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 夜行喫茶  作者: 朔々
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 10月2日


 10月2日 晴れ


 昨日は自分の事を書くつもりがなんだか愚痴っぽくなってしまった。続きを書ければいいのだが、今日は書く事がある。いつかまた機会があれば書こう。

 そんなわけで、今日は3年ぶりに師匠に会った。と言っても、私が出向いたわけではない、店に寄ってくれたのだ。

 店を譲り受けてからは活動時間の違いで、季節毎の手紙のやり取りだけだった。

 3年ぶりの師匠はこんがりと日に焼けていた。すっかり昼型の生活に戻り元気にやっているようだ。少しだけ、色白の師匠が懐かしい。

 昔は常連客との会話もままならなかったが、今日はしっかり噛み合っていた。昔の師匠といえば、起きているのはコーヒーを淹れている間だけ、注文を間違えるのもざら、といった有り様で、私を雇ったのもそれが理由らしい。昔の口癖は「だんだん起きていられなくなってきた」だった。

 そもそも昼型の師匠がなぜ夜行喫茶でマスターをしていたのか、今日もやはり聴かれていたが相変わらずのらりくらりとはぐらかしていた。そこは昔のままだ。

 帰り際、コーヒーを誉めてくれた。嬉しいかったが、ぐしゃぐしゃと乱暴に頭を撫でる癖は、寝ぼけていたわけではなかったようだ。

 未だに師匠の最後の課題が終わっていない。精進せねば。


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