第二話 “終局の序曲”
知っての通り。
“世界”はこの世界にいくつも存在する。
ストガギスタ王国や、ニヤ王国などの存在する本舞台での世界のほかにも、泡のように、様々な世界が存在している。
それは“異世界”と呼ばれている。世界が違うと、常識が違う。
単にモノの動きや生息する動植物だけでなく、このような行動によってこのような効果が発生する……といった特殊効果が世界ごとに定まっている。ゆえに異世界に入ればその世界の常識に違反しないよう、また常識に則りもっともその世界で力を引き出せる行動をするのが鍵となる。
ここでは、仲間たちとの絆が力を生む。
一人で闘うより二人。二人で闘うより三人。志を同じくする仲間たちとのつながりによって、全員の力は飛躍的に増加する。
だがそれには制限があり、絆の繋がりによる能力増加の適用される人数は10人程度。
……このように、各世界に秩序とも呼ぶべき常識があるのだ。
そして、“世界”は力あるものなら容易に作ることができる。
今いる世界を起点と置くと、それは“内世界”。
内世界は必ずかの世界より弱い。世界にレベルという概念があるのならば、明確に一個下だ。
もちろんレベルの並んだ世界もたくさんある。
力あるものなら、容易にとはいかないが、同じレベルの異世界に移動することは可能だ。
もちろん内世界への移動も可能である。下のレベルの世界へはとても容易に移動できるが、あまりお勧めしない。
上のレベルの世界には行くことはできない。
そもそも上のレベルの世界は知覚することすらできない。無論、一度下のレベルの世界に行くと、今までいた世界は、そこから見ると上のレベルの世界だ、故に戻ることはできない。一方通行なのだ。
……そんな話があった。
聖騎士一同は、必ずそれらを習う。戦士にとって必修だ、義務教育だ。我らが闘う世界を知ること。彼らと戦う世界を知ること。
“魔界”も、その仰々しい名前の割になんてことはない、ただの同値の異世界だ。
そんなすべてを知っているはずの聖騎士一同は。仮世界に何の躊躇いもなく足を踏み入れた。
人の身と聖騎士の力で作り上げたあやふやな世界。泡沫のような内世界。帰れるはずもない。元居た世界の大切な人々に、我らが守った人々に、二度と会うことは叶わない。“しぃけーちき”と存在ごと心中する、覚悟あってのことだ。
そんな時に、アム、ツーナ=シャーケ伯爵、となかわの三人は世界に留まることを選択した。脳魔を抑えるためである。
ごちかわは快く受け入れた。しぃけーちきを倒すために利用する世界の仕様、人の身で作った故に内世界にも引き継がれる仕様である“絆の力”は10人で最大だと考えられていた。
そんなもの、しぃけーちきに一人殺されれば瓦解するだろう。
だがしぃけーちきもそれは熟知している。殺されを最大限に楽しむべく、しぃけーちきは易々とは大好きな殺しをしないと考えた。これは少しの賭けではあったが。
他の聖騎士もまた受け入れた。その三人だけ死地に赴かないなんてずるいだとか、君たちだけすべてを失わないなんて卑怯だとか、誰も思わない。考えない。聖十二騎士は、並々ならぬ覚悟と気骨を備えた、たった12人の軍隊なのだ。
それなのに。
しぃけーちきの討伐後、この死地に自ら足を踏み入れたこの男は、
常識を、いくつも破壊してみせた。
「と……となかわ……さん…………!!」
「ん?どうしたんだい?」
「う……嘘ですよねっ、となかわっ…さんがっ、“しぃけーちき”三大幹部の最後の一人だなんて……」
「はは……ごめんねモザちゃん。それにしても驚いたな。まさか、僕以外にステージ“3”を克服できる者が現れるなんて」
「……っ!?!?」
総員の身の毛がよだつ。何か言いかけた台詞が、喉につかえたまま出てこない。
「心配いらないよ。“しぃけーちき”は跡形もなく消滅した。どの世界からも。ほら、聖眼を凝らして視てみなよ。しぃけーちきが滅んだ場所に、時空のひずみが見える。ひょっとしたら、あそこから元の世界に戻れるかもよ?」
そう言い残すととなかわは背を向け、しぃけーちきが消えたひずみに向かい歩き出した。不気味な歩み。完全にこちらに背を向けているのに、こちらの動きを真横で観察されているような不安がよぎる。
誰も動けない。しぃけーちきにも怯むことなく戦った聖騎士たちが、指先ひとつ動かせぬ不気味さがそこにあった。
そこへ───
「…………」
ごちかわが、となかわの前に出でる。険しい顔だ。
まるでそれが宿命であったかのように、ひずみに背を向けとなかわを睨む。
「……だろうね。ごちかわ。君は止めてくるよね」
「見違えるようだ。となかわ。もう隠す必要はなくなったのか。少し前から疑っていた。聖十二騎士に一人裏切り者がいると。その時は遂に絞れなかったが、よくぞここまで隠し通したものよ。……目的はなんだ?まさかしぃけーちきと同じとは言うまい」
「そんなこと言うわけないだろ、あらかた見当がついてるんじゃないの?更なる世界さ」
言い終わると、体の向きはそのままに後ろをちらりと見渡した。そしてなおも怯んでいる聖十二騎士の中に一人、悲しげな顔をした少女がいることに気づいた。
「となかわ……さん……裏切ったって……どういう……、それに、あれを通れば以前の世界に帰れるって……」
「モザちゃん。裏切り者の言うことを聞くな。あのひずみを通ったとて、以前の世界に帰れるとは限らん」
となかわが答えるより早く、ごちかわが一蹴する。となかわは、普段通りの微笑を浮かべている。
「……やはりそうか。世界の形成原理を考えると、しぃけーちきを倒した時のひずみから、外世界へと赴けると思っていたが、間違いだったようだね。こうしてひずみを目の当たりにして、ようやく理解したよ。あの時とは少し違うけどね」
「案外簡単に諦めるんだな。お前の目的はこのひずみから外世界に行くことではなかったのか?そもそも、俺たちを裏切る必要があるとは思えんが」
「ちょっと違うな。まあ確かに、しぃけーちきを倒した時のひずみから外世界に行けるのならば、こんなまどろっこしいこと、する意味はないかもね。だけどそれは確実じゃない。今ある世界より外側の世界を起源とする魂が消滅すると、魂は今の世界ではなくその起源の世界に還る。そのときに発生するひずみを利用したかったが、しぃけーちきの起源がどの世界かなんて曖昧で分からない。どんな世界に行くなんてガチャだ。……それにどうせしぃけーちきがその世界の生物を殺し尽くしてるだろうし、駄目元の択さ。……それより、もっといい、もっと確実な方法があるよね?ごちかわ」
腕を組み、となかわが含みのある言い方でごちかわを見つめる。
「……ほう、やはり、となかわ。お前は勘づいていたか」
「うん。とっくの前にね。君の起源は確実に外世界。それも、僕たちが元居た世界の一つ上のレベルの世界だ。そしておそらく、あの世界は、“聖十二騎士”の居るみんなの世界は、君が作ったんだろ?」
「「「「「「「「「「…………………………………………!!!!!!?!?」」」」」」」」」」
二人の会話を固唾をのんで見守っていた一同が、一斉に困惑と驚愕の表情をとる。
「そして、君が死ねばあの世界は消える。あの世界に暮らす人々は動けなくなる。そうだろう?」
「……」
ごちかわは答えない。
「あらゆる世界は、あらゆる魂は、様々な祝福に囲まれている。美しい花の咲く煌びやかな世界があるのなら、その周囲は同じく煌びやかな世界で満たされ、まるで銀河のように、煌びやかな体系を形成する。美しい秩序だ。なのに君の作った世界はひどいものだ」
「……」
「まるであれがはじまりの世界だとでも言うかのように。あの世界の周囲には何もない。何も!!辺りが真っ暗々の真っ暗闇。きっとモザちゃんの光をも無効化するであろう永劫の闇」
「……となかわ」
「―――だから、“闇を纏う聖騎士”なんだろう?ごちかわ」
「止めろ、となかわ」
「止めないさ。ごちかわ。むしろ止めて欲しいのはこちらの方さ。世界の外側の外世界?魂が形成する内世界?外世界に行くことは事実上不可能?君はかつてそう教えていたな、聖騎士の皆に。だけれどそれは、あくまでこの君の世界でのハナシだろう?普遍的な世界の摂理に見えて、その実、それもただの世界の一つの常識に過ぎなかったわけだ」
「……っ」
「一時は絶望したさ。僕は異世界にとても興味があった。僕の力が。どれだけ通用するんだろう。どれだけの世界を超えてゆけるのだろう。この興味は留まることを知らない。だから僕は君を殺す。君を殺しても、闇に放り出されるだけかもしれない。だが僕は外世界にきっと行けると確信している」
ごちかわは、下を向き押し黙る。となかわはというと、そのセリフとは裏腹に、なおも普段通りの微笑のままだ。この笑みで、今まで自分たちを騙してきたのか。
そこへ割り込んできたのは、……こいかわだった。
「…………となかわっっ!!」
「こいかわ。どうしたんだい?そんな、血相を変えて」
「どうしたもこうしたも……あの、一緒に戦ったとなかわは、アオさんを助けようと奔走してくれたとなかわは、全部、嘘、だったの……?」
「うーん、どうだろう、半分嘘、って感じかな。僕は『聖十二騎士の一人』としての動きを全うしていた。あそこでは僕はただの一介のニヤ王国の戦士。与えられた役割はちゃんとしていたんじゃないかな?……目いっぱい手を抜いても、聖十二騎士最強、とどこかで囁かれたのは少し肝を冷やしたけどね。僕はとりあえずあの世界で一人の戦士として戦って、どこかにいるはずの、“外世界”の人間を探し、その魂から外世界に自分が行くことが最終目標だった。ただそれだけだよ」
聖十二騎士が発足した時も。
かの戦争の時も。
ルミが“修羅の残した裏世界”を用いて各地に混沌竜らを解き放った時も。
ただの“聖騎士の一人”として責務を全うしつつ、“しぃけーちき”と裏で取引し、
異世界にとっての情報を集めた。内世界の存在。外世界の概念。
外世界に行くのに最も良い時は?
自身の力でしぃけーちきを打ち倒しそのひずみから外世界へ?……それは確実じゃない。
ならばごちかわや、他にいるかもしれない外世界の民を殺す。そしてそれが最も効果的なのは、彼らが“しぃけーちき”を打倒したその瞬間。モザちゃんや聖騎士はともかく、世界を形成したごちかわは相当消耗しているはずだ。
「う……いや、でも……」
「ごちかわだって酷いもんさ。この世界の仕様を最大限に利用するために、聖十二騎士なんていう、言わば捨て駒を作って……。外世界の人間がどれだけ頑張ろうが、基本はそれより外の世界のレベルには達しない。一部の外れ値を除いて。だが外世界の人間である君が自ら導くことで、本来達することのできないほどの大きな力を手に入れられる。とりあえずしぃけーちきの瘴気で即死しないくらいの力があればそれでよかった」
となかわの指摘通りだった。本来、その世界に生きる人間はその世界のレベルを逸脱することはごくわずかな例を除きほとんどなく、天性の才能にたゆまぬ修練が結びついてやっと世界のレベルを超えられるものだ。だが、外世界の民がその世界でのメソッドを用いて指南すれば、それを取り込み、容易に限界を超えた力を手にすることができる。
「……おい、となかわ。さっきから黙って聞いてれば、捨て駒とはずいぶんな言い様じゃねェか」
「捨て駒だよ、間違いなく。実際、君たちは君たちの攻撃で、“絆”補正の最大を加味した上で、しぃけーちきに少しでも有効打を与えたかい?……まあ、捨て駒というよりかは、埋め合わせ……といった方が近いかな?ホラ、ゲームとかでもよくあるよね。戦闘自体は1,2体の強キャラでカタはつくけど、ゲームの使用上、編成キャラを埋めなくてはならない、埋めたほうがいい。渋々、低レアリティでまともに育成もしていない適当なキャラを編成して。」
となかわは雨宮の方を見向きもせず発言する。
雨宮たちからギリ、と歯を軋ませる音が聞こえる。
「俺は、お前たちを捨て駒、埋め合わせなどと思ってはいないさ……だが、実際にしぃけーちきにダメージを与えられるのはモザちゃんや俺やとなかわ……そして虹かわくらいだろう、そして他の衆も絆の力のために居てくれればいいと考えていたのは事実だ」
対照的に、ごちかわは聖騎士一同の方に向き直り、言い訳をするように語った。
「……へえ」
雨宮と同じく、混迷のこの状況に水を差すべく、虹かわが前に出でる。先程の攻撃の反動がまだ残っているためか、魂から白い煙が止まらないままだ。
「……となかわ。如何に貴様が優れた戦士だろうが、ここにはステージ“3”を乗り越えたモザちゃんが、その光の力によって恢復した聖十二騎士が居る。これを相手に、勝てるとでも?」
「勝てる。勝てるさ。虹かわ。君ならわかるだろ?むしろ、モザちゃんのステージ“3”の発現はしぃけーちきなくては叶わなかっただろう。すぐに出てこなくてよかった。僕もごちかわのように情が湧いて、モザちゃんの更なる進化が気になってしょうがなかったからね。君たちとの戦いは、きっと別世界での戦いの糧となるよ」
「……あくまで、この世界のこの状況、切り抜けられる前提か」
「く、はは……俺を殺すか。俺を殺して外なる世界への扉を開くか。そのための裏切りか、となかわ。認識した。死ぬのはお前だ、となかわ」
言い終わると同時に、ごちかわは覇剣を抜き斬りかかる。しぃけーちきとの幾万の打ち合いの後だというのに、漆黒のその剣には刃こぼれ一つ見当たらない。
合わせるように、モザちゃんも靈煌魔剣で斬りかかった。
「やっとっっ……終わったと思ったのにっ……!!となかわさんとっ……!!殺し合わなきゃいけないなんて……!!」
「できれば、ごちかわと、モザちゃんと一対一でそれぞれ闘いたかったんだけどね。こうなっては仕方ないか」
となかわは剣も抜かず、滅びの烈風を纏う腕で二人の剣戟を受け流している。
神業だ。加勢しようとしていた総員の手が止まる。
「この期に及んで、二対一が卑怯とは言うまい」
「ふふ、言わないさ。別に13……14かな?対一でも構わないよ」
ちらりと聖騎士一同の方を見る。
動けない。ごちかわとモザちゃんの猛攻を受けている最中なのに、幾分か余裕があるように見える。今割り込めば即座に死ぬ。それを肌で感じ取った。
しぃけーちきとの時は、割り込む余裕があった。大技を出す隙もあった。だが今は……
「くく……となかわ、そうは言っても、モザちゃんとの、俺との二人きりでの戦いが楽しみだったように見えるぞ。だが俺は、俺たち二人はその望みをかなえる気なんて無え。何故だかわかるか?」
「そうだ、わからないな。むしろ君なら、嬉々として僕との戦いを楽しむと思ったのに」
「これは見せしめだ、となかわ。もうお前のそばに可愛い可愛い愛弟子のモザちゃんはいない。もう俺だけのものだ。今や俺だけの愛しいモザちゃんと、モザちゃんだけの愛しい俺だ。もうお前の居場所は無い!!……そのことを、再認識させておこうと思ってな」
「……へえ」
となかわの顔に青筋が浮かぶ。攻撃の受け流し方が荒くなる。
「怒ったかとなかわ。俺たちの愛をなめるなよ。そして俺たちの怒りも!!」
<“晴光を謳う靈煌金喪斬魔覇剣”>
師と愛弟子の、愛の剣。
一時的に二人の剣を融剣し、二人の一つの柄を握り、二人の光の力を合わせて放つ、
しぃけーちきを倒したあの技だ。
「舐めてるのは……君たちの方だろ」
<”鳳凰律剣”>
遂に、となかわが剣を抜く。
あのときの剣だ。すべてを灰燼に帰す滅びの焔が巻き起こり……
「……っっ!?!?」
二人の剣を、正面から受け止めていた。
「と……となかわ……!?お、俺たちの力を、モザちゃんの光の力を、単純な力だけで……!?」
「ぬ゛お゛お゛!!」
となかわが雄叫びを上げる。誰も聞いたことがない叫び。
膂力に、その力に任せ、二人の力を真っ向から跳ね返す。
「……となかわさん……!!」
「ぐ……!!どこでこんな力をっ、どれだけの力を隠していたのだ、ま、まさ……」
果てしない力の乱流。
災害で崩れた都市が、地盤の底からひっくり返されるように、
壊れた世界が、その衝撃に耐えられず空を引き裂き破壊し直された。
ごちかわとモザちゃんは声も発せず飲み込まれる。粉々に消え散ったか、はるか遠くまで飛ばされたのか、ここからでは判別できない。
「……さて」
「「「「「「「「「「……っ!!」」」」」」」」」」」
「みんなも知っての通り、ごちかわはあんなものじゃ死なない。モザちゃんもね。じきに再生するだろう。その前に、ついでに、見せてもらおうか。捨て駒でも、埋め合わせでもないんだよね?」
「……!!」
「と……となかわっっ!!もうやめてっ……今なら、今ならまだ戻れるよ!!」
こいかわの悲痛な叫びが、ずたぼろの仮世界に木霊する。だが、となかわはその微笑を崩すことはない。
「……説得かな?驚いた、まだ今の状況が分かっていないなんて……。なら、ごちかわを殺しに行く前に、一人くらい、殺してしまった方がいいかな。どうせ世界が壊れて消えてなくなる君たちだ」
「……!!させねェぞ、となかわ」
蒼いトレンチコートが、こいかわの前に翻る。滅びを前に、決して怯むことのない蒼い旋風。
「雨宮玲音。君とも長い付き合いだね。そうだな。君から、殺してやろうか」
雨宮はとなかわの頭に霊銃“霙”を突き付けている。だが撃てない。誰よりも先の展開を読むことに長けた男だ。銃の発射音が鳴ると同時に、自分が死ぬだろうと肌で感じていた。
「……っ!」
「防げるかな。雨宮玲音。僕の“滅び”を」
ゆっくりと、となかわの指が差し迫る。なんの魔法も加護もない、ただの指先だ。
だが雨宮は即座に霊銃を捨て、正面に“晴天の夕凪”を放った。モザちゃんから受け取り、戻った光の力を全て消費して。
だが。
「……う……!!馬鹿な、俺の“晴天の夕凪”を……」
「……ふふ」
「……指、一本で……!!」
「僕が殺すと言ったんだ───」
「……が、は……」
「───君の死は絶対だろう?雨宮玲音」
指が心臓を貫く。
雨宮は倒れ伏し、紋章がカラン、カランと音を立てる。
遅れて地面に多量の血が滲み、雨宮玲音の光の力が周囲に霧散した。
さて、これより第四章“終末世界編”に至ります。
この物語はこの章で最後になると予定しています。
もう少しだけ続きますので、あと少し、お付き合いお願いします。




