表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/203

57.エピローグ

 街に戻りみんなと別れた俺は、冒険者ギルドへと向かう。他のみんなは長旅で疲れているという事もあり、解散となった。そして、冒険者ギルドで、俺はアンジェリーナさんにクエストの報告をする。



「お疲れ様です、長旅でしたね。無事でなによりです。ちゃんと約束を守ってくれてなによりです」

「ありがとうございます。ちょっとイレギュラーはありましたが、どんな時も無事に帰ってくるって約束してますから」



 久々のアンジェリーナさんの笑顔に迎えられて、俺は疲れがぶっ飛ぶのを感じた。ああ、やっぱり癒されるなぁ。そしていつものやりとりをする。どんなクエストに行っても無事に帰ってくる。それがアンジェリーナとの約束だ。破るわけにはいかないよね。




「よかったわね、アンジェってば、シオンさんが帰ってくるのが遅いって気にしてたのよ」

「セイロン!! 自分の仕事をしてください。シオンさんもなにをにやにやしてるんですか!! あなたの事だから無事に帰ってくるとは思ってましたけど、心配なものは心配なんですよ」



 茶々をいれるセイロンさんをアンジェリーナさんがにらみつける。どうやら心配させてしまっていたようだ。ああ、でもなんかこういうの帰ってくる場所って感じでいいよね。仲間がいてさ、帰ってくる場所があるって最高だよね。これは俺は『アルゴーノーツ』から追放されてから得たものだ。『アルゴーノーツ』から離れて俺の環境は色々と変わった。そして俺は新しい仲間を手に入れて、俺自身も多少は強くなった。俺の力で今の環境を手にしたのだ。

 だから俺はもっと自信を持っていいのだろうか? 俺達はもっと上へ行けるとおもってもいいのだろうか? そうして俺は仲間たちと相談していた件を進めることにした。



「今度Aランクの昇進クエストを受けたいんですが大丈夫でしょうか?」

「シオンさん……」



 俺の言葉に一瞬目を見開いて驚いていたアンジェリーナさんだが笑顔でうなずいてくれた。そして、ギルドの資料をめくりながら彼女は言った。



「シオンさんなら大丈夫ですよ。はい、次に来る時までにシオンさんたちに合う依頼を探しておきますね。もしも、シオンさんがAランクに昇進したらジェシカさんの店でパーティーをしましょう」

「はい、楽しみにしてます」



 彼女の言葉で俺はほっと一息つく。ずっと俺を見ていてくれた彼女が問題ないと言ってくれたのだ。俺達はAランクの試験を受けることができると納得してくれるのだ。こんなに嬉しいことはない。そうして俺はギルドをあとにして宿へと帰るのであった。



 クエスト報告が終わって、緊張が解けたのかどっと疲れた俺は宿に帰って、そうそうに休むことにした。ゴルゴーンの里で手に入れた杖を武器屋のおっさんに調べてもらうのも明日でいいだろう。俺は眠気をこらえながら鍵を開ける。ああでも、久々の一人である、酒を飲んでエッチな本を読むのもいいかもしれない。



「おかえり……お茶淹れるけどいるかな……」

「ただいまー」



 俺は部屋にいるアスに返事をする。え? ちょっと待って? なんでアスがいるの? ここは俺一人の部屋のはずなんだけど。てかさっき別れる時に、宿は見つけたっていってたよね?



「ちょっと待って、なんでアスがここにいるの? 一日くらいならいいけど、さすがにずっとはここだと二人は狭いよ」

「ああ……シオンの部屋の隣が空いたから、そこに住むことにしたんだよ……」

「でもどうやって俺の部屋に……って穴あいてるぅぅぅぅぅ!?」



 部屋の奥にはクエストには行った時にはなかったはずの大きな穴が開いており、隣の部屋行き来できるようになっていた。へぇー便利だねって……いいはずないよね。



「いやいや、なにやってんのアス。宿屋の人に怒られるでしょ」

「大丈夫……お金ならある……出る時に修理すれば問題ない」



 そういうと彼女はカバンに雑に入っているお金を俺に見せた。アスは定期的に新作のポーションをお店に売ったりするのでお金はそこそこ持っているのである。これなら修理代も払えるね。でもさ、俺のプライベートはどうなるんだろう?



「パーティーは組めないけど……私はシオンとできる限り一緒にいるって言ったでしょう……」

「いや、そうだけどさぁ……」

「シオンは……嫌なの……?」

「いや、全然嫌じゃないよ」



 不安そうに俺をみつめる目をみてひどい事なんて言えるはずないよね。まあ、昔に戻った感じだよね。そうして俺アスと一緒にすむことになったのだった。



「ふふ……もう、パーティーじゃないし、恋愛も自由だね……」



 アスがぼそぼそいいながら俺のベットに横になる。待ってよ。俺が寝れなくなるんだけど……アスのベットに行くか? でも、女性の部屋に入るのってまずくない? 俺は一体どうすればいいんだろう? また俺の眠れない生活がつづきそうである。




-------------------


Bクラス 


シオン


ギフト『万物の翻訳者』


いかなる生き物、魔物と意思疎通可能。


スキル


中級剣技 剣を使用したときのステータスアップ

中級魔術 火、水、風、土の魔術を使用可能

中級法術 傷の回復、身体能力の向上などの法術の使用可能

魔と人を繋ぎしもの 人でありながら魔のモノと心を通わせた人間にのみ目覚める。自分の所属するパーティー内に限るが、信頼を得た人や、魔物、魔族同士でもギフトがなくとも会話が可能になる。ただし、信頼をなくしたりした場合は声は聞こえなくなる。


NEW

天馬の騎士 ペガサスに乗ることを認められた者にのみ目覚める。馬系の生き物に騎乗時ステータス及び騎乗スキルが上がる。



今回の報酬


ペガサス 誇り高く神聖なる生き物。認めた者しか乗せることはしない。

透明兜 被っている間は透明になる。ペルセウスの作品。

謎の杖 ゴルゴーンの里に転がっていた杖。強力な魔力増加効果がある。




というわけで二章完結いたしました。仲間になるのがガチ人外ばかりでいいんだろうか? と思いつつある今日この頃です。可愛い魔物娘も考えているんですがね……


今後の流れですが


「シオンダブルデートへ行く」


 ジャック(1章18話に出てきたモブっぽい 街の住人 )に誘われダブルデートに行ったシオンの話。



「堕ちた英雄」


 一章後のイアソンの話。


「ポルクスとシオンのアンデット退治」



相方がなぜかいきなり腹痛になったポルクスと、一緒にシオンがクエストをする話。


の三つの短編を書いた後三章に突入する予定です。


あと、今後は書き溜めをしてからの投稿になると思うので、ちょっと間が空いてしまうと思います。二章に毎日投稿していたのですが、こうすればよかったってシーンもいくつかあったもので……



面白いなって思ったら評価や、ブクマ、感想をいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] フィズもついてくるかと思ったらきたのはペガサスでした 女性ばかり増えてもシオンが刺されたり夜這いされたりする確率増えるし収拾つかなくなりますもんね
[一言] アス仲間にならないのか…と思ったら横に住むまではちょっと考えたけど、壁に穴開けるのは予想外だったw
[良い点] アンジェリーナさん、ライバル増え過ぎ…(苦笑) [一言] ワハハハハッ!(爆笑)アスクレピオスってば…ワハハハハッ!(大爆笑) …女の子は強い!強過ぎる!?(苦笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ