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日常

僕は自宅近くのバス停に降ろされた、なんで自宅じゃないんだと聞くと家中に知られないためだと言う。雨の中ずぶぬれになりながら歩いていると、不思議と誘拐されていたとは思えない気持ちになった。

自宅につきドアを開けると母親の声が聞こえた、とっさに自分に兄弟がいるのか聞きたくなるのをこらえて廊下の家族写真を見た、自分に母親と父親が写っている、いつも感じていた違和感。僕は二人のどちらにも似ていないハーフの顔をしていて赤毛だ。学校の規則で毎日黒染めスプレーを掛けている、今どうせ雨で落ちかけているのだろう。

「なにずぶ濡れじゃない」

母親がそう言ってランドリーからタオルを出してきて頭を拭いてくれた。

「ありがとう母さん」

ノアの顔が浮かんだ、僕と同じ顔、今まで感じたことのない家族の証のようなもの。今の家族が異変とは感じた事がない、だがしっかりとした絆を感じた。他にも家族がいる、ルーツがある。

僕はいつものように風呂に入りご飯を食べ明日の学校の準備をして眠りについた、夢の中で宿題してないぞと僕が叫んでいる光景を眺めていた。

翌朝いつものように寝坊していると階段を駆け上がる音が聞こえた。勢いよく扉が開き麻美が姿を現した。

「いつまで寝てんのよ!」

麻美の蹴りで目が覚めた


ノアは穴の開いた床を見ていた

「なぜこんな空き方をするのだ?」

小首をかしげながら板を手に取り穴をふさぎ、釘を打ち付けてゆく。ジョゼフはキッチンで慣れない日本食材と戦っていた。

「ダイコーンとは?コーンの仲間ですかな?皮をはぐ?皮とは?キャロットとおなじ?」

スマホに向かいながらぶつぶつ言っているジョゼフにノアは小首をかしげた。

「ジョゼフでも分からないもんなんだな」

初めての日本にノアは戸惑いや興奮はなかった、目的である兄弟と会うことができた。

今まで周りから隠されていた事実、血の通う兄弟に現実感が追い付いてなかった。

「そろそろ彼を迎えに行こう、時間がない」

ノアの言葉にジョゼフは包丁を置いた

「そうですね、人目につかないとこに行かねばなりませんね」

ジョゼフはそういうとスーツを着だした、長年着こんでいる割にはダメージの少ないそのスーツはもしかしたら定期的に新しくしているのかもしれない、ノアは鏡に向かいファンデーションを手に取った、これから化粧をするのだろう

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