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剣の道

僕らはまたあの空き家に着いた、空き家という事もさっき聞いた、どういう経緯で知ったのか分からないが20年近く誰も住んでいないらしい、近所に家屋はなく山に囲まれたところだった

「nobutoそこ穴が空いてた場所だ」

「あ、本当だね、でも塞がってるよ?」

僕が足でつつくとノアは満悦した顔をした、それが何なのか分からず、よそ見をしていたせいか僕はあろう事か張ってあった板を踏み抜いてしまった

「kill you」

「ごめんなさいー!!」

飛び上がり土下座をかました僕にノアは僕の頭を踏んだ、頭の後ろで金属音が聞こえ、それが何なのか分からなかった

「Put your gun away」


僕らは改めて庭に集まった、庭には竹が何本か置いてある。例の剣も準備してあり寄せ集めの棚に乗っていた

「これ藁の代わりなの?藁より硬いと思うけど」

僕は竹を摘まみ刀の方も見た、刀は打刀で実践向きになっている

「硬いと問題があるのか」

「刃が欠けちゃうよ、人間切るにしても人間ってこんなに硬くないから」

「だが骨まで切れるらしいじゃないか」

「これは虎徹という名刀らしいですよ」

「名刀でも欠けちゃうとね」

改めて刀の波紋を眺めてみた、久しぶりに見るからもあるかも知れないがその鋭い切っ先に生唾を飲んだ、僕はその剣を構え、立てかけてある竹を切った、一寸の迷いもなく真っ二つになった

「おお、次はこれだ」

ノアは袋を室内に持って入った、心なしかその袋は小刻みに動いているように見える。

「何をするの?」

ノアが袋を逆さまにすると中からゴキブリが大量に降り落ちている、それらはまさに蜘蛛の子を散らしたように一斉に走り出した

「ぃぎゃーーーー!!!」

「これを切ってもらう」

「無理無理無理!」

「nobuto様、切って頂かないと我らの寝床がありません」

「じゃあしなくてよくない?!」

「早くしないと夜になるぞ」

「夜関係なくない?!」

「この家に電気など無く、明るいうちじゃないと見えませんので」

「暗闇にこいつらが居ると思うと虫唾が走る」

「じゃあしなくてよくない?!」

僕は走って来たゴキブリに驚き宙返りした

「そんなことも出来るのか」

「感心してる場合じゃないよ!!」

僕はまたこちらに走って来たゴキブリを縦切りした

(ああ、せっかくの名刀がゴミ刀に)

僕は覚悟を決めパルクールの要領を駆使しゴキブリを切って行った

「夜な夜な集めた甲斐があったな」

嫌な言葉が聞こえた気がした

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