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無属性魔法使いゼロ  作者: クソラノベ量産機
2/7

第1話 マガルギ族

無属性魔法使いの英雄ルーズベルトの物語になります。

 勇者が負け人間軍が魔王軍に負けた事により、暗黒の時代と呼ばれいた時代。


 大魔王ウルベノムは全世界に向け人間同士の戦争を強いたが、その提案を飲まなかった国は見せしめとしてたった一発の魔弾により消し去られた。


 こうして人間同士の生き残りを賭けた戦争が始まり、血を血で洗う様な光景が広がった。


 しかし、人間側も諦めてはいなかった。 何故なら勇者との冒険の中で魔物を喰らう事で魔素マナの最大値を増殖させる事が出来る種族“マガルギ族”に目を付けた。


 人間軍は秘密裏にマガルギ族を捜し出し、代わりに戦わせるべく奴隷とし魔物の肉を与え始めた。


 それから数年の月日が流れ三人のマガルギ族の子供がイシュタッド王国の奴隷として捕まった。


「国王陛下!? 幾ら何でもこんな子供にまで!」


「ええい、五月蝿いぞブラウン兵隊長! 貴様何時から私に指図出来る立場になった!!」


「ですが……。」


「貴様も知っているだろう、我々人間軍にはもう後が無いのだ! 連れて行け、貴様がそのマガルギ族の教育係をするのだ……良いな!」


「はい……御命令とあらば。」


 ブラウンの困惑する言葉を聴かずイシュタッド王は、三人のマガルギ族を地下へと連れて行く様に命令した。


「「「…………。」」」


「そう睨まないでくれ、私とて君達の様な子供にまでこんな事したくないのだ。」


 地下へと降りると三人のマガルギ族は檻の中へと入れられる。 ブラウン兵隊長が檻から離れ、見えなくなると三人のマガルギ族は話し始める。


「ねぇ、あたし達どうなるの?」


「さぁな、けど安心しなよ! 何が何でも二人の事はオレが守ってやっからさ!」


「二人? まさか俺も入ってる!?」


「そりゃそうだろ、ルーズベルトお前だけ里では魔力ゼロで怠けて狩りにすら行かなかっただろ。」


「そうだよね、ルーは昔からサボってばかりだったよね?」


「ひでぇな、フィオもロディも俺の事そんな風に見てたのかよ!?」


 俺はルーズベルト。 この二人は親友で男の方はロディと言って里で一番の魔素マナの保有量が高くナイフでの狩りも子供の中では大人顔負けだ。


 んで、こっちの女の子はフィオ。 この子はロディ程じゃないけど魔素マナの保有量は多く、あまり魔法に頼る性格じゃなく持っている火打ち石で火を熾す事が多い。


「つーか事実だろ? 今更、お前のサボり癖が治らないくらい分かってんだよ。」


「ふふ、ルーもロディも何時も通りで安心した。」


「ま、二人がピンチになった時は俺が何時もの数百倍の力発揮して助けてやるよ!」


「相変わらず自信だけは一人前だな。」


 ロディは呆れながらため息を吐くと、フィオはくすくすと笑っていた。 そして一週間が過ぎた頃、教育係として俺達と接していたブラウンという名の男が見張りを代わり、ゴソゴソと懐から何かを取り出した。


「何だよ……。」


「あーいや、スマンな……不味い魔物の肉ばっかりだと辛いよな。 せめて、これ位の事はさせてくれ。」


「これ、チョコレートってやつじゃね?」


「はぁ、ルーズベルトは相変わらずだな。 少しは他人を疑う事をだな。」


「うめー!」


「あっ! おい!!」


 俺はロディの忠告を聞かずにチョコレートを一欠片に割り食べた。


「はは、美味いか……この事はナイショな。」


「んじゃ、残りは二人の分な!」


「え、ルーはもういいの?」


「俺は魔物の肉喰っても二人程、魔素マナの保有量が増えないからな。」


「そう言う事なら遠慮はしないが。」


 俺は残りのチョコレートをロディとフィオに手渡し談笑した。


「あ、美味しい!」


「だな……。」


「にひひ……。」


「何だよ急に笑い出して。」


「皆こうして笑い合える日が何時か来れば良いのにな!」


「そうだね、こんな時代早く終われば良いのにね。」


 そして、月日は流れ人質のつもりなのか俺だけ地下で待たされロディとフィオの二人は何処かへと何度か連れて行かれていた。


「はぁ、暇だな……何で俺だけ残されんだ? ロディもフィオも兵士達の隙を見て俺を置いて逃げれば良いのに。」


「出来ればやってるよ……。」


 俺が悪態をついているとロディとフィオが地下へと教育係の人と一緒に戻ってきた。


「あんまりそう言う事言うものじゃないぞ? 俺は聴かなかった事にするが、何時かは三人とも自由にしてやりたいとは俺も思ってはいるんだ。」


「どうだかな。」


「そういや、さっき逃げれないって言ってたけど何でだ?」


「それはね、私達ここに連れて来られた時に変なマーク付けられたでしょ?」


「ん、ああこの落書きか?」


「こいつのせいで、命令に従わなかったら身体中に電流が走るんだよ。」


「そうなんだ、じゃあ洗い流して消さないと!!」


「それも無理だよ、私も洗い流せないか試したけど消えなかった。」


「まじかよ……。」


 俺達は地下へと入れられる前に変なマークを三人共、奴隷の印として左肩に付けられていた。 そして、そのマークは命令違反を起こした時には電流が流される仕組みになっているらしい。


 それから数日が経ち日に日にロディとフィオの顔には疲れが見え始める様になって来た頃。


「なぁ、ロディもフィオも何されてんだ? 段々顔色が悪くなっていってるぞ?」


「大丈夫……ルーは自分の事だけ考えて……。」


「そうだな、俺が必ずルーズベルトだけじゃない……同胞の皆を自由にするから。」


「けど……!!」


「おい! 仕事だ、早くしろ!!」


 そこへ二人の兵士が来て疲れきっているロディとフィオを連れて行こうとする。


「待てよ! 二人共もう疲れきってるだろ!! 休憩ぐらいさせてやれよ!!」


「うるせーぞ役立たずが!!」


「うわっ!?」


「ルー!!」


「ルーズベルト!!」


 俺は兵士に掴みかかり二人を休憩させる様に懇願したが、聞く耳を持ってなく壁に蹴り飛ばされてしまった。


「おいおい、こんなクズでも役には立ってるだろ? 人質としてはなぁ?」


「違いねえ、アッハハハハハ!! おら行くぞ、そこのお友達を殺されたくなかったらな!」


「くそっ!」


 疲弊しているロディとフィオを無理矢理兵士達は連れて行き、俺は壁に叩き付けられた事で気絶してしまった。

何時も読んでくださり有難う御座います。

次回も不定期投稿になります。

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