ドクターに土下座は強要してませんが何か?
「と、とりあえずじゃ…我の使いを放っておるから、動向は探れる」
「うむ…超級隠蔽魔法で、コーティングしてあるから、奴に悟られる心配は、《《おそらくない》》」
「先読みできない相手って、扱い辛いですわね…」
精霊女王が放った使いとは、蝶の妖精。
それに、金龍が隠蔽魔法をかけて、気取られないように配慮したとの事。
よくアニメで見受けられる、偵察、監視用の蝶みたいなモノ…みたいです。
たぶん…。
本来であれば、予知、未来視と呼ばれる類の能力で、次の行動が先読みできるはずが、3人とも、ドクターに関しては、それが出来ない…と、常に戦々恐々としていると言います。
『予想はできる…が、その予想も、大抵は覆される』
のだそうです。
「なんか、すみません」
私は再度、同じセリフで謝罪をしました。
「話は終わりじゃ…案ずるな、何をして欲しいわけではない…知っておいて欲しかっただけじゃ…こちらこそ、すまぬ」ペコリ
「ちょ!金龍さん!貴方みたいな人が、頭を下げちゃダメですよ!!気にしてないですからっ!!」
もうやめて!
《《気持ち》》は、痛いほどわかるんでっ!!
「イノリさん、女王のところに入り浸っていないで、今度は楽しくお茶でもしましょうね」ニコッ
「では、くつろいで下され…ワシらは出掛けてくる」
フッ…。
金龍、銀龍さん?
ここ、あなた方のお住まいですよね??
「なんか、追い出したみたいになっちゃった…」
「気にするでない…我らは知己の仲じゃ…遠慮はいらん」
「は、はぁ…」
それからしばらくは、獣人族の事やら、獅子王の厨二体質やら、3人が、この世界に来てから、今の形になった経緯を、初期メン視点で語ってくれました。
「だが、この世界は、ちとおかしいのじゃ…」
「と言いますと?」
「普通、神族は下界に《《神族領》》などと言う、奇天烈な土地などを作る必要がないのじゃ…天界、神界があるからのぅ」
「あー、なるほど」
「それを思えば、この世界には何かあるのかもしれん」
「わからないんですか?」
「分かるわけがなかろう…そもそも、我らはお主達の動向に合わせて、この世界に来たにすぎんのじゃからな?」
「あ、そうでしたね?」
「ただ、過去に来た時には、すでに神族領は存在しておった!だから、神族領からの亡命者には手を差し伸べた」
あ、話が戻った…プッ!
「あー、それが獣人族の成り立ちに繋がるわけですね」
「まぁの…奴らには言うでないぞ?あやつらは、すでにこの世界に根付いておる…何より、プライドが高い」
獣王、獅子王さんが言われたい放題で笑える!
「さて、我らも戻るかの?いつ、あやつが帰ってくるか分からぬからな…く、来るじゃろう?お主も…」
「もちろん!!」
あー!照れてる女王も可愛い!
龍族神殿(私が勝手に脳内で命名)を後にした私達は、精霊族領に戻る事にしました。
「いつ帰ってくるかも、予想できないんですか?」
「そんなものが分かるなら、苦労はしておらん」
というのが、部屋を出る前にした、最後の何気ない会話。
部屋を出たら、ドクターに筒抜けだと思わなくてはいけない…のだそうです。
みなさんは、『自立型』の話を聞いて、より一層、警戒を強めたようです。
ほんと、なんかすみません!!
☆☆☆
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…。
「でじゃな!エルフは妖精族、ハイエルフが精霊族、ダークエルフが魔族なのじゃ!面白いじゃろう?」
「ダークエルフは肌の色で見分けるのでしたっけ?」
「おい!」
「だいたいはな…こちらに居るダークエルフは、改造ハイエルフだから別種となるがの…しかし、魔の森から、精霊の森に移住さかてからと言うもの、精霊族に精鋭部隊が結成されたようで、非常にありがたいのじゃよ」
「それは良かったですねぇ…」
「おいって!!」
「………はい?何んでございましょうか、ご主人様?沢山のお土産、ありがとうございました!では…でですねー!ハイエルフとエルフが並んだら、その違いはわかるのですか?」
((良いのか?相手にしなくて…))
「待てって!何怒ってんだよ!黙って行ったのは、悪かったって!言えば、ついてきただろ?」
「そりゃあ、私はドクターの助手ですし?ま、私はもう用済みだって事ですよね?」
「なんでそうなる?!」
「ツーン!」
「ちょ!イノリィー!!悪かったって!!」
「ツーン!」
「………」
「お邪魔しました…」がっくし…。
ガチャ…。
ドクターは、放心状態で帰っていきました。
「良かったのか?あれで…」
「少しは考えてもらわないと…神狩りも、聞いてたから良かったものの、その世界の魔王まで討伐してくるとは…魔王と癒着していた勇者の聖剣やら、勇者の証まで持ち帰って…そんな面白い事するのに、1人で行くとかありえません!!」
「………」
「4聖獣、4幻獣の世界の掃除は、結局、魔王に支配された世界、邪神に支配された世界で、それぞれに邪魔な聖獣や幻獣を排除した奴らを鮮明した…まではいいですが、その《《魔王核》》、《《邪龍核》》を取り込んで帰ってくるなんて、度がすぎています!肝心の聖獣、幻獣は、魔の森に放置だし!牢獄に入れた奴らと変わらないじゃないですかぁー!!ドクターのバカァー!!…はぁはぁ…」
「………」
「まぁ?付いていったからって、止められるようなもんでは無いですけど、最近のドクター、独断専行が過ぎて、私の存在意義が薄くなってる気がするんですよっ!!」
「あー、怒ってるポイントはそこね?」
「そーですよ!!私に内緒で神狩りとか、そんな面白いイベント、黙っていくなんてゆるせません!」
「お主も苦労するのう…つか、フェアリーを放っており、見てたはずの我らにも、まさかの展開じゃったわい…」
「基本的に、付いて行ったら、《《何故、そういう事をするのか》》っていうのは、ちゃんと言ってくれますし…なら、女王様にも納得できる説明が出来るでしょ?」
「うむ…そうしてもらえると助かるのじゃ…ストッパーイノリよ…」
「そんな二つ名要りませんって…あははは!」
ガチャ!
(また来た!)
ガバッ!ゴチン!
「すまん!イノリ!!最近、面白…コホン…忙しすぎて、周りが見えなくなっていた!決してイノリを蔑ろにしたつもりは無いんだ!許してくれ!!次からは、一緒に行くか、その目的を話してから行く!!ごめんなさい!!」
ドクターが、どこで覚えてきたのか、ジャンピング•スライディング土下座をしています。
土下座をさせるのは好きなドクターですが、自ら土下座をするドクターは、《《たまにしか》》見た事がありません。
ウケる!
(まぁ、許してあげますかね?)
「まぁ、ドクターがそこまで言うなら、許してあげますけど、今回の神狩りの目的は教えてもらえますか?おびただしい数の神核があるようですけど…」
ドクターは、涙を拭きながら、コクコクと頷いております。
(なんか私、保護者みたい…プッ)
この時、ドクターと《《一線》》を超えるのは、不可能なのでは?
と、少し寂しくなりました。
これは内緒ですけど…って!
(ん?これはもしや…嫉妬??)
ま、まさかね…。




