序章
取るに足る物とは思えませんが…まぁ…気になったら流し読みでもしてくださいな。
帝国歴1046年、この広大な大陸[ヒルシュ大陸]はディアス帝国と200年前に帝国から独立したバーンズ王国の2つの国が二分し戦争状態にあった。
ディアス帝国はその歴史の長さから整備された土地が多く対する王国と比べ各所に砦や要塞が多く点在する軍事国家である、バーンズ王国は当時まだ整備が行き届いてない土地で独立し勃興したため砦等は少なく田畑が多い実り豊かな国である。
2つの国は国境沿いで小規模な戦闘が起きるも輸入輸出が行われる微妙な均衡を保っていた、それでも大きな戦闘は起きておらず両国の間では些細なこととしていた。
しかし3年前の帝国歴1043年2月、王国の北方にて大規模な地震が発生した、震源の王国北方の山には巨大な貯水池があり地震により下流の町にほぼ全ての貯水池の水が流れ込み王国中央は浸水し王国始まって以来の水害に見舞われた。
王国は帝国に復興の為の人員と食料や医薬品を要請、帝国をそれを承諾し王国へ復興の人員と物資を派遣、最初こそ王国と連携して行われた復興作業も次第に帝国の人員のみで行われるようになりまた要求される物資も多くなっていった。
大量に要求された物資も帝国は承諾し水害の中心部となる王国中央の町ナルスに集積し各地へ物資と人員を各地に派遣しつつナルスの町も復興に励んだ、帝国歴1043年10月、帝国の懸命な復興作業が進む中遂に王国内で暴動が発生した。
各地で発生した暴動にも対処しない王国とそれにも対処し始めた帝国、各地での暴動を抑えるためにナルスの町から多くの人員を派遣した帝国は帝国歴1044年2月誰も予想していなかった事態に見舞われる。
大量の物資を集積しているナルスの町に王国の兵士が大軍となって攻め込んできた、突然の侵攻になすすべなく散っていった帝国駐留部隊、更には各地で暴動を抑えるために派遣していた帝国の人員達も襲われ王国に派遣されていた多くの帝国の兵士と復興作業員が死んだ。
この事態に帝国皇帝ディアス24世は王国に事実確認を問うた、しかし王国は武力によって答えた、奪った大量の物資と行き場を失った被災した王国民を徴兵して兵員を確保し王国は帝国へ侵略戦争を開始。
帝国歴1044年3月、王国と帝国との間に戦争が起きた、開戦当初こそ王国の電撃的な侵攻により帝国は押されていたがすぐに建て直し反撃に転じた、一時は帝国中央にある大都市ガーランドにまで侵攻した王国も開戦から2年が経過した帝国歴1046年4月、戦線は物資が集積されていた町ナルスを超え王都ケルディアにまで後退していた。
王国は追い詰められ陥落までもう数日といった時のこと王城の一角の塔にて
バーンズ王「これで準備は整ったのか?」
王国兵「古文書によればこの陣を血で描けば契約の声が血の主に聞こえるとの事ですが……」
バーンズ王「藁をもすがる思いでこの古文書に頼ったが……その声とやらは聞こえぬぞ?」
王国兵「実は……この古文書の最後の部分が掠れておりまだ解読が出来てはいないのです、申し訳ございませぬ。」
バーンズ王「いや、そなたたちを責めてはおらんよ……そもそもこの戦争自体無謀だったのだ……だが回りの家臣達の声に怖じ気づいたワシは宣戦布告もせずに帝国への侵略を踏み切った……ワシのせいで多くの兵と民が死んだ……ここらでワシの首を差し出すべきなのだろう」
王国兵「陛下……!?陛下!!」
塔の窓に一瞬の光、帝国の狙撃
王国兵「陛下!危ない!!」
バーンズ王「何を!?……な!」
バーンズ王を庇った王国兵の額に矢が刺さっていた、王国兵はそのまま陣の上に倒れた。
バーンズ王「あっ……あっ……ワシはまた……すまぬ……すまぬ……」
主の血により我は目覚めた、我の声を聞くがいい
バーンズ王「!?この声は……まさか陣の声か
!!」
主の願い…この血と亡骸によって叶えよう…さあ口にしよ…
バーンズ王「亡骸?まさか……この者の亡骸が最後の……」
さぁ…口にしよ…主の願いを……
バーンズ王「この国を救ってくれ!帝国が目前まで迫ってきている!あやつらを退け王国を救ってくれ!!」
主の願いを聞き入れよう…国を救う力を今ここに……
声が途絶えると突然辺り一面にまばゆい光がほとばしった
バーンズ王「な、なんだ!?何が起こった!?」
王国兵「陛下!何事ですか!?」
外で待機していた。兵士達が塔に入ってきた
王国兵「陛下!…!貴様!!そこで何をしている!!」
王国兵の視線の先には1人の青年が居た、そしてじっとバーンズ王を視ている
バーンズ王「そ…そなたは?」
???「僕?僕は神宮司大和家で寝てたのに突然こんなところに呼び出されたんだ、ここはどこだい?」
大和…そなたはこの国を救う勇者となったのだ、そなたには溢れでるほどの力を授けた…この力でこの者の願いを叶えよ……
大和「んー……よくわからないけど良いよ、よろしくねおじさん♪」
バーンズ王「あ……ああ、よろしく頼む大和君」
王国兵「陛下……この者を信用してもよろしいのですか?寝間着みたいな格好に裸足……明らかに一般人ですよ?」
バーンズ王「この際何でも良い、ワシらには後が無いのだ……!」
大和「もしもーし、二人とも僕を無視?僕は何をしたらいいの?」
バーンズ王「ぬ、すまぬな…せっかく来てもらったのに茶も出せなくてすまぬ、今外は帝国の軍隊に囲まれとるのだ、何とか撃退してもらえぬか?」
大和「いいよ♪さっきから体の奥から力がみなぎってるんだ、軍隊だろうとモンスターだろうと余裕だよ!」
バーンズ王「もんすたー?とやらがいるかは分からんが敵は大軍だ、気をつけてくれ」
大和「OK~、んじゃ行ってくるよ♪」
大和は塔の窓から飛び出した、そしてこの瞬間……この戦争は大きく変わった……
読んでくれてありがとうございます、お礼になんでもします(なんでもするとは言ってない)