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とーかのシナリオ詰め合わせ  作者: 和久井 透夏
課題 兄弟姉妹
5/15

【全年齢版】弟可愛い

   人 物


 仲村弘人(15) あやめの弟

 仲村あやめ(18) 弘人の姉


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


○仲村家リビング(夕)

   仲村あやめ(18)は、ソファーに座りプリ

   ンを食べている。そこに学生服姿の仲

   村弘人(15)が入ってくる。

弘人「ただいまー……何食べてんの?」

   弘人はリビングを横切ろうとして足を

   止める。

あやめ「何ってプリンだけど」

   あやめは不思議そうに首をかしげる。

弘人「それ俺のプリンなんだけど……」

あやめ「え、そうなの?」

弘人「名前書いてあっただろ!」

   とぼけた態度のあやめに弘人は声を荒

   らげる。

あやめ「名前? 書いてあったっけ?」

   あやめはソファーの横にあるゴミ箱を

   あさり、誰の名前も書かれていないプ

   リンのふたを取り出す。

弘人「そっちじゃなくて器の方だよ!」

   ソファー前の机に置かれたプリンの器

   には弘人の名前が書かれている。

あやめ「あ、ごめん。気づかなかった~」

   あやめは軽い調子で謝る。

弘人「気づかなかったじゃねーよ。これで何

 回目だよ、そうやって俺のを食べるの!」

あやめ「うーん、何回目だっけ?」

弘人「23回目だよ!」

あやめ「わぁ、よく覚えてるね。すごい」

   手を叩いて笑うあやめに、弘人はムッ

   とした顔になる。

弘人「大体、姉ちゃんは注意力散漫すぎるん

 だよ。今年大学受験だろ? そんなんで大

 丈夫なのかよ」

あやめ「心配してくれてるの? やっさし~」

弘人「ごまかすなよー」

あやめ「私は今日推薦での合格が決まったか

 ら、大丈夫だよ」

弘人「は!?」

   あやめが笑顔で言えば、弘人は目を見

   開く。

あやめ「てっきりお母さんがパート行く前に

 お祝いで買ってくれたのだとばかり思って

 たよ」

弘人「……どうせ俺は推薦枠にも入れねーよ」

あやめ「弘人あがり症で本番に弱いもんね~」

弘人「……」

   弘人は急にうつむいて黙り込む。

   あやめはソファーから立ち上がって弘

   人の頭へと手を伸ばすが、途中でやめ

   る。

あやめ「も~、プリン食べちゃったのはごめ

 んって。代わりを買ってあげるから一緒に

 コンビニ行こっ」

   弘人の肩をゆすりながら、あやめは明

   るい声で言う。

弘人「別に……」

あやめ「じゃあ出かける準備してくるから、

 弘人も制服着替えちゃいなよ」

   あやめはそそくさとリビングを出て行

   き、弘人はその場に一人残される。


○住宅街(夜)

   コンビニの袋を持った弘人とあやめは

   半分にした肉まんを片手に二人並んで

   歩いている。

あやめ「たまに食べたくなるよね~肉まん」

弘人「……別に、気使わなくていいから……」

   弘人が立ち止まり、あやめが振り向く。

   あやめは弘人の元まで戻ると静かに弘

   人の頭をわしゃわしゃとなでまわす。

あやめ「私はやりたい事をやってるだけだよ」


【本文200字詰め原稿用紙7枚換算】

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