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18話:最強の……


突然、木の陰から出てきた男は20代後半ぐらいの長身でロングコートを羽織り、山賊と呼ぶは小綺麗だが、騎士と呼ぶは余りにも小汚なく、腰にはキラキラと装飾された短剣だけをぶら下げていた。


『盗賊の方が私達に、なに用ですか?』

その風貌(ふうぼう)からフェルは盗賊と判断したようだ…


『オイオイ、胸の大きなお姉ちゃん、俺ちゃんは山賊でも盗賊でもなくFランクの冒険者だ』


『何だ、私達と同じ駆け出しの冒険者か』


『いや、お嬢ちゃんには言ってないがな』


『ムキ〜 私の方がフェルよりお姉ちゃんなのに』


どうやら男は、俺達と同じく最低ランクの冒険者らしく薬草採取のクエストをサボって昼寝をしている所、俺に起こされたらしい。本当に申し訳ない…?


『そんな事より、お姉ちゃんの背中の翼は本物か?天界からの使者なのか?それとも鳥の亜人?』


『違うわよ、私達を鳥の亜人なんかと一緒にしないでよ。私とフェルは双子で天界を追放された堕天使なのよ』


『お嬢ちゃんには聞いてないけど、わざわざ説明してくれてありがとうな』


天使で有ることを隠す為に普段、街に入る際にはルーシーとフェルの翼には、土魔法で砂を付けて、その砂に光魔法で鏡の様な薄い膜を貼って光を反射・屈折させる事で透明にする2属性魔法の幻術属性『ステルス』を使っているのだが、さっきの岩壁までの競走で解除したままだった…

それを、見た男の質問にウチのアホ天使が聞かれてないことまで全部、綺麗に吐いた。その際に俺とフェルには、なぜか頭痛が痛い謎の症状に襲われたのは言うまでもないだろう。


『そこで、相談なんだが俺ちゃんもパーティーに入れてくれないか?絶対に損はさせない、あんたがパパで俺ちゃんがママで毎晩ケツの穴を犯してもいいからよ。なっ、頼むよ』


「却下! 俺にそんな特殊な趣味ないし、罰ゲームを通り越してもはや拷問じゃねーか!」


『俺ちゃんもそんな趣味ないが、それぐらい叶えたい夢があるんだよ。その為には冒険者のランクを上げて、国の図書館に高ランクの冒険者しか見ることが許されない魔導書で調べないとなんねぇの、それに堕天使のお姉ちゃんと一緒に居れば本物の天使に会える確率が高いだろう』


『どうしても叶えたい夢とは、天使に会うことなのですか?』


『否、そうじゃない。俺ちゃんも男の子だから叶えたい夢の1つや2つぐらい有るよ。例えば脱ぎたてホカホカのギャルのおパンティーとか……』


『……』


男の答えに、フェルがまるで汚物を見るかの様な目で、無言で引きつった笑顔で応えた。ヤバイ!あれは間違いなく危険信号だ!

この異世界でもパンティーを7つ集めてもどんな願いも叶うわけが無いからね、むしろ集めるごとに人として色んな物を失いそうなのだが…


『それに干物みたいに干からびたバーさんに、あんた達に付いていけば望みは叶うって言われたんだが、あんたの知り合いか?』


男の質問に、そう言えば俺も占いババに災いの相が出てるって言われたのを思い出した。


『そんなバーさん知らないわよ。そんなに言うんならベルに勝てたら考えてあげる』


「オイ、勝手に決めるなよ」


ルーシーのいきなりの提案に慌てた。なぜならさっきの訓練でステータスは何となく理解できたが、初の対戦で手加減なんて、まずできないからだ。


『大丈夫だって、ベルが負けるはずがないじゃない』


ルーシーの態度が訓練前とは、えらい違いなのだが…当てないように気を付ければ大丈夫だろう。そう思いながら俺は見様見真似で剣道の構えの様に木の棒を正面に構えた。


すると男も短剣を抜いて構えた。


『チョットオッサン!その短剣で本気で戦う気なの?』


男の短剣を見るや、ルーシーが凄い剣幕で怒鳴った。それもそのはず短剣は根元近くから折れていて、ほとんど刃の部分が無かったのだから。


『俺ちゃんの武器はこれと下半身のロングサーベルぐらいだから。その前にオッサンじゃ無いから!俺ちゃんの名はマ……あっそうだ俺ちゃん家名も名も、1年前に白い体液と一緒にティシュに包んで捨てたんだった』


『私でも今の発言がセクハラで訴えたら勝てるレベルだって分かるのよ。もういいから、さっさと初めちゃって』


男の言葉にルーシーは面倒くさそうに戦闘開始の合図を出した……




サクッ ボト



勝負は、ほんの一瞬だった……



「えっ?まいりました。」


《SSS》ランク以上じゃなければ破壊不可能なはずの木の棒が簡単に切られ木の棒は眼の前の地面に転がり落ち、男の持つ蒼白く光り輝く剣が俺の首真横でピタリと止められた。


『そうだな〜最強の剣士を目指すマックスとでも名乗っておこうか…』




明日は2回配信予定です。


良かったら気軽に読んで頂ければ幸いです。

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