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初夏

エド様とダンスの練習が始まってから、ずいぶんとたつ。

中級のステップは踏めるようになった。ヒールも少しづつ高くなっている。

自分の背が伸びたようで、なんだかちょっと嬉しい。


ホールで練習しているので、女官たちや、たまには兄上や義姉様が見学にいらっしゃる。・・・・それが、いけなかったのかしら?


兄上が父上に呼び出されて、何やらもめたらしい。


詳しくは聞かされなかったが、女官たちの話では、ブリアの皇太子に嫁がせたらどうか、という話があったらしいのだ。

私が?エド様に?


エド様は、、、オーリ様という恋人がいらっしゃるのに?


どうも、正式に婚約せずに栄国に来たらしい。それは、どういうことか?


私が、、、、、エド様に??


ブリアには行ってみたい。イリアにも。なんならフールにも。


いつかトーマにもらった美味しいチョコレートは、フールのものらしいし。


トーマが話してくれた海も見て見たい。


ブリアで、トーマが架ける橋も見て見たい。いつか、、、、


でも、、、そう言われれば、急にイリア語やブリア語を勉強しだしたのは?



そうか、、、少し、このところ浮かれていたかもね。そんなこと、私には決められることではなかったわ、、、、、


トーマは、、、先生は、、、いつかきっとスイランの力になってくれるよ、って、、、


気を取り直して、先生に手紙を書く。


いつかの市で貰った、変な柄の猫の文鎮を置く。


『お元気ですか、、、、



*****

何通か手紙を書いてみたけれど、先生からの返事はない。

そもそも着いているのかさえ分からない。


兄上の継承式にも帰らなかった。見せたかったわ、、、素敵な兄上、、、


春の宮中の市にも帰らなかった。

母上といつものように繰り出していったけど、、、いなかったわ。


もう、夏が近くなった。

少しづつ、フール語も習っているのよ。

兄上は継承されてからも、自分の執務室を替えなかったので、、、勉強も今まで通り控室でやっている。私とエド様の噂話は、もう誰も口にしなくなった。


窓から、池の睡蓮が見える。



*****

夏の始まりの日、いつもの通り、お父様が湖のほとりの離宮に繰り出して、夏の宴をやるらしい。

《《ご自分の息子》》が帝位について初めての宴なので、いつもより盛大にやるらしく、側妃達はもちろん、私たちの異腹兄弟、父上の御母堂様一同まで、それはそれは大人数。御母堂様の自州から、大量のお酒も運び込まれたらしい。


まあ、、毎年のことね、、、

お母様は、、いつもはご遠慮なさるのに、今回はお祝いでもあるので、出向かれた。


ご自分の息子が帝位についたお祝いであるにもかかわらず、、、、これも、いつものことだが、兄上たちと私は、呼ばれない。エド様も、内内の宴会なので、と呼ばれなかったらしい。

かなりはめをはずした宴会らしく、真面目な顔で望まれると、興が削がれるらしい。

どんな?宴なのかしらね?


「やれやれ、、、退位なさっても、相変わらずだね、、、」

兄上が義姉様にこぼしていた。



私たちはひっそりと、兄上の屋敷で晩餐をした。


ちょうど、テーブルマナーを習っていたので、イリア風のお魚のお料理に、フォークとナイフ。グラスに白ワイン。

デザートはケーキ。

うちの料理人は凄いわね!!


次の日は、ブリア風。お肉が多いらしく、お肉。上手に切れましたわ。

ワインは赤ワイン。

デザートはアイスクリーム!!!


4人で和やかに食事を進めていると、、、、、

物凄い勢いで、将軍が部屋に飛び込んできた。


「なんだ?急用か?」

兄上が怪訝そうな声で言う。


「離宮が、、、、」

「・・・?」

「離宮が燃えております!!!火の勢いが強くて、消火が間に合いません!!!」

「な、、、、」













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