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プロローグ
かつて世界は数千年に渡り、深く大きな谷を境目に魔界と人間界に二分化されていた。
だがたった15年ほど前に人間界の勇者一行を先陣とする対魔王多種族連合軍が魔界に侵攻し、大戦が勃発する。
連合軍は勇者一行の戦士と盗賊という2人の『伝説』を失いながらも魔王軍を打ち破り、残った3人の『伝説』と人間族の王は人外種族に魔界を分割し、土地を与え従わせ、この世界を統一するに至る。
魔族滅亡の間際、魔王と彼の右腕の魔神は幹部たちを城から逃がし魔族の血をなんとか遺そうと図らった。
その幹部の1人『魔猿』は自身の仲間たち、さらには混乱の中に親と別れたたくさんの稚児たちを保護し、人間界の山林深くへと身を寄せ、『魔猿の里』を作りひっそりと平和に暮らした。
それから平和な時代が続いていたが、人間界の王は再びかつての勇者一行にとある罪深き命令を与えてしまった。
【仲間を補填し、魔族の生き残りを駆逐せよ】と。