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暴走する従者達!!その結果…いや、結果は知りませんが何か?

sideイノリ


ズザザザザッ……。


「………」


さて、本来の観察に戻ってはみましたが、この状況を、どう説明したものか…。


とりあえず、ドクターは魔法陣ロボに顔を埋められ、ヨーコ、レーコ、ミーコ、チーコ全員に押さえつけられて、全身を地面に露出した防御結界(という表現にしておきましょう)を《《1人分から全員分》》にするために魔力を強制的に使われているようです。

なんの抵抗もできず…プッ


これは、ドクターがあえて抵抗をしていないのか、それとも4人の総力に相乗効果が加わり、抵抗したくてもできなくしているのか…。


まぁ、見てるだけの私には分かりかねますが、見てて面白い事だけははっきりしてます。

ドクターが「ちょっ!お前ら…グフッ」とか言ってますし…プププ


そして、この音…。


パリンパリンパリン…。


これは、多重障壁、多重結界という魔法形態。


つまり、防御障壁を重ねがけをした物が割れている音。


割れるたびに範囲が広がっているのがわかります。

障壁1枚の厚さは、ざっと10cm。

それを何枚重ねているかは定かではありませんけどねっ!


まぁ、通常は1cmぐらいが平均で、それを等間隔で重ね並べる事により、衝撃を軽減させているわけですが、10cmの障壁をびっしりと重ねているあたり、思考はドクターに似ているのかもしれません。


『多重防御障壁?そんなの、敵と認識した相手にだけ作用する障壁、厚さは…そうだな…1枚100mぐらいあれば、多重にする必要はないだろ?足りなければ、1枚1kmに厚さ調整すればいいだけだし…』


というのが、ドクターの防御障壁に対する認識。

ドクターにしてみれば、防御障壁、結界などは、《《多重にする必要も意味もない》》という考えなのです。


パリパリバリバリィィィーーン!


今、ドクターがこの光景を見ていたなら


「は?たかが10cmの障壁を重ねがけ?バカだろ?」

とか言いそうです。


そこから導き出される結論は…。

『敵はドクターよりも常識的で、ドクターよりも弱い』

だろうという事。


穴は確実に広がっており、深さも見る見るうちに深くなっています。

すでに10mを超えています。


そう、10cmの障壁は100枚を軽く超えているのです。


(敵も大概ですね…常識的って言うのは撤回しておきましょうかね…)


って言うか、破壊された結界が《《外側から修復されていってる》》なんて、予想してなかったんですけど?!


私と押さえつけられているドクターとの距離は、わずか5m。

ドクターの《《なすすべのない惨めな姿》》は、声とリアクションでわかりますが、正直、近くで見ていたい…ってのが本音…。


しかーし!

敵も大概の非常識スキル持ち(わかるよね?)


破壊された結界は、瞬時に修復され、私達に迫ってきています。


それを、私は皆んなから5m離れたところで、手のひらを上に向けて破壊に専念しています。


みんながロボとドクターを《《使って》》、結界を破壊して掘り進めている上で、まるで天井が降りてくる《《よくある罠》》…そうそう、大体想像通りのやつ。


それを破壊という手段で穴の空間を保っている私。


新たに構築されている結界は、砕き進めている本来の物よりも、厚さ、硬さ共に劣っているようです。

もしかしたら、私がドクターなみにチートなのかもしれませんが…。


「……いや、それはないな…」ブツブツ


おそらく、従来の結果の強度を上げつつ、新しく結界を張りなおしているのが原因でしょう。


それだけでも、ドクターとの力の差は明らか…な、はずです。


そんな事を考えていると、突然、チーコが叫びました。


「結界掘削作業完了まで、あと10m!!」


あらあら、ようやくですね…。


つか、結局『結界』で定着してしまいましたし、地獄への侵入行動が『掘削作業』とか言われてますし…。


「あっ!こ、これは…ちょっ…ちょっと待て!みんな!これ以上、進むな!これはヤバい!」


「「「「へ!」」」」

ザクザクザクザク…。


こうして、いきなりドクターが叫んだのはスルーされ、どんどんと結界は掘り進まれていく…。


つか、ドクター、何いきなり焦って止めようとしてんの?


☆☆☆


「ほんと…やめて!掘るのを止めてぇー!」


あらあら…懇願になってきてるし…プッ


誰にもなびかない、誰にも縛られない、敵対、反抗する輩には、神であろうが魔王であろうが、全力で対応する=排除する。

とにかく、自分のやりたいように好きなようにやりまくりたいのがドクターという人物。

いくら、Sランクを軽く超える能力を持ち合わせている従者に押さえつけられているとはいえ、何の抵抗もせず懇願するとは、私の知っているドクターではない。

まるで《《普通の人》》だ。


(ん?あれれ?)

もしかして…いや、もしかしなくても、これは本格的にヤバい状況…という事なのでは?


「みんなぁー!!ストップストップ!!これ以上、掘り進めるのは一旦やめてぇー!!」


「「「「ん?はーい!」」」」


ドクターの懇願は無視して、私の言う事は素直に聞くんかいっ!


そして、止まった位置は結界貫通まで僅か1m。


「ふぅ…ヤバかった…」

「「「「はぁ???」」」」

間髪入れずにツッコむみんな。


(うんうん、わかる!このドクターが「ヤバかった」とか、ぶっちゃけ《《キャラ》》じゃないもん)


私を含めたみんなの反応を見て、ドクターはずいぶん憤慨している様子。

そして…《《その》》内容を語り出した。


現在の地獄だった空間は、大悪魔神(笑)の支配下にあり、外観はともかく、空間全体に悪魔神の魔力が充満しているとの事。


それが、結界で封鎖された空間であるために、魔力はどんどんと濃くなり瘴気となってあふれんばかりの濃度になっている…と。


しかし、それだけならば瘴気をドクターの無限魔力で置換し、空間をドクターの魔力に変換するのは可能。


これだけなら「で?何が問題なの?」という、まったく疑問が解消しない結果となる。


しかし、問題はここからだった。

なんと、悪魔神も無限魔力の持ち主だという。


「それがだ、もしぶつかったらどうなると思う?」


「「「「さぁ?そんなに勿体ぶらないでも、やってみたらわかるんじゃないですか?」」」」

(ごもっとも…)


グググッ…。バリバリバリ…。


「ちょっ!やめ…いや、マジでっ!」


何か嫌な予感はする…。

《《このドクター》》が、ここまで歯切れが悪いのだ。

何か、とんでもない事になるのは間違いない…と思う。


「み、みんな!落ち着いてっ!全員、ドクターの話を聞いてから行動してもいいんじゃない?従者なんだし…」


「「「「「だって…こんな弱々しいご主人は見てられないんだもんっ!」」」」」

(いや、それはそうかもしれないんだけど…)


んー…いちいち納得できる理由…。


グググッ…。

バリバリバリバリバリバリバリィー!!


「みんなっ!まってぇーー!!」


痺れをきらしたみんなが、やりよったっ!!

やりよったぁぁぁーー!!

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