序章3
まだ序章
10月中旬、王国の各地にて暴動が発生した、僕のお父さんも自分の中隊を率いて暴動を抑えに行きそしていつも傷ついていた。
兄ちゃん達復興作業員も暴動に巻き込まれて怪我をした、そのせいで復興も滞りその遅れを取り戻すべく帝国は更に物資と人員を派遣した。
12月、ボロボロになったお父さんと兄ちゃんが家に帰ってきた、お風呂に入ってご飯を食べたらそのまま二人は出発の日までの2日間ベッドで眠り続けた、余程疲れていたのだろう。
僕はそんなお父さん達を気にしながら学校に行った、僕だけ日常は変わらない、学校に行って学校が終わったら帰って寝る、それの繰り返し。
先生「それでは皆さん今日の授業はこれで終わりです、ちゃんと宿題はやりましょうね、最近王国内で物騒な事が起きてますがだからと言って勉学を怠ってはいけませんよ」
アルフ「先生、何故被害が一番大きいナルスの町に物資が集められているんですか?」
先生「どうしてその質問を?アルフ君のお父さんは現地に行ってるのでしょう?お父さんに聞いてみたらどうですか?」
アルフ「お父さんと兄ちゃんは家に帰ってきても疲れてて……その……」
先生「聞きづらいと?わかりました、その質問に答えましょう」
先生「ナルスの町が一番被害が大きいのは確かです、ですが何故そこに物資を集積してるのかと言うとナルス周辺の町や集落は壊滅してしてるんですよ」
先生「ナルスは周囲を壁で囲まれており町へ迫ってきていた水害から町を守りました、結果的に壁は崩壊し濁流は町へ流れ込んでしまいましたがそれでも壊滅には至りませんでした」
先生「ですが周囲の町には壁など無く濁流をもろに食らい壊滅しました、王国各所には高台など濁流から助かる箇所が合った為人的被害は奇跡的にも軽微で済みました」
先生「しかし結果としてナルスの町以外の周辺の町は無くなってしまいナルスの町の外には帰る家を無くした人達で溢れてしまいました、水害を避けれた町も地震の影響で建物が倒壊してしまい各地の被害は図りしれません」
先生「その結果被害と地理の関係で帝国から一番近い町としてまだ残っているナルスに物資が集積されました、そしてナルス付近で野営してる被災人達や遠くてもまだ町として残っている町へ物資と人員を派遣してるという訳です」
アルフ「……詳しいですね先生」
先生「兄が軍人でしてね、現地には行ってませんが派遣する物資の輸送隊に配属されているので色々と聞けるんですよ」
アルフ「もう1つ質問なんですが、何故暴動が起きてるんですか?」
先生「物資が十分に行き渡っていないのですよ、特に今年の夏は暑さと汚泥によって食べ物がすぐに傷んでしまっているんですよ」
先生「更に復興も上手く進まず被災した人達のストレスがドンドン溜まっていった、そしてここ最近で遂に爆発したのでしょう」
アルフ「そしてその暴動を帝国の人達が抑えているんですよね?おかしくないですか?」
先生「私もおかしいと思っています、復興作業にも手を貸さなくなり暴動も見てみぬフリをする王国には疑問しかありません、暴動か復興のどちらかに手を貸してくれればここまでの事態にはならなかったとは思うのですがねぇ……」
僕の中で王国の王様への不信感が沸いてきた、こんなにまで自分の国を放置してる王国の王様はきっと酷い人だと……この時からそう思い始めた……。
まだまだ序章は続く