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豊臣ハーレム『豊臣秀吉、愛と政の合間にて──天下を取ったらハーレムがついてきた件』  作者: 《本能寺から始める信長との天下統一》の、常陸之介寛浩
第2章 『清洲の乱舞──わし、モテ期来たかもしれん』

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第三十一話『利家とおしの、告白合戦!?』

 戦が終わり、平穏な日常が戻った清洲城──


 だがその空気は、どこか騒がしかった。


 「えっ、あの草履小姓の日吉丸さま? 本陣で利家さま救ったってホント?」「顔もけっこう……好きな人は好きよね」


 「わたし、あの素直さ、好きです」「きっと優しい人……」


 ──噂は、女中部屋から女城主の耳にまで届きつつあった。


 そして、当の日吉丸はというと……


 「なんや、最近視線が痛い気ぃするがね……」


 天守の階段を掃除しながら、もごもごと呟く。


 背後から、「おーい、日吉丸ぉ!」と野太い声。


 「利家……また派手な着物着とるなぁ」


 「おまえが目立ってきたからや。わしも負けてられへんがね!」


 ニヤニヤ笑いながら近づく利家。

 その後ろには、おしのが盆を持って歩いていた。


 「利家さま、静かにしてくださいまし。掃除中の者が困っております」


 「わかったわかった。──けどよ」


 利家は日吉丸の肩に手を置き、どんと押し出す。


 「はっきり言っとく。わしは、おしのを諦めへんで」


 「はぁ!?」


 日吉丸の掃除棒がぽろりと手から落ちる。


 「いきなりなに言うとんの!? いや、わし、なにもしてへんし」


 「しとるやないか。あの夜、女中部屋の前でおしのと立ち話しとったの、見とったぞ」


 「……それは偶然……やったがね……」


 おしのは赤面しつつも、日吉丸を横目でちらり。


 「ど、どちらがどうとは言いませんけど……日吉丸さまは、やっぱり……」


 「ほら! やっぱり気ぃあるやんけーっ!!」


 利家が地団駄を踏む。


 日吉丸、天を仰ぐ。


 (なにがどうして、わしが“告白されとる側”みたいやねん……!)


 その瞬間、背後からひときわ鋭い声。


 「──告白ぉ? 誰に向かってやっとんのか、確認しとこか?」


 ねねだった。


 箒を肩に担ぎ、にっこりと笑っている。

 だがその目は、決して笑っていない。


 「うちの、あほ日吉丸が、“英雄”やて? ふぅん……」


 「ね、ねね!? なんやその怖い微笑みは!?」


 「ちょっと“草履”の裏側まで見てみたくなってきたわ……」


 「やめてぇ! 草履は信長さま専用やて!!」


 ──こうして、戦は終われども。

 日吉丸の周囲では、新たな“恋の戦場”が開かれようとしていたのだった。



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