ドクターの誤算と私(?)の暴走。
さてさて…。
遠隔操作で体型変換をしたみんなは、どんな感じになっているのでしょう。
めちゃくちゃ楽しみです!
向かうはもちろん、精霊族領の大樹上。
精霊女王様のいるところです。
とは言っても、ずっと入り浸っているので、《《行く》》というよりは、《《帰る》》という感覚なのですが…ふふふ。
女王様が15歳ぐらい、従者さんが20歳ぐらい。
ヨーコ達は、一律15歳設定だった気がします。
まぁ、そのへんはアバウトでいいのです。
なんせ、一律10歳設定にし、小型化したら5歳設定になるようにしたのですから!
これからは、至福で眼福な時を長く過ごせるのです!
転移を大樹の上に設定したのは、みんなを驚かせるため…というのが建前で、実は、遠目で鑑賞するためです。
ザワザワ…。
ザワザワ…。
(ん?何やら騒がしいですね?)
明らかに、設定した遠隔操作した人数よりも多いです。
あ!もしかして、みんながちっさ可愛くなったから、歓迎の準備でもしてるのかな?
『んなわけあるか!はよ来い!』
あれ?ドクター?
神族領に行ったんじゃないの?
って、相変わらず、人の心読んでくるしぃー!
まぁ、とりあえず降りてみますかね?
スッ…。
『ゴルァー!!』
と、1番に駆け寄ってきたのは精霊女王様。
思わず、ギュッと抱きしめてしまいました。
…が、どうも様子がおかしいです。
いつもなら、嫌がりながらも、どこか楽しげにしている女王様。
ところが、今は本気で危ないオーラを出しています。
はて?
私、何かしたのでしょうか?
「あら?可愛い天使の羽根…」
女王様が怒っているのは理解しました。
だから、すぐに離れたのですが、そこに見えたのは、フサフサの白い羽根。
んー!可愛さアップですねっ!
周りを見ると、女王様の従者2人、ヨーコ、ミーコ、レイコ、チーコ、見知らぬ真っ白な女の子他、色とりどりのツノを生やした女の子達が天使の羽根をつけて、疲れた顔で黄昏ています。
(はて?ここは天国ですか?)
「いやぁー!尊い!!状況は飲み込めてませんが、素晴らしい光景です!!可愛いは正義!!」
私は思わず、歓喜の声をあげてしまいました。
それを反応したのが、女王様とドクター。
『何が素晴らしいんじゃ!!大問題じゃ!!』
「イノリ…とりあえず落ち着け!」
「ドクター?何でここにいるんですか?可愛いみんなを見に来たんですか?」
「それは後から話す…とりあえず落ち着け!」
え?こんな天国で落ち着いてなんかいられませんけど??
「「「「「はぁぁぁぁ」」」」」
私の反応に、全員がため息をついてしまいました。
私、何かしましたか??
☆☆☆
••••約15分前••••
「さぁ!偵察に行くか…」
スッ
『旦那!大変です!《《例の物》》が暴走し始めています!!』
「なんだ?いきなり?例の物って、まさかアレか?」
『はい!厳重に封印してたのですが、先程、いきなり何かに呼応するかのように光りだしまして…』
「やばいな…もしかしたら、イノリの《《アノ》》魔法が原因かも…」
『何があったんで?』
「いやぁ、イノリが神の加護を受け取ってな…」
『ふむふむ…』
全員10歳に!
からの、全員、服装はメイド服!
それぞれに特徴を持たせてぇー!
小型化した時は見た目5歳にしてぇー!
2頭身にぃーー!!
最後は、私に天使の羽根をぉーー!!
「とか唱えてた」
『そ、それって、かなりやばくないですか?』
「遠隔で趣味全開の魔法をぶっ放したからな…制御できているかも怪しい」
『……』
「とりあえず、戻って確かめてくるわ」
『り、了解でやんす』
「お前、語尾がおかしくなっているでござるよ」
『旦那こそ…プッ』
「『あははは!!』」
「『………』」
「急ごう…閻魔は、監視を増やしてくれ」
『へい!』
スッ!
シュン!
•••••••••••••
「お前的には天国だろうが、みんなにとっては迷惑になってんだよ…とりあえず、魔法を解除してやり直すんだ」
「え?いやですけど?」
あれ?私、ドクターに逆らってます??
「元々お前、自分に天使の羽根をつけるつもりだったんだろ?これ、全員に天使の羽根がついてるのは、制御できてないからなんだよ!」
ドクターに何か言われるたびに、胸の奥から沸々と怒りが湧いてきます。
「か…可愛いはせい…ぎ…」
「いや、それは分かるが…」
スッ!
『旦那!!もうすでに、姉さんの中に入ってます!!私達、避難しますね!!』
「げ!マジか!!」
そんなやり取りが、目の前で繰り広げられているのに、何故か《《達観視》》しているような感覚。
それに、あれだけ騒いでいたみなさんも、私達のやり取りを眺めるにとどまっています。
(あれ?意識が朦朧と…)
バタッ
その場で、私の意識は《《何者かに》》刈り取られ、まるで操り人形の糸が切れたごとく、その場に倒れてしまいました。
☆☆☆
私が気絶してから、どれぐらいの時間が経ったのでしょう…。
意識を取り戻すと、ホールの中は先程見ていた光景とは、ずいぶんと変わっていました。
全員が、服を淫らに着崩され、汗をかいて倒れているのです。
(はて?何があったのでしょうか?)
私の衣服も変わっています。
ナース服に、絶妙な可愛らしさをテイストしたフリルがついているのです。
かろうじて意識があるのはドクターのみ…。
「ドクター?これはいったい…」
「あ…起きたか…とりあえず、これを見てくれ…それから説明する…」ガクッ
ドクターは、そう言って『魔法映像水晶』を私に手渡し、眠ってしまいました。
尋常ならざる周りの光景。
デザインの変わった私の衣服。
渡された水晶を、ひと目見て、『魔法映像水晶』だとわかる私。
体力も魔力も無尽蔵なはずのドクターの眠り。
謎だらけであります。
まぁ、そのための水晶であり、そこに映されている《《何か》》に、その答えがあるのは明白ではありますが…。
「魔力を注いだら映像が出るのかな??」
私は、神の加護をもらっておきながら、使い方が良くわかってない事に、今更ながら気づきました。
このホールに来た時は、みんなの可愛さにテンションが上がり、ハイになっていたのは間違いありませんがね!
ホワン…。
床に置いた水晶に魔力を注ぐと、案の定、壁に光が差し、映像が浮かんできました。
(ゴクリ…)
『やったぁー!!ようやくボクの時代だぁーー!!いやぁ!てっちゃん!ありがとう!!こんなに可愛い子達を集めてくれて!』
『いや、俺が集めたわけじゃない…』
『とりあえず、全員にハグしなきゃだね?』ニヤリ
『『『『は?』』』』
『誰からにするかなぁ…』ニヤニヤ
『まて!お主!目が危ないぞよ!』
『大丈夫大丈夫…』ニヤニヤ
シュン!
『ま、まて!』
『『『『キャァァァァーーー!!』』』』
『つーかまえたっ!』
スリスリスリスリ
『あー!可愛い!!』
『………』
『次は…』
『『『『キャァァァァーー!!』』』』
『や、やめろ!イノリ!!』
『イノリって誰?ボク?』
『あぁ、そうだ!お前が女に成りたがってたから、俺が生成した体だ』
『おー!ありがとう!!なら、てっちゃんとヤレるね!子供を作ろう!男の子が生まれたら、女の子に改造しよう!』
『ちょ!バカ!何言ってんだお前…』
『てっちゃーーん!どうせ童貞なんだろ?ボクの処女をあげるよぉーー!!』
『いらん!やめろ!』
『そんな事言わずにぃーー!!みんなにハグしてからでもいいからさぁーー!!』
『そういう問題じゃねー!!』
『『『『キャァァァァーーー!!』』』』
逃げ惑うドクターとみんな。
目を血走らせて、みんなを追いかける《《私》》。
私を含め、全員が全員、人智を超えた存在…。
その追いかけっこは、常人では視認できないほどのスピードとスピードの応酬でありました。
襲っているのは私、被害を受けているのは、その他全員。
その後、みんなを蹂躙した私は、自分の衣類にフリルの装飾を加え、額の汗を拭いながら倒れてしまいました。
ドクターは、自分の身を守るために、全魔力を使って《《遮断結界》》を張っていたようです。
「何これ…」
私、どうなっちゃったの??




