かくして、ドクターの合図で、私とチーターの鬼ごっこが始まりました。


シュン!!


(はやっ!!)


一瞬で消え去るチーター。


ザザッ…ザザッ…。


時たま聞こえる茂みをかき分ける音。


(探知魔法で追うしかないか…)


私は、探知魔法を発動し、チーターとの距離を一気に距離を詰めます。


シュン!!


魔の森には、ひしめき合うほどの樹木、足元が見えないぐらいの茂み。


飛行魔法を使えば、必ずどこかに当たり、小さくない音がでます。


茂みをかき分けてもダメ。

なんせ、猫科の動物は、総じて耳がいい。


通常なら、早い《《獲物》》は、それ以上に早く動き、足を止めるのが常套手段。


しかし、訳のわからない強制的な《《縛り》》により、通常の手段が取れない…。


そもそも、ドクターに常識は通用しないのよ!


(…という事は!)


そう!

私も、既成概念にとらわれない手段で相手をしなければならないという事!


「うーむぅ…」


私は、しばらくチーターを追いかけるのをやめ、《《ドクター寄り》》の思考で攻略を考え直してみた。


まずは自分を知るところから…。


まず!

①私は細胞から培養されたホムンクルス。

②容姿、スタイルはドクター好み。

③ドクターの親友君と融合した事で、体の自立型は発動しない。

④自分の意思でなら、操作は可能。

⑤ステータスはエラー表示のため、詳細は不明。

⑥チーターの位置探知はできても、動きが早すぎてステータスの鑑定は不可。


(ん?んん?自分の意思でなら、操作は可能??)


まぁ、確かに?

ドクターの動向を探るために目玉を監視に使ったけれども…。


「それしかないかぁ…よし!試しにやってみよう!」


通常の常識が通用しないなら、ドクターの《《突拍子もない発想》》で攻略するまでっ!!


(さて、どうするかな?素早く動くチーターを見つけるために、身体中を目玉にする?)


きんも!


いやいや、私は妖怪じゃないっ!


「ことごとく食べられても困るし…」


って、発想が目玉から離れてくれない。


これは、ドクターの監視に、よく目玉を使ってたせいだな…うん。


そもそも、私はドクターの支援が担当であり、調査とか治療の補佐とかが目的だったはず!


そりゃあ、見つける=目玉になりますよっ!


「えぇい!こうなったら、すべての細胞を目玉にして飛ばしてやるっ!」


私は、発想が目玉から離れない思考を逆手にとって、ドクターが言っていた《《細胞すべてが自立型》》という特典(?)を利用する事にしました。


ドクターの幼馴染(名前は忘れた)と融合して、すべてが自立型ではなくなったけど、自発的であれば操作はできる。


意識を連動させれば、空気中に舞う埃や細菌の類ぐらい小さくしても、私の体の一部として操作できるはず。


まぁ、ビジュアル的には、かなりエグい絵面になるだろうけど、気にしません!


これぐらいぶっ飛んだ発想をしないと、ドクターと一緒に異世界ライフは送れないのです。


「という事で…目ん玉スタンピード作戦(仮)発動!」


サラサラサラサラ…。


私の体がチリになって消えていきます。


それと同時に、森全体にモヤがかかったようになってきました。


そう、このモヤ全部が《《私》》です。


「いたっ!」


チーターを発見!


チカッ!


と同時に、魔法陣が発動?


シュン!!

シュボボボボォォー!!


「きゃあぁぁぁぁーーー!!」


チリと化した私は、チーターの指先にある模様に次々と吸い込まれていきました。


つか、指先て…!


触れるかぁーー!!


コホン

とりあえず、身体中目ん玉作戦(あれ?作戦名が…)は成功したようです。


おそらく、私の一部がチーターに触れたので、魔法陣が発動したのでしょう。


いきなりでビックリしたけど…。


まぁまぁ、これで第一関門クリアです。

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