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MOZA-CHAN -モザちゃん-  作者: モザの者
第二章 ~蒼き世界アオタン~
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第一話 “突入?”

「お、おいっ!いったい何だ、私をどこへ連れていくつもりだ!」


「いいから。ストガギスタ王国とニヤ王国から二人ずつの4人パーティ、ちょうどいいじゃないか」


「な、何の話だ!?」


ごちかわに無理やり引きずられてるのは、あの魔門京(まがどきょう)である。出発直前になって、ごちかわが急に『もう一人戦力が欲しい!』と言い出したのである。


「だ、誰かわからないですけど、そんな無理やりにも…」


「おお!ほら、お仲間もそう言ってくれてるじゃないか!何か知らんが、私を開放してくれ!」


「ああ、モザちゃんととなかわへの紹介がまだだったな。こいつは魔門京、略してキョーちゃんだ。よろしくな。」


「僕は知ってるよ…。それに、それは略とは言わないよ、ごちかわ。」


となかわは半ば呆れた表情だ。少し前から、ちょっと離れたところでこのひと悶着を観察していたのだ。


「は……!これはとなかわ殿!お久しぶりでございます!!」


京も気づいた様子だ。強引にごちかわの腕を引きはがし、その場で跪く。


「そんな大げさな挨拶はいらないってば。それで、京。いったい何があったんだい?」


「私にもよくわかりませぬ。突として現れた彼に連れ去られた所存でして…。」


「ごちかわさん、もう一人の戦力ってのは…」


「そうだ、彼に手伝ってもらう!共同戦線、二人ずつでちょうどいいだろ。」


「何を唐突に…!それに、私には近衛隊長としての務めが……!!」


「そうだろうね。それに、ここまで連れて来るだけでも、許可が必要なんじゃないの?」


「ああ、アム王女からはすでに二つ返事でOKを貰っているぜ」


「な……!?」


「そ、そうだったのか…!ああ、アム王女様…!!相変わらずゆとりがあって、()()()……!!ああ、そんな一面もとても愛おしい…!!」


ごちかわの言葉を聞くや否や、となかわはその場で両手を掲げ、心から感嘆の声を上げた。


「ん……?」


「……??」


二人も思わず、怪訝な表情をする。


…?となかわさんの方から、愛おしいって聞こえたような…前によく会いに来るって言ってた、小鳥たちの話かな?よく聞こえなかったけど…。


「…はっ!?い、いや、なんでもないよ。き、京。そういうことなら、よろしくね」


「は、はあ…」


…これだ。となかわはアム王女のことになると途端に人が変わるからな。京も(いぶか)しげな表情をしているぞ。モザちゃんは…キョトンとしている。いい加減気づいたらどうだ…。


「で、なんだっけ。京を魔界に連れて行くのだよね?」


「ま、魔界ですと!?…残念ですがとなかわ殿、私ら近衛隊長は、魔界には如何しても行けないこととなっておりまして…」


相変わらず鎧の上からでも表情の分かる男だ。明らかに困っている。


「んー、まあ、そういう取り決めは僕が何とかしてやるさ」


「そうではございませぬ…。我らは、()()()()()()()なっているのです」


「…“聖結界(ルヴァジェネ)”か。そういえば、そんなものもあったな。聖城を護る任務につくものが、魔界や別の世界に攻め入らないようにつけられた、言わば“呪い”…か。」


京がごちかわの方を向く。その目はごちかわと初めて出会ったときのように険しい。先程からずっと、目線で不服を訴えている。…ごちかわは一切気にしていない表情だが。


「……そうだ。ごちかわ殿の言うような『呪い』と言うほどたいそうなものではないが、魔界を含む“異世界”へと行く時に、この紋章が反応する。そして、“規約違反”と見なされ、城へ‟強制返還”(シリウスポート)される。そして、厳しい罰が課せられてしまう。此れは近衛隊長を含む上位騎士全てに課せられた宿命だ」


鎧の下に隠れた、胸の紋章をトン、トンと叩きながら言う。


「そうか。そうだったな。なら、やめるか」


「えええっ!?」

「破天荒過ぎない!?」

「何を今更!?」


あまりにも無茶苦茶な発言に、三人も思わず声を上げた。特に京は()()()表情をしている。繰り返すが、彼は鎧を着けている。


ううむ。三人からツッコまれてしまったな。しかし、どうしたものか…


三人がごちかわに呆れながらも、う~む、と京を連れていく方法を模索していた時、となかわがおもむろに声を上げた。


「あ、そうだ。僕に、いい考えがあるんだけど」


第二章、“蒼き世界アオタン編”開幕です。

展開が速い、などの意見も見られたため、二章からは、一章に比べて展開は遅めになり、また一話一話の分量も少なくなります。


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