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【全年齢版】家族会議

人 物

吉田隆司(19)大学生

吉田将大(50)隆司の父

吉田夏美(47)隆司の母


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


○吉田家リビング(夜)


静かなリビングで、吉田隆司(19)は吉田将大(50)とテーブルを挟み無言で向かい合って座っている。吉田夏美(47)が最後のテーブル上の使用済み食器を台所へ持って行ったタイミングで、隆司は口を開く。


隆司「それで、話ってなんだよ」


将大「隆司に、大事な話があるんだ」


隆司「それはもう聞いたよ」


かしこまった様子で言う将大に、隆司はうんざりした様子で言う。


将大「実はな、父さん、バーチャルユーチューバーをやって生計を立ててるんだ」


隆司「……は?」


深刻な顔で言う将大に、隆司は意味がわからないという顔で聞き返す。


将大「父さん、バーチャルユーチューバーをやって生計を立ててるんだ」


リビングに沈黙が流れる。


隆司は一度大きな深呼吸をした後、頭を軽く抑える。


隆司「えっと、じゃあ去年、親父が転職した在宅業務って……」


将大「ボイスチェンジャーで声を変えて、可愛い女の子としてゲーム実況したり、雑談を配信したりしてた」


隆司「……ちなみにさ、そのバーチャルユーチューバーの名前って聞いてもいい?」


終始真面目な態度で話す将大に、隆司は気まずそうに尋ねる。


将大「ほいっぷ☆るんるん……と言えば、わかるんじゃないか?」


将大は身体の前で手を組み、ニヒルな笑みを浮かべる。


隆司「ほいっぷ☆るんるん…………だと……!?」


隆司の顔が真っ青になる。


将大「そう、お前がR-18のweb同人誌で荒稼ぎしているほいっぷ☆るんるんだ……」


将大はほいっぷ☆るんるのいがかがしいイラストが表示されたタブレット端末をテーブルに置く。


隆司「そんな……るるたんの中の人がこんな小汚いおっさんだなんて……!」


隆司はわなわなと震えながらテーブルに拳を打ち付ける。そこに夏美がやって来て、将大の隣の席に座る。


夏美「隆司、あなたには、るるたんの他にもう一人、お気に入りのバーチャルユーチューバーがいるわね……」


隆司「ま、まさか……」


夏美「あなたが今度の新刊で描く予定めろろんはーとの中の人は、母さんよ!」


隆司「いやいや……流石にそれはいくらなんでも……」


夏美はおもむろに席から立ち上がる。


夏美「皆さんこんにちは! あなたのハートにめろめろめろろん! めろろんはーとですっ」


夏美は急にかわいらしい声で手でハートを作ったり上目遣いになったりと可愛らしい動きをする。


隆司「まんまめろろじゃねえかあああああああああ!!!!」


隆司は両の拳と額をテーブルに打ち付ける。夏美は席に座る。


将大「驚くのもわかる。だが今日、隆司にこの話をしたのは、その上で重要な話があるからだ……」


将大は腕を組みながら隆司に語りかける。


隆司「は……? これ以上まだあるのかよ?」


隆司は机の上に身体を倒したまま、頭だけを将大に向ける。


将大「むしろ、ここからが本題だ……」


隆司「な、なんだよ……ほいっぷ☆るんるんとめろろんはーとのエロ同人を辞めろって事なら、別に俺は……」


居心地悪そうに隆司は姿勢を正す。


将大「違う、その逆だ!」


将大は腕を組んだまま、力強く言う。


隆司「いや、無理……中の人が両親だとわかった時点でもうそういう目で見れないわ……」


大きなため息をつきながら隆司は言う。


将大「それも違うぞ! 隆司!」


隆司「いや、違うって何だよ……」


夏美「隆司、母さん達と一緒にサークルを作りましょう!」


将大「隆司、これはスカウトだ。これから三人でもっと新しいコンテンツを立ち上げていこうじゃないか!」


隆司「いや、急にそんな話されても……」


将大「これからは堂々とエロい絵が描き放題だぞ!」


隆司「ぜってー嫌だよ!」


隆司は立ち上がって声をあげる。



【本文200字詰め原稿用紙10枚換算】

PCでのシナリオ書式で書いたものをそのままはりつけて転記しているので、本来のシナリオの書式と異なります。



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