6話:フェルの魔法講座
ゴブリン達を倒した後、俺達は森を抜けて辺りが見渡せる高台の場所で昼飯にする事にした。
俺は【異世界収入】から【パン】と【コップ】に【水】を入れて、豚串と牛串を5本ずつ出してルーシーとフェルに2本ずつの計4本とパンを皿の上に出して渡した。
ルーシーは我先に口いっぱいに頬張り食べ始めたが、フェルはこちらをチラチラ見ながら何か言いたそうな、顔でゆっくりと食べ始めた。フェルの視線を感じて俺は語り始めた。
「そう言えば俺は異世界人だから」
『『ブフォォォォォォォォ!ゴッホン、ゴッホン』』
ルーシーの口から大量のキラキラ光る肉の塊が俺に向かって、吐き掛けられて俺の身体は見事にキラキラにまみれた。
『ちょっとベル、私のお肉どうしてくれんのよ、勿体ないじゃない』ご自慢の無い胸を張っりルーシーは御立腹で言い出した。
「言いたい事は、それだけですか?」
俺は、頭の先から足先までルーシーの口から放たれたブレスで只今、絶賛肉祭り開催中だ。俺は沸き上がる感情を抑えるのに必死だった。
『やっぱりアンタ、異世界から来たの?』
『そこじゃないよね。お姉ちゃんまずは、ベルさんに謝ろうか!』
ルーシーは妹のフェルに怒られて、しぶしぶと納得いかない顔で……
『でも……だって……ベルが……わるいアッ!…ご、ごめん。すみません』
残りの肉を【異世界収入】にしまおうとしたら、ルーシーが慌てて謝ったので取り敢えず許すことにした。俺の全身は、まだ絶賛!!肉祭り開催中なので木の影に隠れて濡れタオルで体を拭き替えの服に着替えた。
風呂に入れれば良いのだが、この異世界で風呂に入れるのは、王族・貴族・成功した一部の商人ぐらいで、普通の冒険者ではまず入れないらしい。だが…日本人の俺には、風呂無し生活など耐えられない……いつか対策を考え無ければ。
着替え終わった俺は、昼飯と先程の会話の続きをし始めた。ルーシーとフェルに秘密にして、こそこそするよりもお互いに足りない知恵を補う方がいいと思ったからだ。
「ルーシーとフェル聞いてくれ、俺の事だから隠していても、すぐにボロが出と思うから正直に話すよ。2~3日前にこの世界に来たばかりでこの世界の常識が全くわからない」
俺が着替えてた間に食事を食べ終えた。ルーシーが自信満々で語り出した。
『やっぱりね!こんな可愛い天使を二人も見てリアクションが薄いから、変だと思ったのよね。』
『ベルさん通訳しますと。こちらの世界での天使の役目は、天界からの使いで人々から尊敬崇められる存在なのにベルさんの反応が薄かったから』
ルーシーの言葉をフェルが説明してくれた。さすが出来る子。
「えっ?もしかして?!ルーシーとフェルが街の中に入ったら大変な騒ぎになるの?」
『ハイ、このまま入れば騒ぎになります。でも翼を幻覚魔法で隠せば大丈夫ですよ』
「『幻覚魔法?』」
何故か、ルーシーの頭にも?が付いてるが気のせいだよね?。そのままフェルがこの世界の魔法を教えてくれた。
簡単にまとめると、この世界の人間は1つ以上の基本属性を必ず1つは持っていて、2つなら10人に1人3つなら100人に1人……6つなら100000人に1人でかなり珍しいらしい。
基本属性は表と裏に分かれて表が【火・風・水】で裏が【光・闇・地】で表裏ごとに、三竦みの相性があり使える属性の数が多い方が有利に戦える。
表・裏と2属性魔法では、相性の力関係はないそだ。
【表】
火
↗ ↘
霧 ↗ ↘ 爆
↗ ↘
(氷)水 ←ー←ー← 風
雷
【裏】
無
光 →ー→ー→ 闇
↖ ↙
幻 ↖ ↙ 精
↖ ↙
地
2属性魔法とは2つ以上の属性を使う魔法で代表的な属性が、爆・雷・霧・無・精・幻の6つだ。
【表】
◾爆発属性:可燃性のガスを風魔法で操り火魔法で引火させ大爆発させる。
◾雷属性:氷の結晶を風魔法で操り擦り合わせ摩擦で静電気を作り電気を操る。
◾霧属性:水魔法の液体を火魔法で蒸発させて操る(毒性の液体、腐食性の液体、その他)その性質を持った霧になる。
【裏】
◾精神属性:闇魔法で土に闇の性質を持たせ、地魔法で人形・物(装備品)を作り、操りたい人物の魂(体の一部)を人形・物のに込めて意のままに操る。
◾幻覚属性:光魔法で砂に光性質を持たせ、地魔法を操り無数の鏡の様に光を歪めて幻覚を作り出す。
◾無属性:対象物の光と闇を奪い存在そのモノを無に還す。
フェルの話では、幻覚属性の魔法で翼を見えなくする事が出来るので街に入るのは問題ないらしい。
読んで頂いてありがとうございます。
感謝感謝です。