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召喚されたら自称悪い魔女に下僕にされた話 【連載版】  作者: 日暮キルハ


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13/40

悪い魔女は同情する

なんと200ptに到達しました!

まさか、こんなにも早く200の文字を見ることが出来るとは思ってもみませんでした。ブクマ、評価などしてくださっている皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。

前回と同じになってしまいますが、他に感謝の気持ちを伝える方法も思いつかないので急遽執筆させていただきました。楽しんでいただけると幸いです。

いつもありがとうございます!これからもよろしくお願いします!

「ふと思ったんですけど、血とワインってどう考えてもまちがえないですよね」


「……引っ越し疲れで気でも狂ったのかい? ……いや、元々か」


「たしかに疲れはしましたが、別に気が狂ったわけではないですよ。むしろ、いつ墜落するか分からないホウキに乗せられてる間の方が気が狂いそうでしたし。そうではなくて、ある物語のことを思い出していたらそんな話もあったなと思っただけです」


「……今日は違う話がいいな。なんだかどう転んでもろくな話じゃ無さそうだし」


「いやです。では、始めましょう」


「君、ほんとに奴隷だよね?」


「あるところに可愛らしい女の子がいました。彼女はおばあさんに貰った赤いずきんがよく似合い、皆から赤ずきんと呼ばれていました」


「赤いずきんが似合うから赤ずきんってかなり雑だよね。めっけ鳥とかと同じ雑さを感じるよ」


「いきなり名前を雑と言われてめっけ鳥もびっくりでしょうね。ある日のことです。赤ずきんはお母さんに森の中に住んでいるおばあさんの所へ行ってくれるように頼まれました」


「どうして森のなかなのか」


「さぁ? 嫁姑問題とかで揉めて森に追いやられたのかもしれませんね」


「嫌な世界観だなぁ……。というかお母さんかなりの鬼畜だよね」


「お母さんは赤ずきんに言います。おばあさんは病気で体の具合が悪いからぶどう酒とケーキを持っていってあげて、と」


「治す気ある?」


「おばあさんのことが大好きな赤ずきんは喜んでお母さんのお願いを聞き届けます。そして、森のなかは危ないから気を付けるのよ、というお母さんの忠告ににっこりと頷いて赤ずきんはおばあさんの元へと向かいました」


「危険な森におばあさんを追いやったお母さん。そして、その危険な森に娘を向かわせるお母さん。……お母さん怖すぎない?」


「森のなかを進む赤ずきん。一匹の狼に出くわしました」


「あ、今回の被害者だ」


「狼は赤ずきんに話しかけます。こんにちは。可愛い赤ずきんちゃん」


「当たり前のように喋りだした」


「赤ずきんと狼は意気投合し、仲良く話しながら森の道を進みます。しかし、狼にとって赤ずきんは美味しい食事に過ぎません。話のなかでおばあさんの情報を聞き出した狼は赤ずきんに綺麗な花畑の場所を教えて寄り道をさせます。そして、自分はその間におばあさんの家へと向かい、おばあさんを丸呑みしてしまいました」


「丸呑みって腹を裂かれるフラグだよね」


「寄り道を終えて、たくさんの花をおばあさんにプレゼントしようと摘んでおばあさんの家へとやって来た赤ずきん。扉が開いていることを不審に思いつつも中に入った彼女が見たのは不自然に膨れ上がったベッドでした」


「怪しさしかない」


「不思議に思った赤ずきん。ベッドを膨らませる何者かに尋ねます。あら、おばあさんの耳はずいぶんと大きいのね」


「気づけ。というか獣臭で分かるよね普通」


「狼は答えます。お前の声がよく聞こえるようにさ」


「喋ったらバレるよ」


「赤ずきんは続けて尋ねます。あら、おばあさんのおめめ、なんて大きなおめめなの」


「なんで!? 気づくよね!?」


「狼は答えます。お前がよく見えるようにさ」


「お前はさっさと襲えよ。なんでちょっと演出に拘りだしてるのさ」


「更に尋ねる赤ずきん。あら、おばあさんの手はこんなに大きかったかしら」


「毛生えてるよね!? 赤ずきんのおばあさんどんだけ剛毛なのさ……」


「狼は答えます。お前がよく掴めるようにさ」


「いよいよ狼に至っては隠すつもりもないね……」


「赤ずきんは尋ねます。おお、おばあさんのお口、なんて大きなお口なの」


「この期に及んでまだそれをおばあさんだと思うのか……」


「狼は答えます。それは……お前を食べるためさ!!」


「絶対これまでの流れ、それがやりたかっただけだよね」


「その問答を最後に赤ずきんをぺろりと一口で呑み込み、お腹の膨れた狼はそのまま眠りについてしまいました。そこを通りがかった一人の猟師」


「あ、裂かれる」


「おばあさんの住むはずの家から聞こえる大きないびきに違和感を覚えた猟師が家を覗き込むとそこには狼が。猟師は言いました。ようやく見つけたぞ! 貴様をずっと探していたんだ! 猟師は猟銃を構えます」


「ま、人を食べるなんて完全に害獣だからね。言葉を話せる程度の知能があるならもっと考えた行動をとるべきだったね」


「しかし、猟師は引き金を引こうとしたその瞬間、あることに気づきます。狼の腹がやけに膨らんでいたのです」


「……あぁ。……丸呑みなんてするから」


「猟師はそれを見て理解しました。あの狼はおばあさんを丸呑みにしているに違いない」


「すごい洞察力。それちょっとでいいから赤ずきんに分けてあげて欲しいね」


「猟師はハサミで狼の腹を裂きます」


「当たり前のようにやることがエグイ。というか普通痛みで目が覚めるよね」


「すると、まずは赤ずきんが。続いておばあさんが中から出てきたのです」


「狼の腹の用量どうなってるの?」


「おばあさんは赤ずきんに頼んで狼の腹の中に石を詰めます」


「おばあさんめちゃくちゃ怒ってるよ……」


「それからしばらくして目が覚めた狼は水を飲もうとして、そのまま井戸に落ちて溺死してしまいました。めでたしめでたし」


「狼の死に方って結構ワンパターンだよね」


「そうですね。そういう意味では魔女が一歩優勢です」


「意味わかんない」


「あ、ところでこのお話なんですけどね、実は最初、狼は人間の男だったなんて話もあるんですよ。それだと人殺しになってしまうので男を狼に変えたとか」


「魔女は人だけどね。というか、それだと最初は食人種の話だったわけか」


「あぁ、いえ。敵役が人間の男だった場合、食べるの意味が性的なものに変わるので」


「それはなんと言うか……生々しいものになるね。……というか待って」


「はい?」


「人間の男のストライクゾーン広すぎない?」


「性癖のゆりかごから墓場までとか強すぎますよね」

本当にありがとうございます。

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