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 夜行喫茶  作者: 朔々
3/9

 10月3日


 10月3日 曇り


 最近、閉店時間が少し延びている。

 この辺りの新聞配達人が新しくなり、その彼が閉店間際、つまり配達終わりにやってくるようになったのだ。

 うちの営業時間は18時から6時までなのだが、5時からの1時間はほぼ誰もいないので私も気が抜けている事が多く、彼が初めて来た時は恥ずかしいくらい驚いてしまった。

 彼は毎日50分頃に、肩で息をしながらすべりこんでくる。まずアイスコーヒーで喉を潤し、サンドイッチを注文。それから食後にホットコーヒーを飲みながら新聞を読む。つごう、30分ほどのんびりしてゆく。帰る頃には、すっかり朝日が登っている。

 客が来るのはうれしいが、この朝日の辛さは、昼型の人にはわからないだろう。

 夏に比べ、日が短くなってきているからいいものの、これが続くようなら今から来年の夏が憂鬱だ。

 聞くところによると、「前から夜行喫茶に興味があった」とか。

 一過性の好奇心ならまだしも、一人暮らしの様子。仕事終わりに手軽に朝食を食べられるとなると、常連になる可能性が高い。

 彼にはもっと早く来店できるように頑張ってもらいたい。それと、うちに配達した新聞をそのまま読み始めるのはどうかと思う。



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