第十話 “混迷”
『ご、ごちかわ、一体こいつは何なんだ。しーけーちき?聖域世界?…』
『創始の悪魔にして、最期の悪魔。この現世に存在する魔族は、例外なく此奴から生まれた』
ごちかわは、尚も脳魔を睨みつつ続ける。となかわを無視するように。にもかかわらずとなかわは文句なんて言えなかった。そんな空気ではない。
『悪魔。そんな肩書きなど、私にはどうでもいいのですがね。あの御方の側近。あの御大に仕える者。私にはそれだけで十分すぎる』
『何故貴様のような男が、あれの従者へと至った。分からん。お前はその気になれば魔族の王、魔王たりえる者。それがなぜその座に甘んじている。誇りなどはないのか』
『はは、誇りですか、そんなもの、あの御方の前では無に等しい。…それでは、また』
“しぃけーちき”の呼び出しか。急に話を止めると、静かにこの場から消え失せた。
『ご、ごちかわ…』
『………俺達は古くから、“深淵の使者”…を率いる“しぃけーちき”と闘ってきた。俺が、俺達が命に賭けても打ち倒すべき相手だ。…奴は、そいつの大幹部。側近だ』
『側近…で、あの強さか。恥ずかしいけれど、この場を去ったことに少しホッとしているよ。どこかの側近とは大違いだ』
『ああ。ここで戦うのは得策ではないし、面倒なことになるだろう。今は、この世界をどうにかしなければならん』
ふう、と同時にため息をつく。この世界がどうなっているかを調べるため、二人はゆっくりと歩き出した。…となかわも、細かい疑問点は後にして、ここの探索をすることに専念するようだ。
すると—————
『お…お前……ごちかわ…か?』
地面に突っ伏した、青いトレンチコートを纏った男が、こちらに気づき、顔を上げた。よく見ると、体のところどころに血が滲んでいる。
『…雨宮玲音!?お前、こんなところで何をして…』
ごちかわの知り合いのようだ。激しい戦いの後だったのだろうか、著しく消耗している。
『く………この世界は、もう終わりだ…。逃げろ、ごちかわ。ここに居ては…』
『逃げる?出来んな、最強の助っ人が二人も来てやったんだぞ、そんな苦痛に歪んだ顔じゃなく、喜べ。何と闘っていたのかは知らんが、ご苦労だったな』
『ふ、二人…?』
となかわと、雨宮玲音と呼ばれた男の目が合う。どうやらごちかわの隣にいる人物に気づいていなかったようで、相当疲れ切っているようだ。
『次のニヤ王国の聖騎士、となかわだ。実力は俺が保証する』
『ニヤ王国の?あァ、あのジジイ、そういえば消えたんだってな…実力は聖眼を見ればわかる。心強いぜ。…俺は猛火王国ウカの聖騎士、“龍巻を纏う聖騎士”雨宮玲音だ。よろしく頼む…』
『ああ。よろしく。初対面で悪いけど、一体、ここで何があったんだい?傷は思ったより深くない様子だけど、かなり疲労がたまっているように見えるよ』
『となかわはこちら側に来るのさえ初めてだ。この世界のことから詳しく説明してやってくれ』
『いやお前がやれよ…しゃあねェな…』
玲音は語った。こちら側と、あちら側の世界のこと。
人々が暮らす10の世界のうち、5つは異次元空間を抜けた先にある。
片方の世界は“ストガギスタ王国”、“棲魔法王国サトクン”、“王国ニヤ”、“勇者の眠る国ウリアム”、“太古の魔女の遺跡”、
もう片方は、“聖域世界アティシ”、“大童幼好国イヴァスルタン“、“猛火王国ウカ”、“蒼き世界アオタン”、“深淵の国”で構成され、
サトクン、アオタンには、その国土の広さゆえ、二人の聖騎士が在籍している。
かつては世界は繋がっており、自由に行き来できたのだが、ある日を境に、太古の魔女の遺跡とアオタンの間に“亀裂”が生じた。諍いということではなく、物理的にだ。
…それは後に、“しぃけーちき”が原因だとツーナ=シャーケ伯爵が解明したが、その目的は未だ分かっていない。
兎にも角にも、その亀裂により少しずつ世界同士の行き来が困難になっていった。
一時世界中が混乱に陥ったが、棲魔法王国サトクン元首・サトクンがアオタンー魔女の遺跡直通の設置型転移魔方陣を敷き、事なきを得たはずだったが…
『そこに、現れたのが“脳魔”、そして“一號・O”…ってわけだな』
『そうだ…お前、俺にほとんど全部説明させやがって…』
『すまんすまん、面倒くさくてな』
突っ伏したまま、玲音はごちかわを睨む。無言の圧力。
『わ、分かった。そ…それで、ここで何が起きているんだ』
『…こっちには多くの魔物や魔族が居る。だが彼らは人間の暮らす場所とは離れた場所で暮らしていて、特に殺戮や侵略なんてしなかったのだが…』
もちろん、細かい戦いや決裂もたくさんあった。小規模な戦争なら数えきれないほど。それでも、国家が壊滅したり、民衆が大量に死亡したりといった事件はなく、ある程度の秩序は保たれていた。
玲音は話を続ける。
『…奴らが現れてから、魔族、魔物達は急に狂暴になった。次々と攻め入られ、数年前、大童幼好国が落とされた…まるで奴らと魔族達が共謀しているようだ。魔族は同胞とも決してつるまねェはずなのに、な』
『な、とんでもなくまずい状況じゃないか…!!』
『そして、脳魔と一號は“しぃけーちき”の三大幹部のうち二人だ。残る一人は、存在しているということしかわからねェ。何か知っているか、ごちかわ?』
この状況で現れたということは、おそらくしぃけーちきの仕業か?いや、目的が分からん。今更力任せのただの侵略攪乱などと、つまらんことをする奴ではない。
『うーむ…知らんな』
『……』
『…難しい顔をしているな、となかわ』
『そりゃあ、そんな顔にもなるさ』
そんな顔にはちと見えなかったのだがな、まるで、三大幹部の最後の一人を知っているような表情だ。…気のせいか?
『…それで、僕たちはここで何をすればいいんだい?』
『ここは私たちが食い止めているけれど、このままじゃ、そちらの世界まで魔物達で溢れてしまう。その前に、互いの世界を一度閉ざし、限られた物しか行き来できないようにするのよ。いいところに来てくれたわね』
突然、後ろから女性の声が聞こえて来た。藍色の袴。まさに和風、と言った風貌だ。
『うおっ、びっくりした』
『……………アオ?アオなのか!?』
『え、…もしかして、……となかわ!?』
『二人は知り合いなのか、ならば話は早い』
となかわがアムに会う少し前まで、近くに住んでいた女性である。となかわよりいくつか年上で、皆のお姉さん的存在だった。その剣の強さを抜擢され、となかわの幼少期、サトクンへと引っ越していったのである。まさかここで巡り合おうとは。
『アオ…久しぶりだね。一体ここで何を…』
『…本当に久しぶりね。積もる話もあるけれど、それは後よ。時間がないの。…千聖を、救わないといけない』
『千聖、あれほどの男に、何かあったのか』
『あぁ…大童幼好国奪還のために居の一番に乗り込み、“脳魔”に敗れ、捕えられた』
『ならば行こう。その目で見んことには、埒が明かん』
『……僕も行くよ。その千聖、って人は知らないけれど、アオの役に立てるなら』
ごちかわが強制転移の陣を描き、4人は大童幼好国の方向へと瞬間移動する。
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…矢継ぎ早の大事件。目の前に横たわる、転がっている人…のようなモノ。
いかに冷静な“白の魔女”ウルアといえども、困惑を隠せないでいた。
「な、なに…?こ、この…」
躊躇いながらも、それをよく見るため、そっと顔を近づけようとしたとき…
腹から飛び出た捻じ切れた臓腑が、ビクンと動いた。
「!!」
…ただしそれは、ウルアだからこそわかるわずかな変化。その擾乱の如き微細な変化は、たとえ屈指の名医であろうと気づかないだろう。よしんば気づいたとしても、死後のわずかな痙攣と見られるのが関の山だ。
「いっ……生きて…るの?」
治してくれと言われた。いったいこの状態で何を…と思ったが、命の灯が消えていないのなら…
<“蓬莱甦生”>
ありったけの魔力を籠め、その身体を回復させる。普段なら、この状態の肉体の蘇生などしなかった。しようと考えることさえしなかっただろう。だが、この目の前の肉片の深くにある光り輝く何かに突き動かされた。魔力を出し惜しみなく使い、必死に回復させる。
すると—————
「……………ぷはぁぁっ!!!!!!!」
「…う、…ウソ……………」
「うはぁ~~っ、今回は特に危なかった………。…ん?」
蘇生を始めてすぐに、ギュルリと肉片が収束し、瞬時にその身体が再生した。
橙色の髪。なぜか共に再生している謎の形の服。何かを呟くと、おもむろにこちら側を見た。ウルアは驚き、警戒する。
「おお!!君が助けてくれたのか!ありがとう、あのままではどうなっていたか分からん!!!」
「え……えっと……」
「俺は“ごちかわ”!!君が俺の奥深くにある深淵の力を取り除いてくれたおかげで復活することができた、本当にありがとう。礼ならいくらでもする!!」
「あ…い…いいのよ。…礼ならもう貰ってるし…」
…やっぱり、私が蘇生を始めるや否や、その身体の奥深くのどす黒いものを取り除いた瞬間、一気に蘇生した。私の蘇生よりも速く。…この人は一体……。それに、突然のことで全然見えなかったけれど、さっきこの人を治してくれと頼んでくれた人に、似ている気がする。いったい、どういうこと…??
ちらりと、机のそばの“反魂魔法”の手記を見る。まだ良くは見ていないが、きっとこれは本物だ。表紙を見ただけでわかる。
「……む?礼を貰っているとは、どういう…」
見たところ、ここは世界の狭間にそびえ立つ、ミル山の山頂付近の遺跡か。あそこからここまで運ばれたのか…?一体誰が。あそこから、俺はどうやって助かった。
「たっだいまーーーーーーーっっ!!!!!!!!!」
考えている二人の間を切り裂くように、突如勢い良く扉が開く。その音をかき消すような、大きな声が聞こえて来た。そこには…
「メロネ!ずいぶん早かったのね」
「うへへ、思ったより早く見つけたんだ、持ってきたよ、調合に必要な…は…な…」
ピンクのロングヘア―の、活発そうに見える少女。ウルアに頼まれ、薬の調合に使用する花を摘んできたのだ。
…状況を見て、その満面の笑顔が驚愕に代わってゆく。
「う、う、ウルアちゃんが私の知らない間に男を連れ込んでるーーーーーっっ!!!!!!!!!!!!!!!!?!?!?!?!!」
「え!?ち、違うのメロネ、これは……」
「そ…そんな…お幸せにっ……」
「待って、話を聞いて…!!」
「……む?メロネ?」
「ごちかわ!?!?なんでここに…!?はっ、まさか、ウルアちゃんと禁断の関けっっ…うぐふ」
「話を聞け、相変わらず煩い女だ」
騒ぐメロネの頭に軽いチョップが放たれた。
「ご、ごめん、勘違いしちゃって…なんでごちかわがここに居るの?」
「俺も分からん。“奴”との交戦に敗れ、気がついたらここに居た」
「……今も闘っているんだ。あの怪物と…」
「俺はもはや眼の見えぬ猪。遮二無二突き進むことしか知らん」
「……知り合い、なの?二人は……」
「ああ、とはいえ、数年ぶりだ。ウルア…と言ったか?の、助手をしているのか?」
「そう!ウルアは、この世界に3人しか居ない“白の魔女”で、とっても強いんだから!!」
「な、白の魔女!!」
「あ…メロネ…!!」
ウルアが眼で訴える。それもそのはず。“魔女”は通常忌避される存在。ホイホイと人に正体をばらしてはいけないのだ。敵対する可能性もある。
メロネはウルアの不安そうな顔に、微笑みで返す。大丈夫、という言葉が聞こえた気がした。
「そうか、どこかで聞いた名だと思ったが、あのウルア=ニョンか!まさかここで会えるとは!メロネもいい師を持ったものだ」
「でっしょ?」
「魔女の私を、怖がらないの…?」
「はは、まさか。それにお前は命の恩人だ」
「……でさ、ごちかわ。話が360°変わるけど、私、あのころと比べてとても強くなったんだよ、もうごちかわにも勝てると思う!」
「ほう、言ってくれるじゃないか」
メロネは普段から、強くなりたいと、ウルアとの魔法の修行や勉強の合間にも絶えず鍛錬を行っているのである。やりすぎだと、ウルアはいつも止めているのだが……………
「メロネ…どうしてそんなにも強くなりたいの。ここなら、平穏に暮らせる。ここで魔法の研究をして、その魔法で人々を助けるのが、良い道だと思う」
「で、でもっ、それじゃあ今困っている人がっ……!!」
「メロネ…」
「……メロネに、死んで欲しくないのか」
「……」
無言のまま、ウルアは小さく頷いた。
「とんだお節介だな。だが、お前は間違ってはいない」
「ちょっ、えっ、どういう…」
「…メロネ。あなたの魂は、格闘家としての強さより、魔術師の方が適正なの。がむしゃらに体を鍛えても、戦闘訓練をしても、強くはなれない…」
「……メロネが、強くなれない?いいや、そんなことはないぞ。誰しも、修羅の道を歩めば、地獄を生き抜けばきっと強くなる。強靭な魂が育まれる。ただ…ただ、争いを知らぬメロネには、無邪気なまま生きる道もあった」
「……!!」
「……舐めないで。それがどうしたの。地獄を見る覚悟なんて、とうにできているわ」
先程から静かに俯いていたメロネの雰囲気が、急に変わった。真剣なまなざしで、こちらを見る。強さはともかく、ここ数年ウルアの元で様々なことを学び、また鍛錬を行ったことで精神的にも成長しているようだ。
「…もしかして、私が…メロネの内の可能性を奪っていた…のかな。
………ねえ…ごちかわ…さん?」
今度は、ウルアが俯いてしまった。哀しげな表情で、ぽつり、ぽつりと言葉を発する。
「む?」
「ひとつだけ…お願いしてもいい?……メロネを、強くしてほしいの」
思想も、正体も、何もわからないけれど、この賭けは、きっとうまくいく気がする。この人を、信じてみるしかない。
「お安い御用だ。いくらでも聞いてやる。聖十二騎士にしてやる」
これで恩義が返せるのなら、いくらでもしてやる。まだ足りないくらいだ。メロネも、魂の輝きは悪くない。
「せ、聖十二騎士…ってなに?」
「ああ、知らなくて当然だ。簡単に言うと、この世界の国々を魔物から守るための騎士。世界の切込み隊長にして、最終防衛線だ。とりあえず、十二人要る。人が足りん。だから今、お前を、その一人に能う強さにしようと決めた」
「わ、私がそんな重要な存在に…!!?い、いやっ、無理だよ!!」
「メロネ…!」
首をぶんぶんと振るメロネに、ウルアは目で訴える。どうしても、メロネに強くなって欲しいようだ。
「すこしばかり荒療治になるだろう。地獄を見ることになる。ついてこれるか」
「…お願い。やって」
「……メロネ」
メロネは、鋭い、覚悟を決めた眼でごちかわを見つめる。ウルアも、根負けしたようだ。
「お安い御用だ」
覚悟に満ちた眼だ。最高の修行を用意してやろう。メロネのために。
……………………………………
「なんか流れで修行する流れになっちゃったけど、私、あの時とは比べ物にならないほど強くなったんだよね。だから、もしかしたら修行なんていらなかったりして?」
「やってみなきゃ分からん」
「じゃあさ、最初にテストしてみてよ。私が力不足なのか、それとも国を担う騎士に十分な力を持ってるのかどうかさ」
「勝手にすればいいだろう、いいから修行を始めるぞ」
「……え?」
「メロネ。お前は魔物達にもわざわざ断りを入れてから攻撃するのか?」
「……!!」
理解したか。察しがいい。最低限の修羅場は潜ってきたようだ。
「来い。そのためにウルア特注の杖を持たせたからな。それに、今からやる修行は、お前から飛び掛かってくれた方が都合がいい」
「……分かったよ、後悔しないでよねっっ!!」
メロネが飛び上がる。宙に滞空しているメロネの周囲が一瞬光ったと思えば、その光はいくつもの光弾と化し、地上に降り注いだ。
<“淫乱桃色乱撃”>
「ふむ。すさまじい魔力だな。杖との相性もいい。魔力が最大限に増幅されている」
「え…!?いつの間に後ろに!?…って、何持ってるの!?」
「何って、見たことないか?金属バットだ。主に人を殴るのに使う」
「えっ、いやっ、それは本来の使い道じゃなうごへぁぁぇっ!?!?」
金属バットの、フルスイング。メロネの鳩尾に的確に入り、鈍い音を立てる。
「う゛っ……あっ…何するのよ…!!」
「……」
「う゛っっ…!!なんで…っ…!?」
痛みに悶えるメロネに、二撃目が加えられる。たまらず、急激に高度を下げ、地面に落ち、寝転がる。
「どうした、修行中に寝るな」
「ちょっ…待っ……なんでっ、こんな、ことっ……」
「地獄を見てもいいと言っただろう」
「言ったっ……けどっ…」
「魔術師適性の魂を持つ者は総じて防御が脆い。加減した打撃でその様だ。だが、何度も致命的な打撃を喰らえば、魂はその攻撃に耐えるため、輝き、力を与える。これは防御力を上昇させるためだ」
「そ、そんなっごぶぅ!!!」
「さあ、どんどん行くぞ。これが最も効率がいいんだ」
「やめ…し、死ぬぅ…っ……」
メロネは苦しみのたうち、その眼には涙が滲んでいる。
「おお、もう死ぬのか。思ったより脆い。よし、死んでいいぞメロネ」
「た…助…け……」
ゴッ ! ! !
……………………………………
「あ…あれ…わ、私、確か…」
目が覚める。体に痛みはない。だが、脳裏には焼き付いている。あの痛みが、恐怖が。折れていた骨が、破れかけた臓器が、元に戻っている。
「よし、二周目だ」
「ひっっ!?」
「どうした、そんなに怯えて、もう痛みはないはずだが」
「え、いやっ、こっこれ、どう、なって、私っ、さっき死んで…」
「うむ。俺はお前を殺した。だが、殺されたからと言って、死ぬわけではあるまい」
「な、何を言って…げへぇぇ!?!?」
「これを繰り返せば、お前は魔族のいかなる攻撃にも怯まぬ防御力を手にする。堪えろ、メロネ」
「や、やだっ、無理っ、助けっ、ぎゃあああっ!!」
「む、逃げようとするから、顔面にあたってしまったではないか。丁度いいな。脆い箇所を攻撃する方が効率がいい。これからは腹ではなく顔面を狙うか」
「た、だずけ、だずででぇぇぇぇ…っっ…!!」
「聞けない相談だな」
ゴッ ! ! !
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「あ、メロネ、おかえり。修行、どう…だった?」
「……………………………………」
「メロネ?」
「わあ、おはなさんだあ」
「……え?あ、これは昨日メロネが摘んでくれたお花ね。秘薬の調合に使うの」
「それちょうだい。めろねおはなだあいすき。おはなみてると、しあわせなきもちになれるの。」
「え、え……どうしたのメロネ…」
「分からん。修行を終えたら、なぜかこうなっていた。まだ一日目なのに、難儀なことだ」
「あはは、おはなさん、わたしがつんだおはなさん、あははは……………」
「め…メロネ…」
…………




