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17話:特訓開始!?

 

 最高時速400キロ出せるF1マシーンをペーパードライバが一般道でアクセルをベタ踏みすればどうなるのか?

 

  そんなのバカな俺でも簡単に想像できる…



 でっ……そんなバカな俺が何故に壁に刺さっているのかを説明させ……いや言い訳させて欲しい……


 ☆ ☆ ☆ ☆


 時を遡ること数時間前……


 俺はルーシーとフェルに強制連行され連れてこられた場所は、岩山と大きな木々が生い茂る森の広場だった。


『さー殺るわよ』


 そこには鬼教官ならまだ救いはあったが、目の前に居たのは、ただの鬼だった……鬼だった…

  二度見して確認したが、鬼のルーシーは俺に槍の先端を向け盾を身構え、今にも俺に飛びかかりそうな勢いだった。


「ちちょ、ちょ、ちょっと待て。いきなり実戦かよ?」


『そうよ。この世界はベルが思ってるほど甘くないのよ、権力・財力・腕力がない人間は死ぬまで奴隷のように惨めに働くか、モンスターのエサぐらいしか道はないのよ』


  ルーシーの言っている事は間違いなくこの世界での常識では正論だが、今までまともな喧嘩もした事の無い俺が、いきなり武器を持って戦うなんて、無理。絶対に無理。チキンの俺はもの凄く慌てた。


『何を、そんなに慌ててるのよ。でも、あんたに鬼と想われようとも巨乳の美人だと想われようとも、ベルアンタにそんな風に成って欲しくないから、せめて自分の身は自分で護れるくらいに強く成って…』


「例え、どんなに酷い拷問を受けたとしてもルーシーの事を巨乳の美人だとは、間違っても思わないから安心しろ」


『ベルのくせに!チョトぐらい。想っくれてもいいじゃないのよ…』


  ルーシーは、頬を赤く染め、まるで赤鬼の様に膨れた。


『そうですね~では…ベルさん、あの岩に向かって得意な魔法を使って見せてください』


  フェルが指差したのは20メートルぐらいの大岩だった。


「得意な魔法?」


 … … っても俺に使える魔法は1つしかないのだが。【創造魔法】この魔法は、俺が思ってたよりも万能では無かった。 頭の中でしたいことを創造すると魔法名が思い浮かび、それを唱えるとで創造した事が魔法として現実に起このだが、例えば……元の世界に帰ることをいくら創造しても魔法名を思い付かなかったのだ。魔法名を思い付かなければ当然、魔法を唱える事ができない。


 でも、この【創造魔法】は間違いなくチートだと思う…


  いきなり20メートルの岩ってデカくない?っと思いながらも俺は、右手を岩に向けて伸ばしダイナマイトの爆発を想像し、それが弓矢の速さで飛んでいくのをイメージし創造して見た。


 〘魔法名:ニトロアロー〙魔法名が頭に浮かんだのでそのまま気軽に唱えて見た…


「ニトロアロー」


  俺の右手からオレンジ色の小さな矢が飛び出し大岩の真ん中にまるで、水に落としたコインの様に大岩の中に消えて行った…

「えっ?終わり?不発かよ!」その言葉が頭に浮かび、言葉が俺の口を出るよりも早く、20メートルの大岩よりも一周り大きなオレンジ色の花火の様な閃光がピカッと光り、ヤバイと感じる頃には『ドーーン』と大きな爆音を耳だけでは無く全身に感じ、粉々に砕け散った大岩の欠片が入り混じった、もはや音とは呼べない爆発音が衝撃波となり辺り一帯の細い木々をへし折って行った。


『『…………』』


  その光景を見たルーシーとフェルは口を大きく開けた、まま固まってしまった。


『そ、そんな、ベルさん爆発属性の魔法を僅か1工程で、しかも私達の2重詠唱の魔法よりも威力が高い魔法を、詠唱を唱えずに魔法名だけで発動させる無詠唱魔法でだなんてあり得ない……』


  フェルは、何やらブツブツ呟きながら再度、固まってしまった…


『ベルなかなかやるじない。次は武器であの大木を攻撃してみなさい』


  ルーシーが指差したのは太さ5メートル以上はありそうな大木だった。武器で攻撃しろと言われてもな、そもそも俺は武器なんて物を持った事がないでそこらへんに落ちてる木の棒を拾って【神の手】を使い木の棒を強化した。


『え?何今の光?ベル、今何したの?』


「あ〜俺なりに折れない工夫をしてみた」


『工夫って何よ教えなさいよ』ルーシーが詰め寄ってきたが話せば長くなりそうだし、何より、めんどくさいのでスルーした。ちなみに調べたら…【木の棒】《SSS》そこら辺に落ちているなんの変哲もないただの伝説の木の棒。


 …説明がもはや意味不明である。


  構え方を知らない俺は大木の前まで行き、野球の素振りの様に木の棒を全力でフルスイングし大木を殴りつけた。『ドーーン』っと大きな音を響かせ大木は愚か、大木が生えていた地面ごと吹き飛んで行った。


『………』


  《SSS》ランクの武器を破壊できるのは《SSS》ランク以上の武器だけの為か【木の棒】は無傷で無事だったが、ルーシーが口を大きく開けたまま固まってしまった。


『ベルさん次は、あの岩の壁まで競走です。お姉ちゃんボーっとしてないで早く準備して』


  大木が砕けた大きな音で我に返ったフェルが自身のあるスピード勝負を挑んできた、意外に負けず嫌いなのね。

  壁まで100メートルくらいあるが。えっ?まさか?フェルさん?もしかして競走なのに二人で飛ぶ気じゃないよね?


『『ヨーイ ドン』』


  戸惑ってる俺を残し、ルーシーとフェルは羽根を羽ばたかせ不意討ちのフライングスタート、それに焦った俺は右足で思い切り地面を蹴ったが、左足が地面に付くよりも速く、ゴールの岩壁に『ドーーン』っと大きな音を打ち鳴らして、壁よりも防御力が高いのか無傷で突き刺さった結果となった…


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 レベルが1から99に急激に上がった為に、魔力・力・スピード・防御力の加減が全く出来ず壁に刺さる結果となった。そのため今朝、宿屋のドアノブを破壊してしまい、辞書並みに分厚い俺の黒歴史の1ページを更新してしまった……。

  だが納得でない、それぐらい少し考えれば分かりそうなのに…魔力・力・スピード・防御力のステータスが上がったのに知力は全く上がって無いのか?


 ……まさか?脳筋に感染したのか?


  冗談じゃない。趣味:ひきこもりの俺が脳筋に感染してしまったのなら、真夏の閉め切った部屋でのひたすら筋トレは毒ガス工場も真っ青なくらいの部屋環境破壊に繋がってしまう。

 真夏の密室毒ガス殺人事件などテクノブレイク(※お母さんの居ない所でググってね)並に笑えない。


  俺は岩壁から抜け出しルーシーとフェルを見たが二人とも口を大きく開けたまま固まっていた。俺も固まっりたいよ…




『オイオイ、人がせっかく採集クエストをサボって気持ちよく昼寝してたらドンドンドンっとうるせぞ、俺ちゃんママのイビキに比べたら、まだマシな方だがよ』


  突然、木の陰から一人の男が姿を現し話しかけて来た…


『オイオイ、何をボーっとしてる?今の笑う所だぞ。今ので笑わなかったらもう笑う所ねぇからな』


 謎の男の言葉に俺は苦笑いするしかなかった…


4日間で5話配信予定です。良ければ読んでください。

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