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悪党

ノアは僕の前に座り、ジョゼフは日本刀を慎重に麻布から出してポツポツと喋り出した。

「ノア様のお父様はマフィアを創設し、拡大の一途を辿っています、麻薬の売買から銃の密売、臓器の違法取引なども行っています」

「あー悪い奴だねー」

「その内でも子供を誘拐し臓器を売り捌いている事はもはや周知になりつつあります」

「え!?」

ノアは膝に肘を置きその上の手のひらに顎を乗せこちらを見上げる様に見つめてきた

「俺の住んでる家の近所に俺の友達が居たんだ」

突然の事にノアの目を見つめ返す

「アンドリューって言ってな、よく小石を窓に当てて俺を呼んだんだ、遊ぼうって。ある日な、窓が割れたんだよ。大きな窓で派手に割れた、それが親父にバレてな」

「待って」

「親父はアンドリューを連れ去った、俺もそこに呼ばれてな、見た時アンドリューはマリファナを投与されたのか錯乱していた」

「やめて」

僕の声が届かないのかノアは淡々と言葉を流してゆく

「親父に『コイツの腹を切れ』って言われてね、抵抗したけど無理矢理ナイフを持たされた」

「聞きたく無いんだけど!」

足掻けば足掻くほど僕の手足を縛っている紐が食い込んできた

「俺はそこで気を失ってしまって、気がついた時には大人達が臓器を取り出していた、その時のアンドリューは笑ってたよ、涙を流しながら」

「その話しを聞いてどうしろってだよ!」

「俺は復讐すると決めた、あの時は7歳で無力だと思ったが今は違う、やるなら早い方が良い、だが俺1人では力不足だ。そこでお前の力が欲しい」

暴れる僕の肩にジョゼフが手を置いた

「私が悪いんです、坊ちゃんにはマフィアを継げる能力を教えろと言われましたが、私は出来ませんでした。坊ちゃんを我が子の様に育てて来ました」

「それは感謝している」

「あの時マスターとの貴重な時間だと思い、暇を頂戴していたのが悪かった、そんな事なっていると知ったらでき得る限りを尽くして止めたのに、私には今の坊ちゃんを手助けする事しか償えません」

僕は暴れるのも忘れ、手首の痛みを感じ始めていた

「でも僕はその手助けにはならないよ?」

「いや手伝ってもらう、これを見ろ」

ノアはそう言うと胸ポケットから一枚の写真を取り出した、写真には赤子が二人と四人の大人が病室で撮影されている。

「あれ?哉子さんだ」

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