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プロローグ~始まりの朝~

あらすじを見てから読んでくれると嬉しいです。

 昔々あるところに杖を持った老人がおりました。

 老人はある村に出向き、儀式を行いました。

 一週間にもわたる長い長いものでした。

 老人はこの儀式に全ての力を注ぎ、そして帰らぬ人となりました。

 その村の人々は身体のどこかに【ナンバー】という数字が刻まれました。

 村の人々は特殊な能力をもつようになり、村同士で起こる紛争を止めることができました。



▽▲▽▲▽○●○●○



 目覚まし時計のアラームが盛大に鳴り響く。

 頭がパニックに陥り、ベッドから転げ落ちてしまう。その拍子に、額が部屋の中央に置いてあるテーブルの脚に勢いよくぶつかる。

 その痛みにより脳が通常運転に変わり、額の痛みを現実のものにする。

「いててて…」

 額をさすりながら起き上がり、怪我をさせた張本人である目覚まし時計を少し強めにボタンを叩き、アラームを止める。

 一つ欠伸をしたあと目覚まし時計で今の時刻を確認すると、ゆっくり準備をしても高校には全然間に合う時間だった。

 バタバタと、リビングの方から走ってくる足音がこっちに近づいてくるのが分かった。

 その音がオレの部屋の前で止まり、バンッという音と共にドアが一気に開け放たれた。

「大丈夫!?お兄ちゃん!」

 心配そうな顔をしながら、双子の妹である椎名が部屋の中に入ってきた。

「いやいや、ノックぐらいはしてから入ろうぜ」

「お兄ちゃんになにかあったら心配だし…」

 椎名の顔を見ると、すこし涙目になっていた。

「オレは大丈夫に決まってんだろうが、高校一年生だぞ」

 椎名の額に思いっきりデコピンをくらわすと、「はぅ」という声を出しながら椎名は少しのけぞった。

「だって…お兄ちゃんの事心配なんだもん」

「妹が兄の心配をしなくてもいい」

「精神年齢は私のほうがずっと上だもん」

 もう一回椎名の額にデコピンをくらわす。「はぅ」という声がまた聞こえた。

 椎名はハッキリ言えばできる子だ。文武両道であり、才色兼備の肩書きすら持っている。

 椎名のことを考えてると自分が惨めになってくるからやめよう。

「朝飯できてるか?」

 急に話題を変えたので、椎名は少し驚きながらも「できてるよ」と笑顔で返してくれた。

 そしてリビングへと向かい、今日の朝飯を確認する。焼き魚、味噌汁、お新香、白米といったこれぞ日本食!と言いたくなる様な献立だった。

 席に座り、手を合わせながらオレと椎名は「いただきます」と言った。

 なぜ二人しかいないかというと、家の立地により家から高校までの道のりが大変なものだったので、オレと椎名は二人で高校に近いアパートに住んでいるのだ。

一応言っとくがオレは椎名と同じ高校に通っているのだが、兄としては妹と一緒の高校に通いたくない。文武両道で才色兼備の椎名の兄は昔【灰紅の一匹狼】と呼ばれていて、喧嘩が強いということしか自慢ができないんだぞ?肩身が狭すぎる。

 そんなことを考えながら椎名の顔をまじまじ見ていると、目が合ってしまう。

「顔になんかついてる?」

 と、小首を傾げながらよくある台詞を口にする。

「いや、なんでもない」

 そう言ってオレは、朝飯に箸を進めていく。

 椎名はどこか不満気な顔をしながら、味噌汁をすする。

「というかさ、お兄ちゃんいつもあんな風に起きるなら、中学のときと同じ起こし方でもいいじゃん」

 中学のときの起こし方とは、毎朝椎名に起こされるのだ。

 まぁ、そっちの方が確実だし、信用度も高いが、さすがに高校生にもなって一人で起きられないのは恥ずかしい(中学のときでも恥ずかしいと思うが気にしない)ので、入学式である今日から目覚まし時計デビューを果たしたのだ。だから今日の朝は、慣れていない目覚まし時計のせいで痛い思いをしたのだ。

「さすがに高校生にもなって妹に起こされるのはな…。あと、大変だろ?」

「べつに、私は好きでやってるよ」

こんな良くできた妹をオレに授けてくれてありがとう!と、両親に感謝をしていると椎名が「ごちそうさま」と言った。

 視線を椎名の前にある茶碗に移すと、そこには綺麗に朝飯が無くなった食器があった。

 オレも少し急ぎながら、朝飯を胃の中に流し込んでいく。

「時間あるから食器でも洗ってるね」

 椎名は腕まくりをして、テーブルの上にあった食器を流し台に持っていった。

「オレも手伝うよ」

「ありがと、お兄ちゃん」

 笑顔で椎名が言ってくる。

 なんか椎名の笑顔を見てると、和むというか癒される。いつまでも見ていたいと思ってしまう。決してシスコンとがではない。

 椎名は食器を洗い、オレは食器を拭いて棚にしまうことにした。

 役割分担をすると早く終わるもので、ものの数分で食器を綺麗にしまうことができた。

 その後は洗面台に行き、各々準備に取り掛かる。オレは歯磨きをして、椎名はいつもの髪型であるポニーテールにしていた。

「お兄ちゃん、今何時か分かる?」

 鏡越しに目を合わせながら椎名は言ってくるので「待ってて」と言ってリビングについてある時計を見ると針が七時半ちょうどをさしていた。

「椎名、七時半ちょうど」

「分かった、ありがとね………じゃない!」

 椎名は焦った様子でこちらに向かってくる。

「バスの時間七時四十五分だよ!」

 たしかこっからバス停まで歩いて二十分だから、走れば間に合うはずだが。

「私達まだ着替えもしてないんだよ!?」

 視線をおろすと、服の中央に〔パジャマッッッ!!〕とでかでかと書かれているパジャマを着ていた。

「やばいじゃん!」

「お兄ちゃん気づくの遅いよ!」

 オレと椎名はすぐさま洗面台での用事を済ませて自室へと戻り、制服に着替えて荷物を手に取る。

「準備できたか、椎名」

「大丈夫」

 オレと椎名は勢いよくアパートを飛びだした。

 アパートを出るとき時計を一瞬見たのだが、七時三十五分近くをさしていた。

「近道探せるか?」

 アパートの階段を降りながら隣にいる椎名に言う。

「今してるところだから待って」

 ぶつぶつと椎名が小言で一人言を言い始める。

 その数秒後、椎名はこちらに顔を向けながら



「商店街の路地裏、成功率七十五パーセント」



 と言って、階段を降り終えたあと椎名は前もって調べておいたバス停までの道のりの逆に走り出した。

 十五秒ぐらい走ると、少し賑わい始めた商店街の文房具屋の横から路地裏に入って行き、這うように走っていく。

 オレ達のアパートとバス停は正方形の相対する角同士にある感じで、アパートから出たらまず右折して直進一キロ半、次に左折して直進一キロ半ほどのところにある。だが、今走ってる道はほとんど、アパートからバス停まで直進する道だ。

 このぐらいの道ならここらへんに詳しい人は知っているかもしれないが、椎名の場合ある目的を達成する道のりが分かるのだ。例えばこの状況だと、目的は〔十分以内にバス停につく〕というもので、その目的の成功のために自分ができる選択肢が分かり、なおかつ成功確率が分かるのだ。

「もう少しだよ」

 椎名が少しだけ息を切らしながら後ろにいるオレに言ってきたので「分かった」と了解の意を伝えた。

 そして、目の前にバス停が見えたと思った瞬間、ある事に気がつく。

 路地裏とバス停がある道の間に、四メートル近くのフェンスがあるのだ。

「うそでしょ」

 椎名がフェンスを掴みながら言った。

 椎名の能力は目的までの道のりは分かるが、途中にあるイベントは予想できないのだ。イベントの解決難易度は成功確立によって少しは分かる。

「オレに任しとけ」

 そう言いながらオレは椎名を抱き上げる。

「きゅ、急になにすんの」

 オレは椎名を抱く力を強くして、後ろに下がり、一気助走をつけて置いてあったゴミ箱を踏み台にしてフェンスを飛び越える。

 オレは昔から身体能力だけは良かった。といっても【ナンバー】を持ってる人はこのジャンプの数倍は高く飛べる奴がいる。

 着地を綺麗に決めて、椎名を降ろしてあげる。

「いきなり危ない事しないでよ」

「悪い悪い、こうでもしないとこっちにこれないし、言ってたら止めてたろ?」

「ま、まぁそうだけど。次からしないでよね」

「はいはい」

 少し戸惑ってる椎名の頭を撫でていると、ある事を思い出した。

 そういや昨日の夜、遅刻しないためにリビングの時計を三十分進ませといたんだった。

「あのさ、椎名」

「どうかしたの?」

「リビングにある時計…遅れないために……三十分ほど早くしてるの忘れてた」

 椎名は無言で指の関節を鳴らし始めた。

「お兄ちゃん、それはそれはいい心がけだね」

 笑顔で椎名が怒ってらっしゃる。

「でもね、覚えてないとね」

「ま、まて、まだ話し合いがあるよ」

「うるさい」

 オレは後ずさり逃げようとするが、背中にさっき飛び越えたフェンスがぶつかり、しりもちをつく。

 そのまま椎名の影がオレを覆った。

「本当に悪かった!何でもするから許してくれ!!」

 すると椎名は一気に満面の笑みに変わり、目を輝かせた。

 オレ、今なんて言った?必死だったから曖昧だ。なんかやばい事を言ったような気がする。

「お兄ちゃん、絶対だよ」

そう言いながら椎名はオレの頬を指先でつついてきた。

「お、おう」

その後は実に優しい雰囲気(とても居心地が悪い)とともに椎名と会話ができて、話しているうちに高校へと向かうバスがやってきた。

~数字の意味~

 人には1から9の数字と同じ数が二桁の数字(11や22)を持っています。

 今回は自分の数字の求め方を書きます。


 まず自分が生まれた日を思い出しましょう(西暦で)。

 例のため、作者の誕生日にします。

 西暦1997年1月24日

 

 年(1+9+9+7)と分解して足します。これを一桁になるまで繰り返しますが、11や22などの同じ数が二桁になった場合はそこで終了します。

 作者は8になります。


 月(1)月も同様に分解して一桁になるまで足しましょう。この時も同じ数が二桁続いたらそこでやめます。

 作者は1になります。


 日(2+4)こちらも同様に一桁になるまで計算して、途中で同じ数の二桁がでたらやめます。

 作者は6になりました。


 そして最後に、今まで出してきたものを足していきます。

 (8+1+6)これも一桁になるまで計算して、同じ数字の二桁がでたらやめます。


 そしてその出た数字があなたの【ナンバー】になります。


 次回はその【ナンバー】の1から9と【マスターナンバー】の11や22などからの性格判断をあとがきに書きます。


 ※作者が独自に考えたものではありません。実際にあるものです。



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