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26話:1度ある失恋2度あるもの?

読んてくださっでありがとうございます。

ブックマーク・評価頂ければ嬉しいです。

 

 試験会場は、とても賑わっていた…

 なぜなら俺達トリベルが勝つ簡易勝利予想だけでもオッズが238倍付いているのだ。簡単な話しが、トリベルが勝つ方に金貨1枚賭けて俺が勝てば金貨が1枚が238枚になって帰って来るのだから観客の声援の熱が上がる理由が分かる。血走った声援の殆どが1階の酒場でマックスがエールを奢った冒険者達だった…

 ちなみに殆どの人がエルフの絆の勝利に賭けていた為、エルフの絆が勝ってもオッズは1.3倍だった。その為に俺に対してのブーイングの嵐と熱の入った応援で会場は賑わっていたのだった…

 だが1番、熱の入った応援と言うか、もはや呪いに近い声援はすぐ後ろの選手控え室からのダメな天使…イヤ、鬼のルーシー軍曹の声援だった。隣の出来る方の天使フェルは、何故かコチラに全く目を合わしてくれないのだが…。きっと気のせいだよね!そうであって欲しいのだが、それもそのはず簡易勝利予想のオッズでこの騒ぎだ、俺が4連勝するのに唯一1人だけ賭けたルーシーのオッズは、何と2436倍だった…金貨1枚(10000円)が2436枚(24360000円)になって帰って来るのだから…鬼のルーシー大佐に成るのも当然の結果である。


 悲しいけどコレ、ギャンブルなのよね…


『それではトリベルの最終試験を開始するミミ。トリベルからは引き続き、期待の新人ベル選手ミミ。そしてエルフの絆からは魔法剣士アデル様…』


 司会進行のバニーちゃんが語尾のミミを忘れ、イケメンエルフのアデルを見つめていた…そんなアデルはバニーちゃんのこと等、気にも止めず俺の前えと駆け足でやって来て深く一礼した。


『先程は、私共の仲間のエトが、大変失礼致しました。ですが、今からは試験ですので全力でやらさしてもらいます』


 イケメンスマイルで正々堂々宣言された…(あらぁやだ!奥さん?!なに?!このイケメン!)危なく変なスイッチを押され心の声が漏れる所だった。


『試合開始…』


(アデェ?ゴビガ…キコエテコナイョ…)

 イケメンのアデルに目を奪われたバニーちゃんが又もや語尾を忘れてる…?モテない男の虚しい心のツッコミが終わるよりも早く、アデルは俺に剣を上段から振り下ろしてきた…

 マックスの剣に比べれば剣速が早くない為か【全てを学ぶ者】で剣筋が理解できたが1%の力で避けるには速すぎる。だが100%の力で一歩避ければどうなるか?当然場外の壁に刺さるだろう〜!そんなのバカな俺でも分かる。(涙)俺は腰の木の棒を抜き、全力でアデルの剣を受け止めた。


  カラン!ガラガラ!


『バカな…私では…実力が違い過ぎると言うのか?』


 何故か、攻撃した筈のアデルが剣を落とした…

 鉄の棒で硬い壁を全力で叩けば手が痺れる!そんな当然の事バカな俺でも、ウン。ケイサン ドウリデスタ…


『ベル選手が卑怯な手でも使ったのでしょうか?アデル様がんばってオッサンベル負けろ!』


 アレ?司会と審判をやってるバニーちゃんの語尾が俺の悪口になってない? 大丈夫…俺泣いてない?

 振り返るとアデルは痺れた手で剣を拾い、詠唱し始めたのだった…

『炎の精霊よ 古の契約に従い 我が剣に宿りて 敵を焼き尽くせ フレイムソード』


 アデルの鉄製の剣は真っ赤に燃え上がり触れれば火傷じゃ済まないだろう…アデルは痺れた手で剣を右上から袈裟斬りにし俺は恐る恐る燃える剣を受けた為か、両方が自然に力を抜い為に鍔迫り合いの状態になってしまった。

 マズイこの状態はじつにマズイ最高ランクで折れないとわ言え、そこらへんに落ちている木の棒を強化しただけなので、燃えないはずが無い…木の棒にアデルの燃える剣が当たる場所はゆっくりと黒い煙を上げ黒く変色していった…このままでは木の棒が炭に進化するのは時間の問題だろう、そうなれば間違いなく俺は大火傷では済まないだろう…焦った俺は全力で剣を真上に振り払った。


 ドゴーーーーーン


 さいわい、鍔迫り合いで木の棒の真上に合ったアデルの剣だけをダンジョンの天井へと吹き飛ばした。その光景にアデルは勿論、バニーちゃんも観客全て目を疑った!30メートル以上有りそうな石の天井に剣が根元まで刺さった有り得ない光景に…


 あんな上に根元まで刺さっていつ落ちて来るか分からないし、危ないから抜こう!俺は少し焦げた木の棒を右手に持ち、左手を天井の剣に向け【アイテムコレクター】を使用し俺の手元に剣を引き寄せそれをアデルに渡そうとしたら、アデルは困惑した顔で俺を見つめた。


『私に抜けない剣をアナタが抜いて、私がそれを受け取れば私はアナタに忠誠を誓う事になってしまう。私はエルフの女王に生涯変わらぬ忠誠を誓った身!その剣は受け取れない!』


 えっ?どうやら?俺の気づかない所でイケメンエルフにかってに告って秒で振られた結果になってしまったのだが……これだからイケメンエルフはイヤだ(涙)


『アデル様、残念でミミ!!え〜っとホント残念ですがベル選手の勝利でベルコケろ!』


 語尾に強弱の?クセのあるバニーちゃんが勝利宣言をしてくれたのだが、アレ?なんだろう?


 このもの凄い敗北感は!


 勝負に勝って人生に全敗した…






今年1年ありがとう御座います。

読んでくださった皆様、全てに良い年で有ります様に!!!!

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