序章2
懲りずに書いた、誰も見ないけど書いた
「では行ってくるよ、2ヶ月に一度は戻れるそうだから心配するな」
1043年2月、王国で起きた大規模地震とそれに伴う水害により王国中央部は甚大的な被害を被った、王国の要請により帝国は物資と復興作業員とそれを管理する一部の部隊が派遣された。
「アルフ、父さんとアランが居ない間しっかり母さんとアニスを守るんだぞ、家も勿論だが家族の命が最優先だぞ」
「親父も心配性だな、親父はこの街では有名人で家も有名なパン屋なんだぜ?襲ったら街の人達全員から袋にされるんだぜ?」
お父さんと僕の兄アランは王国に派遣されることになった、お父さんのガルシアは18の頃から賊討伐や大規模模擬戦で武勲を上げて叩き上げで中隊長になった、この街で己の腕だけで中隊長にまで成り上がった人はここ30年いないらしく街では有名人だ。
兄のアランは街の建築作業員として15の頃から働いてる変り者だ、体を動かすのが好きでその大きな体と笑い声で街でもよく目立つ存在だ。
「二人とも、王国では疫病も流行り始めてるそうよ、体を清潔に保って少しでも具合がおかしかったらお医者さんに言うのよ?」
「お母さん、お父さん達も心配だけどうちのパン屋も忘れないでね、国境から近い街だから人が何処よりも派遣されるのよ?売り上げが下がっちゃうよ」
僕のお母さんタニアは生まれた時から右足があまり動かない、その代わりなのか腕力や手先が他の人達より器用で趣味のパン作りは僕が生まれた15年前の頃から既に帝都でも有名なパン屋になっていた。
姉のアニスはしっかり者でこのパン屋の帳簿とパンの具材を任されている、料理が好きでお母さんのパンと合わせると絶品だ。
「行ってらっしゃい、お父さん、兄ちゃん。」
僕はアルフ、この一家の末っ子だ、今年で15になり父と同じ軍人になるか兄と同じ建築作業員になるかそれともパン屋を継ぐかで悩んでる、それだけの子供だ。
地震が起きて半年、お父さんと兄ちゃんが帰ってきた。
ガルシア「家に帰ってくると心の底から安心出来るよ、ナルスの街は地獄だよまったく」
お風呂から出てハチミツ酒を飲みながらお父さんが言う、続いて兄ちゃんも風呂から出てきた。
アラン「食い物も死体も何もかも腐ってるからな、あちこち泥まみれで最悪だぜ」
ガルシア「奇妙なのは王国の作業員や兵士だ、最初は一緒に作業に当たってたがここ最近姿を見せやしない、そのせいであちこちの復興に俺達帝国の作業員が派遣されてどこも人手不足だ」
アニス「酷い話よそれ、自分達の国なんだから自分達でやりなさいって話なのに手を抜く所か手伝いもしないなんて」
タニア「王国の国民はどうなの?自分達の街を復興しない今の状況にどう思ってるのかしら」
ガルシア「復興よりも飯が欲しいそうだよ、飯の配給時はいつも喧嘩や乱闘が起きる、復興が進まないのもこういったのが原因だ」
アルフ「………」
僕は家族の話を黙って聞いてた、お父さんも兄ちゃんも家に帰れば現地の惨状ばかり話してる、今日薪を一杯割った事を話したくても話せない、いつもならこんな会話で食卓が賑わうのに最近は暗い話しばかりだ
早く復興が終わらないな……
あんまり長文出来ない、のんびり書いていく