信じる
量が少なくて申し訳ないです。
次はもう少し多めに書かせてもらいます。
「ーです。ーです。お降りの際は足元に
ご注意して、出口は向かって左側の…」
車内のアナウンスが流れながら、
プシューッ。ガチャ。
ゆっくりと両開きのドアが開く。
「とりあえず降ります。」
そう言って、リウは僕の腕を掴み、強引に電車から引きずり出した。彼女の掴む力が思っていたよりも、かなり強く僕は抵抗出来ずにそのまま引っ張られた。
そして、駅のホームを出た時に僕は、思い出したかのように腕に痛みを感じて
「お、おい。いい加減離してくれ。」
「ご、ごめんなさい、兄さん。」
彼女は先程よりも落ち着きを取り戻した様子だった。そして、申し訳なさそうに
「それと…本当にすみませんでした。
あんなに失礼な口を叩いて…」
「いや、それはいいんだ。僕が聞きたいのは…」
「ごめんなさい…今は何も言えないんです。
でも、必ず、必ずこの旅が終わったら
お話しします。だからメルナまでは私に
付いてきてください。お願いします!」
彼女はそう言って僕に深く頭を下げる。
やっぱり、そうか。
これはただの旅行なんかじゃない。
もっと…大きくて、重要な何かを彼女は背負って
動いているんだ…。それが良いことなのか、悪いことなのかも分からない。
だが、そうだとしても一人の少女が、一人の人間が、こんなにも真剣に必死になって僕に頭を下げているんだ。
事情がどうであれ、彼女の言葉を無下にしていいのか…?いや、いいわけがない。
僕は自分の意を決するため、はっきりと
した口調でリウに問いた。
「本当にお前を信じていいんだな?」
「はい。私を信じてください。」
彼女のその蒼い瞳が、メラメラと光を宿していた。
僕はそれを見て、彼女の言葉を、その瞳を....そして、彼女自身を信じることにした。
この先、どんな苦難が待ち受けてようと
しても。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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