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MOZA-CHAN -モザちゃん-  作者: モザの者
第四章 ~終末に至る世界~
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第一話 “不吉な予感”

――瞬間。

皆が闘いの緊張から解き放たれ、笑い合っている刹那。


どんちゃん騒ぎの中というのも手伝って、誰もが気付かなかった違和感。


仮世界。奴を倒すためだけに創った、使い捨ての世界。

太陽などあろうはずもない。


なのに、我らが頭上には、煌々と輝く太陽が我らを照らしている。


我らが勝利を祝うように。

――そして、不吉な予感を知らせるように。


……誰かが、足りない。

この祝いの歓声の中、必要な人物が一人……いや二人足りない。


この違和感に、ひとり、気が付いて、スクと立ち上がった。


「総員、再び、戦闘準備だ……。対”しぃけーちき”よりも、強く警戒しろ」


ーーごちかわが再び戦闘準備の号令を掛けた。


「えっ……!?」


「オイオイ、ごちかわ、何だよ急に……」


「何を……ごちかわ、もう何もいないでしょ、何で……」


「ハハハ、また聖別戦とか言い出す気か?勘弁してくれよ、確かにもう力は万全だ。溢れ出る光が、この勝利の喜びが我らを癒してくれた。だが、もうちょっと浸ってようぜ」


「いいからっ、早く!!!」


皆に背を向けたまま、再び大声で鬨の声。

明らかに、冗談ではない張り上げ方だ。


「……まあ、そこまで言うなら……」


「わかった……」


「承知」


「おっけい、何が来ても、闘うよ!」


半数は渋々、半数は厳かに従い、戦闘態勢をとる。だが、まるで敵が見えてこない。


「えっと……ごちかわ……」


「皆、すっかり……忘れてたな…………。しぃけーちき三大幹部、()()()()()のことを…………!!」


ごちかわは上を見上げている。

……合わせるように総員も上を向き、

太陽のあまりの眩しさに目を細めた刹那……


「え……?!」


「……おい……」


「ちょっと……()()って………」


「…………!!」


そして、それらにタイミングを合わせるように、

ゆっくりと、そして仰々しく、

その太陽は降りてくる。


「ははは、参ったなあ。そんなに警戒するなら、正面から出てきてあげるよ」


声のみが響く。依然、逆光で姿は見えない。

聖騎士一同は、すっかり忘れていた三大幹部の最後の一人の存在を思い出す。


だが……あの大敵しぃけーちきを倒したのだ。

たとえかの“脳魔”レベルの敵でも、打ち破れるだろう。

そんな慢心があった。


だが、その姿が少しずつ顕わになるにつれ…………

総員の表情は、驚愕に……ある者は絶望に変わっていった。


そも聞き慣れた声。

そして見慣れた極光。


「ご、ごちかわさん…………!!三大幹部、最後の一人って……!!」


「……ああ。紛れもなく。()()()だ」


「……どうして……!!」


(シルエット)が浮かぶ。影越しでも、優しく微笑んでいるのが分かる。



「となかわっ、さん…………!!!!!」

ついに判明する、最後の三大幹部。

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