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23話:愛と勇気には縁が無いですが、節穴は標準装備です。

1話から少しずつ書き直してリフレッシュしてます。読みにくい所が有れば教えて下さい。


『その装備からして戦士系だと思いますが、武器を抜いて攻撃しなくて大丈夫です?魔法使いと戦士の戦いなら、戦士は魔法使いに詠唱させないのが基本ですよ』


20メートル離れたエトさんが心配して俺に声を掛けてくれた。やっぱり良い人だな〜普通に考えたら初期装備の俺が上級冒険者に戦いを挑む時点で頭おかしい奴だと思われても、おかしくないし魔法使いに詠唱させるなんて以ての外なのだろう。


「ハイ、大丈夫です。適当に避けるので、呪文の詠唱をして打って来て下さい」


『フンッ。私も舐められたモノですね。アナタ方、初心者の冒険者では知らないだろうけど、この杖の先端には火属性の魔石にファイヤーボールの詠唱を刻み込まれていて、魔力を注ぐだけでファイヤーボールの魔法が発動する魔導具なのですよ』


舐めたつもりはこれっぽっちも無いのだが、どこか誤解が有るのか?エトさんは眉間にシワを寄せながら親切に、観客席には聞こえない小声で俺にだけ説明してくれた。


「へ〜そうなんですか。魔導具なんて初めて見ましたよ」


『ホントに分からない人ですね。アナタが私に襲い掛かって来た所を至近距離で魔導具のカウンターを喰らわせて私が華麗に勝利するシナリオなのに。雑魚すぎて敗者のシナリオも理解出来ないとは、ゴミ過ぎる』


あれっ?何か誤解が酷くなってる?エトさんは凄くイライラしながら俺にしか、聞こえないようにアドバイス?してくれた……?えっ?エトさん?


バカにしたつもりは無いのだが、急いで誤解を解かないと、う〜ん。どこだろうか?

まず俺は、戦士系・武闘家系・盗賊系の様に体を主体に戦うタイプの職業じゃないし…だからと言って魔法は使えるが、魔法使い系・僧侶系の様に魔法を主体として戦うタイプの職業でもない……遠距離武器も使えないし、あれ?俺のこの世界での職業って何? 何を主体で戦うの??

冒険者は、お金を稼ぐ手段で登録した人は冒険者になるから、何か違う気がするし。 俺の 職業何……異世界の神って職業?


『掛かって来ないのなら、もういいです。速やかに負けを認めなさい』


考え込んでいた俺に対して、痺れを切らしたエトさんは 俺に杖を向けて魔力を注ぎ込み、杖の先からバスケボールぐらいの大きさの火の玉を俺に向けて放った。


スキル【全てを学ぶ者】の熟練度が上がったのか?火の玉のスピードが、スローモーションの様に感じられ。火の玉の中心にある魔力塊の流れも理解できた。

魔力塊は、毛糸玉をゆるく固結びした様な感じで簡単に解けて魔力の塊を無かった事にできそうだ……

〘魔法名:マジックキャンセル〙まさかの創造魔法を閃いてしまった。ま〜折角だから使ってみよう。俺は左手の掌を火の玉に向けて覚えたての魔法を唱えた。「マジックキャンセル」


音も無く火の玉は、まるで複数の絡まった糸が解けるが如く、散り散りに宙を舞って消えた。


『そ、そんなバカな。人間風情が魔力を無に還す無属性魔法をしかも無詠唱で使えるなど、断じてあり得ない。いや決して有ってはならない。何者だ?』


エトさんは興奮しながら俺に質問したが、その質問は俺が聞きたいよ…


「自分でも分からないけど、たぶん装備からして村人かな?もしくは遊び人とか?」


『バカにするのもいい加減にしろ!!質問を疑問文で返すな。150年間も魔法の研究を一筋にして来た、エルフの私でも使えない魔法を下等種族の人間が、ましてや村人や遊び人などが使える筈が無いだろう』


エトさんは俺の言葉に完全に切れて、大声で罵声を怒鳴りながら杖を振り回し俺に向けて火の玉を3つ放った。左手の【空間支配の腕輪】に意識を集めて、俺から半径10メートルの空間に限定して「マジックキャンセル」を唱え3つの火の玉を無効化した。

空間指定したせいか先程よりも多くの魔力を使用したようだが、今の俺には全く関係ない。


『範囲指定を…ふざけるの大概にしろ!!!ゴミや家畜みたいな人間がエルフの賢者や上位魔法使いの一部しか使えない上位高等魔術を無詠唱だと何の冗談だ』


エトさんの言った範囲指定は空間指定の下位魔法だがエトさんにはそう見えたらしく、さらに大声で罵声を叫んでいた為に観客席からはいつの間にか女性達の黄色い声援は悲鳴に変わり、次第にヤロー達の野太い声に変化していった。


司会のバニーちゃんは試合の実況よりも観客席に向けて『危険ですので!物を投げないでください!』っと必死に声掛けをしてエトさんに投げ付けられているゴミから庇ってくれているのだが、今のエトさんには誰の声も届いかないのだろう、先程から何やらブツブツと呟いて今にも発狂しそうだった。


『母なる大地は 我の唯一無二の女神なり 我の求めし祈りに応え 我が敵を打ち砕け…』


エトさんの周りに石が集まり大きな一塊の岩になっていった…

流石に魔力を岩に変化させたモノはマジックキャンセルでも無効化できないだろう…


『これは防げないだろ?上級地属性魔法:ガイヤバレット』


先端が尖った岩が、俺を目掛けて飛んできた…う〜んそうだ!岩だし落とそう!

俺は岩に向けて左手の掌を構えて、重力の重さを増やすイメージで創造した……〘魔法名:グラビティコア〙

「グラビティコア」俺の手のから野球ボールぐらの黒い玉が岩に向けて飛び出した。

黒い玉が当たった岩は激しく地面に叩き付けられて粉々に砕け散った。


『なんだよ!あり得ない!重力魔法だと?エルフの大賢者様しか使えない魔法をお前ごとき○☆×#…ガハッ』


エトさんの罵声は禁止レベルまで達したが、エルフの絆のリーダーに腹を殴られて気絶した。


『会場の皆さんそして、ベルさん仲間が不快な思いをさせて、誠にスミマセンでした。エルフの絆のエトは、失格とさせて頂きます。』


エルフの絆のリーダーは観客席や俺に深々と頭を下げて謝罪し、気絶したエトさんを連れてステージを降りた。


『勝者!ベル・ウッドスカイ!!ミミ』真っ赤な顔でモジモジしながらバニーちゃんが俺の右手を上げ勝利者宣言をし観客席から盛大な声援が上がったのだが、声援の全ては何故か、エルフの絆のリーダー対するモノだった……


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