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自宅が全焼して女神様と同居する事になりました  作者: 皐月 遊
二章 新学期、新たな出会い編
42/89

42話 「難攻不落の八神城」

お久しぶりです!

新しい小説、

【異世界出身の魔導士は、夢がない】

を新たに描き始めましたので、良ければそちらもよろしくお願いします!


こっちも変わらず連載は続けます!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁー……はぁ〜あ…」


「2回もため息つくなよ。 なんか俺が原因みたいで凹むだろ」


桃井と映画を見にいってから日が経ち、今日は金曜日の放課後だ。


あれからも桃井は毎日八神にアプローチをしかけた。

だが、全て撃沈。

八神と一緒に帰る事すら出来ずにいた。


失敗続きという事もあり、桃井提案で急遽作戦会議を行う事になり、前回と同じカフェに来たのだが…


来た瞬間に桃井が溜め息を吐き、今に至る。


「だって…はぁ…」


「一回溜め息禁止な」


「……だって、流石に凹みます…」


桃井はかなり参っているらしく、俯きながら話す。


「一緒に帰ってくれないし…連絡先貰おうとしてもはぐらかされるし…如月先輩とは楽しそうに話すし…」


八神は、露骨に桃井から遠ざかろうとしているのだ。

常に笑顔ではあるのだが、線引きをしているのか、桃井がその線を越える事を許さないのだ。


「私…そんなに魅力ないですかね…」


「…お前に問題があるってよりかは、八神の方に問題があると思うぞ」


「八神先輩の方に…?」


「だって考えてみろよ。 あんなイケメンで、いろんな女子からアプローチもされてるのに、彼女居ないんだぞ?

絶対に何か訳ありだろ」


「んー…確かに」


「もし仮に八神が超絶ピュアで、女子と話すのが苦手なんだとしたら話は別だけどな」


「でも八神先輩、女の子が喜ぶ事サラッとやりますし…」


「じゃあ、何か訳ありなんだろう」


「訳ありって…?」


「知らん」


「むぅ…」


桃井は頬を膨らませ、アイスコーヒーを飲んだ。


「なんかここまで露骨に拒絶されると、流石に凹んじゃいます…」


「らしくないな。 お前今までしつこいくらいアプローチしまくってただろ。

しつこいくらいに」


「2回しつこいって言わないで下さい」


「そんなしつこいお前でも、弱音吐くんだな」


「…だって、脈ないですし…」


「ないな」


「うっ…ハッキリ言いますね…」


「最初から分かってた事だろ? いくらお前が他の女子より容姿が優れてても、八神は靡かないって」


「…確かに、柊さんにも靡いてないですしね…」


数多の女子にアプローチされても、決して靡かない。まさに八神は難攻不落の城だ。


「もしかして八神先輩ってホ…」


「辞めろそれはない。 ないと願いたい」


「確かに…」


「…あ、でも八神、唯一親しい女はいるんだよな」


俺が言うと、桃井は目を見開いた。


「え!? 誰!誰ですか!?」


「神崎って言う同じクラスメイト。 アイツとは距離近いな。 休日に2人でゲーセン行くくらいには」


「神崎さん…? あ、もしかしてあの性格キツそうな人ですか!?」


「そうそう」


桃井は様々な女子のデータを持っている。

その中に神崎も入っていたのだろう。


「…神崎さんがそんなに距離が近かったなんて…」


「だからまずは、神崎とお前で何が違うのかってのを考えた方がいいんじゃないか?」


その方が少しは気が紛れるだろう。


そう言うと、桃井は笑顔になった。


「はい! この土日で考えてみますね! 先輩、今日はありがとうございました!」


「気にすんな」


そう言って、俺は桃井と別れた。


帰り道、柊に『桃井とは別れたが、買いたい物があるから少し遅れる』


と連絡し、俺はDVDショップへ入った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おかえりなさい如月くん。 桃井さんはどうでしたか?」


「かなり凹んでた」


「やっぱり…如月くんの話でしか知りませんが、八神さんは手強そうですね」


「そうだな」


そんな会話をしながら、リビングへ向かう。

今日の夕飯は焼き魚らしい。


魚の香ばしい匂いが食欲をそそる。


「そういえば、お買い物ってなんだったんですか?」


「あぁ。 お前この前映画見た事ないって言ってたろ」


俺は、DVDショップで買ってきた、母さんが大好きなめっちゃ怖いホラー映画のDVDを、柊に見せた。


柊はそのパッケージを見た瞬間、怯えた表情をした。


「き、如月くん…これは…?」


「母さんオススメのホラー映画だ」


「ほ、ほらーえいが…」


「嫌なら違うのにするが、どうする?」


一応、万人受けしそうな冒険物の映画も買ってきている。


だが、柊は覚悟を決めたような顔になる。


「こ、こっち…見ます…! 」


「…本当に大丈夫か? 父さんはこれ見て30分でリタイアしたぞ」


「だ、大丈夫です…! きっと…!」


「分かった。 なら風呂上がりに見るか」


「は、はい」


柊は、終始ソワソワしながら、夕飯を食べ始めた。


俺が初めてこれを見たのは小6で、その時は号泣したという事は、言わないでおこう。

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