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突然の出来事って怖いですね

「なんで、顔が膨れ上がってるの?」

 日曜日、朝の十二時。

 いつもなら休みという事で眠りに眠ったり、まだよく知らない町を探索をしてみたいと思っているだろう。

 しかし、今のオレは体中が悲鳴を上げており、今日の予定は眠るというよりかは安静にしておくと言った方が今の状態にあっていた。

 体の悲鳴はアルバイトをして疲労困憊、夜更かしをしていて倦怠感がある。というものではなく、暴力により物理で痛めつけられているのだ。

 誰にやられたかって?それは鬼よりも怖くて、怒っているときに近づいたものは容赦なく灰にしてしまう最強の者だ。

 実は嘘である。本当は双子の妹にやられたのだ。

「私の話し聞いてるのー?」

 不満気に呟くミチに生返事をする。

「や、やめろ!聞いてる!聞いてるから布団の中で足をバタバタさせるな!上手い具合に、昨日執着的にやられたみぞおちに入ってるから!」

 オレが必死にそう言うと、ミチはしょぼんと肩を落とした。

「うー、ごめんなさい」

 オレは一緒に寝ているミチのサラサラの水色の髪を撫でる。こういう子供に欲情してしまう大人が自分には理解できない。

 溜め息を漏らしつつ、折角の休みのはずなのに寝ていることしか出来ない事に対して嫌悪感を抱きつつ、あの女のことを恨む。

「ようやく目を覚ましたか」

 女の声なのだが芯が通っており少し低い声がドアの方から聞こえる。ピーシーちゃんこと千春先輩と同じようなきがするが、こんなにハキハキと話さないし、第一にオレの部屋にいたらおかしい。つまり、まったく聞き覚えの無い声だ。

「どちらさまですか」

 欠伸をしたあと、一応社交辞令であるあいさつをしておく。

 前にオレは、動じない事を心の奥底で誓った。ここらへんの住人は変人しかいないので、いちいちリアクションをとり、オレの少ない休憩時間が無くなって欲しくないのだ。

 眠い瞼を上に持ちあげ、話しかけてきた女のほうを見ると、セミロングの金髪に碧眼の鋭い眼が光っており、メイド服を着ている女がいた。

「アタシの名前はプリズン。貴方のメイドになるためにきた」

「美味しそうな名前みたいな人、オレは忙しいから後にしてくれ」

「プリンではない!プリズンだ!それにアンタは寝るだけであろう」

「オレは安静しておかなければならないのだ。急におしかけてきて、メイドになるって。こっちには中二病に無口な機械、恋のキューピット気取りとマッドサイエンティストと不思議な幼女と汚い百合、とまぁ、お前みたいなやつが来たところでどうじねぇよ。さぁ変人は帰った帰った」

「その要請は拒否をして、こちらの意見を無理矢理許可していただくぞ」

 無視をして寝返りをうつと、首筋に冷たいものを感じた。

「今、アンタの頚動脈に刃物をあてている。少しでも動けばこの部屋が赤く染まるぞ」

 今まで会って来た中で一番頭が湧いているかもしれない。布団の中でオレの手を握っているミチの手が小刻みに震えている。

「はいはい、もうお好きにどうぞ。だから刃物をしまえ」

「ものわかりがいいな」

「そりゃあ、もうすでに色々な事を受け入れてるんで。でも百合は認めないぞ」

「何を言っている」

「こっちの話だ」

 首筋から冷たい感触がなくなると、ミチがオレの背中に抱きついてきた。本日で二度目の頭を撫でた。

「それで、お前の目的はなんだ」

 もう一度寝返りをして、寝転がったままプリズンと目を合わせる。

 一つの部屋で女の子に抱きつかれながら寝転がり、金髪の武装したメイド服を着ている女が正座をしながら会話をするというとてもシュールな光景である。だれか突っ込みを入れて欲しい。

「上の者に言われてこちらへと来た。アタシの任務はアンタを強くさせることだ」

「もう少し、こちらの世界の人にも理解できるような会話をしてくれ。それかお前も連先輩の類なのか」

「さっきからこっちは、アンタの言動に我慢をしているのだ。今にでもお前の態度を治すために殴りたいところなんだが、耐えているのだぞ」

「暴力反対~。そんじゃあ質問、なんでメイド服なんだ」

「そ、それは……」

 急に頬を紅くして、下を向きながら太ももを擦り始めた。

「それで、理由は?」

「上の者がこれを着ていけば思春期の男はイチコロだと言われ、仕方が無く着ているのだ!もともとアタシはこんなヒラヒラとした服装など戦闘の邪魔になるだけで、嫌っている!いつもこんな服装をしてると思うなよ!」

「お前のファッションなんてどうでもいいよ。それに全員が、その服装に対して欲情などはしない。素直に着るお前は馬鹿なのか」

 金髪の女は下を向き、急に黙り込むと、肩を震わせ拳を強く握っていた。

 今までの経験上、この状態から良い方向に転がった事など一切無い。

 一瞬だった。

 太ももの奥に隠し持っていた裁縫針のようなものをオレの目に投げてきた。反射的にそれを掴むと、ミチがベッドの上から部屋の隅っこに投げられていることに気がつく。オレはミチを助けるために立ち上がろうとするが、邪魔をするようにプリズンがオレの上体にまたがってくる。間髪いれずにプリズンはオレの首もとに向けて、さっきまで持っていなかった脇差で一刺しする。

 なんとか首を曲げて避けたが、追撃するようにプリズンは脇差を振り上げた。

 オレはすぐさまプリズンの太ももを探り、隠し持っていた裁縫針を数本抜くと、間髪いれずにプリズンの顔に向けて投げつけた。

 プリズンが一瞬驚いた時に、痛めている体の全力を出してプリズンと立場を逆転させ、攻撃されないように両手の手首を掴んで動けなくする。

「はぁ、はぁ、危なかった。さて、大人しくしてもらおうか」

「さっき、なにをした」

 未だ顔を赤くしながら睨みつけてくるプリズンは何故か涙目だった。

「何をしたって……ただ襲ってくるお前を対処したまでだ」

「仕方だ!どうやってアタシを驚かせた!」

「お前の太ももから針を取り出して投げつけた」

「それをアンタはさも当然のようにやったよな」

「まぁね。あ、もしかして恥ずかしかった?まさかお前がそんなふうに乙女の恥じらいをしてくるとは思わなかったわ」

「アンタにアタシの何が分かるって言うんだよ!」

「一応乙女だと言う事ぐらい」

 オレが鼻で笑いながら言うと、女はめんどくさくなったかのように溜め息をした。

「アタシの負けだ。ここからアンタに、今のアタシの状態や服装、装備から逆転することは無理だ」

 オレはプリズンから退くと、ミチのもとへと向かった。ミチは気を失っているものの、目だった外傷は無かったので胸を撫で下ろす。

「あ、そうだ。お前は顔大丈夫だったか?」

 一応プリズンの方にも声をかけてみると、無視をされた。心に小さい傷を負った。

 プリズンは無言のままオレの部屋から出て行った。



 数十分後。プリズンは大きな荷物を抱えて「住ませてもらう」と言って部屋にズカズカと入ってきた。

サブタイトルは物語の方ではなく、リアルであったことに対してですw


金曜日に体調不良で休んでしまい、金曜日の午後六時ぐらいに友達から連絡で知らされた出来事です。

実は自分、高校で代議員を務めたんです。

そして明日の月曜日は開校記念日で休みのはずですが、代議員だけ高校に招集されたのです。

つまり、休みじゃないんですよ!遊ぶ時間をとられたので驚いてます。

ノリとテンションで委員会を請け負うのはやめといたほうがいいと反省しましたw

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