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朝の会が始まるのでお片づけして下さい
女神様は言いました。
「お前ら異世界に行って保育園、保育所保育指針を国民に学ばせろ。どうせ暇だろ? え? こっちの人手が足りない? いや、お前らもうこっち側じゃなくなるんだから関係ないだろ、社畜かよ」
女神様のお父様が言いました。
「惠子、お前も行け。何時まで家にいるつもりだ。大学を卒業し、仕事したと思ったら、急に辞めて引き込もってらからに、母さんも心配してるんだからな…」
なんやこれ、幼馴染と仕事を終え、明日の行事の話をしながら帰宅している所、急に変な場所にワープしたのだ。
そして、意味のわからない自称女神の惠子さんと、そのお父さんが喧嘩しているのだ。
幼馴染の継人とその場面を無表情で見ていると、女神の惠子さんが泣きながらこっちへ歩み寄って来る。
「私も行きます」
「え、あ、うん?」
「とりあえずさ、俺ら戻してくれません?」
「無理です、ごめんなさい。私もそろそろ仕事をしなくてはなりませんので」
さっき迄のウザい態度とは違って、暗くボソボソと喋る惠子さんを見て俺らは多分戻れないことを悟った。
変な場所にワープさせられた時点で俺は悟った。