表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/203

31.メデューサの友人

俺達はゴルゴーンの里でおきたことを彼女に説明する。俺達とメデューサでゴルゴーンの裏切者を探していたこと、そしてそれがステンノだったこと。全てを話し終えてゴルゴーンは難しい顔をして唸った。



「にわかには信じがたいわね……悪いけどあなたたちを信じることはできないわ。だってステンノ様がそんなことをするなんて信じられないもの……」



 メデューサも信用していたし、いいリーダーだったのだろう。ステンノは……でもこれが事実なのだ。彼女を説得するのに成功すればステンノを失脚させ、メデューサの意見が正しいという事を証明させやすくたるはずだ。俺達がこのままメデューサを助けるだけでは、彼女の名誉は守られないし、ゴルゴーン達はステンノに利用されるままだから……俺は必死に説得するための言葉を考える。



「だったらステンノが尻尾を出すのを待っていてくれればいいよ。村の人は二日後に行商人が来るって言ってたからさ。その時にステンノは人間と接触するはずだ。あとをつけてステンノが人間話しているところをみれば納得してくれるだろ?」

「簡単に言うけど、あとをつけたらばれるわよ」

「それならば心配はないぞ!! 私がかぶっていた兜があるだろう。それをかぶれば姿を消すことができるはずだ」



 俺の言葉にペルセウスが続く。メデューサとこのゴルゴーンの二人がステンノを糾弾すれば信憑性も強くなるだろう。幸いにも兜は二つあるのだ。一つは彼女に渡して、あとは俺かペルセウスのどちらかが脱走して、シュバイン達と合流し、場を混乱せれてその間に俺達がメデューサを助けて逃げればいい。ひょっとしたらこの騒ぎでステンノもぼろを出すかもしれないしね。



「確かにステンノ様が人間と接触しているのをみればあんたたちを信じるけど、それは無理よ。だってあなた達はこの後少ししたら子種を搾り取られて殺されるもの。仮にあなた達の言うことが正しくても、死んでたら協力はできないでしょう?」

「「え?」」



 俺とペルセウスの声が重なった。今何て言ったこのゴルゴーン。



「私達ゴルゴーンは雄がいないから、捕えた雄から子種を奪うって話は知っているかしら。今、飢えているゴルゴーンも結構いるから今夜であなたたちは絞り取られて死ぬと思うわ。私はメデューサと親しかったから、彼女をそそのかした連中への復讐っていう理由でここに通してもらったけど、今頃あなたたちを襲う順番をみんなで決めているはずよ」

「まてまて、私はメデューサ以外に体を許すつもりはないぞ!!」

「俺だって童貞のまま死にたくないんだけど!!」

「大丈夫よ、童貞は卒業できるじゃない。中には抱きながら石にするっていう変わった性癖のやつもいるから気を付けてね」

「何にも大丈夫じゃないよね!! 初体験と同時に死にたくないんだけど!!」



 ゴルゴーンの言葉に俺とペルセウスはどうしようかと苦悶の悲鳴を上げた。これはすぐにライムに助けを呼んでもらわないと。俺たちの命と貞操が危ない。俺は助けを求める視線をゴルゴーンに送るが彼女は首をふった。



「さすがに私もあなたたちを助けたりはできないわよ。でも色々教えてもらったしね。私も情報をあげるわ。メデューサはステンノ様の実験室に軟禁されているわ。家族で最期の時を過ごすって言ってたけど今となってはどうなのかしらね? 後はそうね……外で牢屋の鍵を守っているのは一人よ。あの子は時々居眠りをするから、あなたの仲間のそのスライムに力を借りればなんとかなるかもね」

「え……」



 俺は彼女の言葉にハッとする。俺達と視線があうと彼女はにやりと笑う。そして何やら地図らしきものが書かれた紙を牢屋に入れる。



「あなたの事を話しているメデューサは本当に幸せそうだったのよね。あなたは姉が行方不明になって凹んでいた友人に笑顔を取り戻してくれた……これはそのお礼よ。あと、そっちの童貞さんも、わざわざメデューサに力を貸してくれたのよね。ありがとう。ちょっとこっちにきてくれるかしら」

「うおっ!!」



 俺がゴルゴーンの言葉に従い近づくと体を引っ張られて、服をはだけさせられた。そして鎖骨に口をつける。え、何をされるの? 俺噛まれるの? 噛まれたら毒がやばいよね? いや、彼女は力を貸してくれるのだ。信じるべきだろう。俺は体から力を抜いて彼女に身を任せると鎖骨を思いっきり吸われた。

 しばらくすると、彼女は鎖骨から顔を離した、唇からこぼれる唾液がなんとも艶めかしい。



「ごめんなさいね、一応あなたたちを襲うって名目できたからなにかしら痕跡を残しておかないと私が、怪しまれるのよ。でも……これが雄の味か……中々美味ね」



 なんか不気味なことを言ってゴルゴーンは去っていった。ちょっとドキドキしてしまったのはここだけの話だ。だって童貞には刺激が強すぎるんだよ!

おもしろいな、続きが気になるなって思ったら、ブクマや評価、感想をいただけると嬉しいです。


特に評価ポイントは、『小説家になろう』のランキングシステムにおいてはかなり重要視されるんですよね。


↓の広告のさらに少し下に、ポイント評価を付ける欄がありますので、面白いなぁって思ったら評価していただけるととても嬉しいです


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] シオンが卒業する日は劇中では来なさそうですね(笑) もう少しで反撃にかかる所かと思いますので、今までの鬱憤を晴らして欲しいものです。 勿論、シオン流で(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ