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気愛は気合

志帆は部活を終え香織とも別れ、帰宅の途に着いた。

志帆は家に着くと、カバンを部屋に置き手を洗うと、そのままテニスをしてるとは思えない華奢な腕をエプロンに通し、夕食の準備を始めた。


「夕食は豚ブロックの肉じゃがにしよう!」


何故か少し気分が浮き気味の志帆。

それもそのはず、この歳にして食事を作って美味しいと言ってくれる事の喜びを知ってしまったのである。

そして豚ブロックのにくじゃがは真燈の大の好物であるのは言うまでもなかった。


早くも女性の…もとい、人の喜びの1つを体感している志帆はハタから見れば良い奥さんである。


そうこうしてると、


「ただいま…」


「おかえりまーちゃん。」


「あっ、今日肉じゃが?」


「んふ、あたり!」


何故かこう言う時は志帆のキャラが変わる。

そのスイッチは未だに謎なのだが。

妙にギャップがあって萌える。


真燈はさっさと身の回りの用事を済ませテーブルへ向かうとちょうど頃合いの匂いが鍋から香って来た。

箸などを運ぶのは俺の仕事、まぁいわゆる雑務。

誰でもできる事。

俺は一人では生きていけない、けど誰かを幸せにしてやれる程の自信もない。

幸せにしてやりたい人は選びたいけれどもその選ぶ権利も権限もない。

この生活が成り立っているのは志帆と、多くの大人の支援があってなのである。



俺は両親と死別し、志帆の両親も同様である。

その話はまた話そう。



あぁ、また嫌な事思い出しちまった。



「ねえ、何考え事してるの?また顎を触ってるよ?」




これから少しずつ恋愛要素取り入れます。

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